ソニーがエプソンの中小型液晶事業の一部を取得

-ソニー「総合的な中小型TFT液晶メーカーを目指す」


6月30日発表


譲渡対象の鳥取事業所
 セイコーエプソン株式会社とソニー株式会社は30日、エプソンの中小型液晶ディスプレイ事業資産の一部をソニーに譲渡することで合意し、正式契約を締結した。

 エプソンイメージングデバイス株式会社の中小型TFT液晶ディスプレイ事業に関する事業資産の一部を、ソニーとソニーモバイルディスプレイ株式会社へ譲渡するもので、3月に両社が合意していた。なお、今回の資産譲渡について対価の支払いは発生しないという。

 これにより、中小型液晶やアモルファスシリコンTFTに関する事業をソニーが引き継ぐこととなる。なお、この事業譲渡には、プロジェクタ向けの高温ポリシリコンTFT液晶や有機EL関連技術などは含まれていない。

 今後、2009年内にエプソンイメージングが推進する、中小型液晶ディスプレイ事業(高温ポリシリコンなどを除く)に関する営業機能をソニーグループに移管する。

 2010年4月にはエプソンイメージング本社のアモルファスシリコンTFT液晶の生産に関する建物、設備などの一部を、ソニーモバイルディスプレイに譲渡。あわせて、エプソンの中小型TFT液晶(高温ポリ除く)に関する特許、ソフトウェア、技術情報などの知的財産をソニーグループに一部譲渡し、開発、設計、製造に従事するエプソングループの一部従業員もソニーグループへ出向となる。

 この事業譲渡により、ソニーは、グループ内の低温ポリシリコンTFT液晶技術や生産力に加え、エプソンの中小型TFT液晶事業の営業力や技術力、商品設計力、アモルファスシリコンTFT液晶の生産力を最大限活用。技術とコストバランスを持った広いラインナップを持つ、総合的な中小型TFT液晶メーカーを目指し、事業を推進していくという。


(2009年 6月 30日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]