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AmazonがPrime Videoの“字幕劣化”にコメント。原因は調達元データ、「改善に努める」

1、2カ月前から「Amazon Prime Videoの見放題コンテンツについて、字幕や説明文の品質が落ちた」との声が増えた。11月26日にアマゾンジャパンはAV Watchの取材に答え、劣化している事実を認識していると認めた上で「今後改善する」とコメントした。

Amazon Prime Video

この問題は、いくつかの映画作品について、封切り時やディスクメディア販売時に使われていた字幕や内容説明、カバーアートではなく、新しいものが使われるようになったことによって生まれていたもの。新しい字幕・内容説明は機械翻訳で作られたもののようで、日本語として不自然なものが多かった。そうした作品は過去の名作と呼ばれるものが多く、「ターミネーター2」もその1つ。中には吹替の文章が支離滅裂だったり、文章のつながりがおかしかったりして、作品の視聴に支障をきたすものもあった。

筆者が見つけた、内容説明などが“劣化”した作品。1980年代のアクション映画が中心だが、それ以外にも多数存在するという

この件についてアマゾンジャパン側は、「Prime Videoで配信をしております一部のコンテンツの作品概要を含むクオリティについてのご指摘を真摯に受け止めさせていただいている」と事実を認めた。

今回の事象が起きた背景については「オリジナル番組以外の各作品に関しては、権利元の企業から本編データと併せて作品概要の文章をいただいている。作品概要の文章の再考や字幕のクオリティに関するご指摘を権利元の企業様にお伝えし、改善の余地についてご検討いただく方向で考えている」としている。

だが、問題の本質は、アマゾン側が納品された作品についてチェックできておらず、品質が低いまま放置されていたということだ。品質劣化の責任をコンテンツ納入元に押し付けるのではなく、ちゃんとアマゾン側がサービスとして品質担保に責任を負うことが重要だ。また、問題がコストダウンなどに起因するのだとすれば、その点の優先順位も見直す必要がある。なによりそうすることが、コンテンツを正しくリスペクトすることだからだ。

アマゾン側には状況を正しく把握した上で、状況改善に努めていただきたい。

アマゾン広報コメント全文

Prime Videoで配信をしております一部のコンテンツの作品概要を含むクオリティについてのご指摘を真摯に受け止めさせていただいております。

Amazonオリジナル番組以外の各作品に関しましては、権利元の企業様から本編データと併せて、作品概要の文章をいただいております。

作品概要の文章の再考や字幕のクオリティに関するご指摘を権利元の企業様にお伝えし、改善の余地についてご検討いただく方向で考えております。

お客様のご指摘を基に、権利元の企業様のご協力の下、お客様に満足いただけるよう改善に努めてまいります。