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F1やプロ野球 横浜・広島も。月額1,750円のスポーツライブ配信「DAZN」開始

 サッカーや野球、バレー、UFCなどのスポーツをライブ/見逃し配信するストリーミングサービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が23日に正式サービス開始、F1やテニス、バスケットボールなどの全スポーツコンテンツのラインナップや、サービス詳細を発表した。月額料金は1,750円で、1カ月間は無料体験可能。決済方法はクレジットカード。

DAZNのジェームス・ラシュトンCEO(左)とDAZN日本社長&マネージングディレクターの中村俊氏

 DAZNは、スポーツ関連のメディアやサービスを展開するデジタル・スポーツコンテンツ&メディア企業Perform Groupによるスポーツライブストリーミングサービス。2017年シーズン以降のサッカーJリーグや、ブンデスリーガ、バレーボールのVリーグ、総合格闘技のUFCなど、スポーツのライブ生中継や見逃し配信を行なう。'17年以降のJリーグについては、無料放送以外のネット配信や有料放送についてDAZNが10年間の放映権を取得している。

DAZN。月額料金は1,750円

 19日から番組視聴可能となっていたが、23日の正式オープンにあわせてコンテンツラインナップを発表。新たに配信コンテンツとして、サッカー、野球、バレーボール、総合格闘技のほか、バスケットボールや、アメリカンフットボール、ビリヤード、卓球、ボウリング、フィッシング、サイクリングなど130以上の競技を用意することを明らかにした。

DAZN
日本のプロ野球は2チーム

 モータースポーツは、F1、GP2、GP3、ポルシェスーパーカップなど。F1は金曜日のフリー走行から配信し、解説、実況も独自のものを用意する。野球の横浜DeNAベイスターズ、広島東洋カープのすべてのホームゲームを配信。メジャーリーグベースボール(MLB)も配信する。

F1も配信

 バレーはVリーグのほか、FIVBバレーボール・ワールドグランプリ、FIVBバレーボールなどを配信。ゴルフのPGAツアー、世界卓球選手権、ダーツ、ラグビーはトップリーグと日本代表のホームゲーム。また、テニス、バドミントン、ビリヤード、サイクリングのツール・ド・フランス2017、ジロ・デ・イタリア2017などを配信予定としている。

主な配信コンテンツ

 ライブ生中継だけでなく、キャッチアップ(見逃し配信)も可能。ライブ配信中の巻き戻しや一時停止にも対応する。日本の大門のオフィスには100名の正社員、50名のパート社員が勤務し、日本向けの制作を行なう。解説や実況などを加えた日本向けローカライズや、日本独自の番組制作も予定。

大門のオフィスで日本向けのローカライズなどを行なう

 視聴可能なデバイスは、スマートテレビ、モバイル&タブレット(Android/iOSアプリ、ブラウザ)、PC(Windows/MacのGoogle Chrome、Firefox)、Amazon Fire TV/Fire TV Stick、PlayStation 3/4(予定)。スマートテレビはソニーのAndroid TV搭載モデルと、パナソニックの一部、LG Smart TVに対応予定。

マルチデバイス対応

 デバイスは同時に2台から視聴可能で、解像度は最高1080p。HD配信時の推進通信環境は9Mbps。デバイスとネット回線速度に応じて、最適なクオリティで配信するという。デバイスの登録台数は最大6台。なお、4K対応についてはプラットフォーム自体は技術的には対応可能とのことで、テレビの普及状況などを見極めながら対応を検討していくという。

ソニー、パナソニック、LGのテレビがDAZN対応
PCで視聴
スマートフォンでもDAZN
Fire TVもDAZNに対応

 基本的にはストリーミングサービスとなるが、ダウンロードやキャッシュ対応も計画中という。「ファンが熱望しているとのことですので、近い未来に実現する。お勤めに行く前に電車の中で見られるとか、そういうことが出来るように開発の計画に入っている」(日本DAZN 中村社長)とした。

配信番組

    サッカー
  • Jリーグ J1, J2, J3(2017年~)
  • ブンデスリーガ 1部、2部(ドイツ)
  • セリエA(イタリア)
  • リーグアン、リーグドゥ(フランス)
  • DFBポカール(ドイツ)、FAカップ(イギリス)、FAコミュニティ・シールド(イギリス)、スコティッシュ・プロフェッショナル・フットボールリーグ(イギリス)
  • プリメイラ・リーガ(ポルトガル)
  • エクストラクラサ(ポーランド)
  • コパ・スダメリカーナ(南米)
  • イングランド・フットボールリーグカップ、キャピタル・ワン・カップ、ジュピラー・プロ・リーグ+スーパーカップ(ベルギー)
  • ディビジョンプロフェッショナル(パラグアイ)
  • プリメーラ・ディビシオン(ボリビア)
  • プリメーラ・ディビシオン(エクアドル)
  • プリメーラ・ディビシオン(ペルー)
  • プリメーラ・ディビシオン(チリ)
  • ロシア・ナショナル・フットボールリーグ(ロシア)
    *セリエAは2節以降、全節配信予定(最大でLIVE8試合、録画2試合)
    *セリエA録画の試合は試合終了から24時間以降に見逃し配信を予定

    野球
  • 横浜DeNAベイスターズ、広島東洋カープ
  • MLB(アメリカ)

    バレーボール
  • Vリーグ(日本)
  • FIVBバレーボールワールドグランプリなど

    格闘技
  • UFC
  • HBOボクシングイベント
  • 世界ボクシング選手権
  • キックボクシング選手権
  • Glory MMA&フィットネスほか

    バスケットボール
  • NBA(アメリカ)
  • リーガ・ナシオナル・バスケットボール(アルゼンチン)
  • フィリピンプロバスケットボールリーグ(フィリピン)
  • VTBユナイテッド・リーグ(ロシア)

    テニス
  • ATPワールドツアー・250シリーズ
  • WTAプレミアトーナメント
  • WTAインターナショナルトーナメント
  • デビスカップ
  • フェドカップ

    モータースポーツ:
  • F1
  • GP2
  • GP3
  • ポルシェスーパーカップ

    ゴルフ
  • PGAツアー
  • NBCゴルフチャンネル

    アメリカンフットボール
  • NFL(アメリカ)

    ダーツ
  • PDC(アメリカ)

    ビリヤード
  • Champion of Champions(イギリス)
  • ワールド・プール・マスターズ(イギリス)
  • ワールド・カップ・オブ・プール(イギリス)
  • モスコーニカップ(イギリス)

    卓球
  • 世界卓球選手権

    バドミントン
  • BWFグランプリゴールド/グランプリ
  • BWFインターナショナルシリーズ

    ボーリング
  • ウェーバーカップ(イギリス)

    フィッシング
  • Fish O Mania(イギリス)
  • Fish O Maniaインターナショナル(イギリス)

    サイクリング
  • ツール・ド・フランス2017
  • ジロ・デ・イタリア2017ほか

 なお、日本のDAZNが視聴可能なのは、日本国内のみ。海外では視聴できず、海外でDAZNを展開している地域においても利用できない。

「プレミアムスポーツを民主化する」

 DAZNのジェームス・ラシュトンCEOは、23日のDAZN正式オープンを告知し、「プレミアムスポーツを民主化する」とのDAZNの目標を説明。「スポーツにより多くの価値をもたらし、より安く提供する。ユニークでオープンなビジネスモデルだ。コンテンツホルダに、ライツ(権利)の本当の価値を実感して欲しい。スポーツがいつでもみられることにより、新たな価値がもたらされる」と語った。

DAZNのジェームス・ラシュトンCEO

 130以上のコンテンツパートナーと、6,000以上のスポーツの試合を用意。「ファンは、いつでも解約できるし、1カ月のフリートライアルもある。なによりスポーツだけのサービスで、広告によるブレイクもない」と、「スポーツのための配信サービス」を強調した。

 DAZN日本社長&マネージングディレクターの中村俊氏は、日本でサービス開始した理由について、「90%超のネット接続環境」、「日本のスポーツファンのパッション」、「複数のスポーツを好む」、「複雑で高額なスポーツ視聴の現状」の4点を挙げ、「DAZNは、そのギャップを埋める。幾つものスポーツが見られ、しかもそのスポーツを魅力的な価格で見られる」とアピールした。加えて、政府がスポーツを15兆円市場に拡大する計画を持っていることから、「世界を見渡しても、日本のスポーツ市場にはまだまだ拡大できる可能性がある」と訴えた。

DAZN日本社長&マネージングディレクターの中村俊氏
「なぜ日本?」

 また、日本の大門のオフィスには100名の正社員、50名のパート社員が勤務し、日本向けの制作を行なう。さらに、20億円を投資し、2017年までにスタジオを開設し、高品質なスポーツコンテンツの自社制作を強化していく方針。

 なお、実況解説などはDAZNが独自に制作し、約65%の番組に付与する予定だが、「コメントについては、ファンの意見を聞きながら進めていきたい。『好きではない』と言われたら、変えていく」とのこと。サッカーやF1などでも独自の実況を付与していく。

 DAZNの会員獲得目標については「公開しない方針」(ラシュトンCEO)とのこと。他社との競合については、「日本の有料サービス、地上波の皆さんと共存共栄していく考え」(日本DAZN中村社長)とした。

 ラシュトンCEOは、「スポーツ観戦の形、スポーツの楽しみ方を大きく変えるつもりはない、リラックスして、素晴らしいスポーツを、1080pでリニアの放送と同じように見てほしい。その上で、いつでもどこでも見られ、さらに見逃したら巻き戻して、見たい瞬間、見たいゴール、審判の判定を見る。そんな風に楽しんで欲しい」とし、DAZNの目標を、「プレミアムスポーツコンテンツをもっと求めやすく、いつでもどこでもみられるようにしていく」とアピールした。