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イヤフォンやスマートグラスをワイヤレス充電。AKMが目指すスマート化の今後

旭化成エレクトロニクス(AKM)は、「CES 2020」においてセンサーやオーディオ用DACなどの新製品やソリューションを展示。スマートグラス用のワイヤレス充電や、音声起動デバイスの省電力化などを実現する技術を紹介していた。

完全ワイヤレスイヤフォンを無線充電できるケースの試作モデル

同社は昨年のCESまではハイエンドオーディオ機器メーカーが多く出展するホテルのThe Venetianにブースを構えていたが、今回はメイン会場であるラスベガスコンベンションセンターの北に位置するWestgateに移動。また、従来は「センサー」と「オーディオ」を別室で展示していたが、今年は広めの室内で両方を合わせて展示する形式に変更している。

AKMブース

スマートグラスや完全ワイヤレスイヤフォンをケースに入れて無線充電

イスラエルのHumavoxと提携し、RF電力の送信IC/受信ICを開発。スマートグラスや完全ワイヤレスイヤフォンなど、小型機器にワイヤレス充電ができるというデモを行なっていた。

一般的な完全ワイヤレスイヤフォン用の充電ケースとは異なり、充電用の接点に正しくイヤフォンを合わせる必要がなく、ケースに入れるだけで充電を開始できるのが特徴。デモに使われていたケース試作機は金属製だったが、内側にメッキ処理を行ない密閉できれば、外側はプラスチックなど他の素材でも実現できるという。

スマートグラスをケースに入れるとワイヤレス充電を開始

スマートスピーカーなどの音声起動を省電力化する「AAA」

低消費電力機器向けに開発した独自技術「Acoustic Activity Analyzer(AAA)」は、スマートスピーカーなど音声で起動する機器に搭載するADC。周りで音が発生したとき、その周波数や時間の長短から人の声かどうかを判断し、声の場合だけプロセッサーを起動させることができるのが特徴。声ではない物音が出た時などは起動しないことで、消費電力の無駄を省けるという。

時計を揺らした時の金属音など、人の声と異なる周波数ではセンサーが反応しないため省電力化できる

現在、スマートスピーカーの多くはAC電源を使用するが、これをバッテリーでも長時間使用できるようにするほか、照明やウェアラブル機器なども声で操作できるようになるという。

既存システムを簡単に無線化するBluetooth 5.1トランスミッター

「AK1595」は、省電力のBluetooth 5.1トランスミッターIC。小型でセキュアかつ長寿命のセンサーモジュールに最適として提案しており、体温計や血圧計、玩具など小型機器のマイコンにBLE機能を追加して簡単に無線化できるという。現在サンプル提供中で、7月より販売開始予定。

パワーダウン状態から3ms以内に送信を開始する高速応答性を実現。間欠送信であるBLEアドバタイズ送信のインターバル電流を15nAに抑えて待機可能としている。

省電力で機器のBluetooth対応を可能にするAK1595

完全ワイヤレス向けの超低消費電力DACなど

オーディオ向けのDACは、'19年に発表した完全ワイヤレスイヤフォン向けのモノラル「AK4332」や、ステレオ「AK4331」を紹介。このDACが実際に搭載されたゼンハイザーのBluetoothイヤフォンなどを展示していた。

イヤフォン向けのDAC「AK4332」と「AK4331」の概要と採用製品
高い空間認識性能の次世代ミリ波レーダーIC
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