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PS4と連携するHMD「Morpheus」新試作機。有機EL/120fps表示で'16年上半期発売

 ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は4日、PlayStation 4と連携するヘッドマウントディスプレイタイプのバーチャルリアリティ(VR)システム「Project Morpheus(プロジェクト モーフィアス)」の新型試作機を、米サンフランシスコで開催中のイベント「Game Developers Conference 2015」で発表した。2016年上半期の発売に向け、開発を継続しているという。

「Project Morpheus」の新型試作機

 新型試作機は、昨年3月に発表したMorpheusに、ゲーム開発者やMorpheusを体験したユーザーの意見を参考にしながら改良を加えたというもの。映像表示部はこれまで5型液晶ディスプレイだったが、新試作機では1,920×1,080ドットの5.7型、有機ELディスプレイに変更。片目あたりに960×1,080ドットの映像を表示する。視野角が向上すると共に、残像感やブレを大幅に低減したという。

 さらに、120fps表示に対応。映像を送り出すPS4側もシステムソフトウェアアップデートにより、Morpheusに接続した際には120fpsの出力ができるようになる。これにより、「非常に滑らかに仮想世界を表現し、ゲームの世界の中に自分自身が存在するかのような体験を、より自然に楽しむことができる」としている。

 なお、60fpsのゲームを120fpsで出力するためのSDKも提供。従来機向けに開発していたコンテンツも、新型試作機向けに引き続き開発できる。

装着イメージ。着脱もしやすくなったという

 ユーザーの頭部の位置をPlayStation Cameraに検知させるためのLEDの数を、従来の6個から9個に増加。さらに正確な検知が可能になったほか、検知した頭部の動きを映像に反映するまでの遅延時間が、システム全体の最適化を通じて減少。頭部の動きにより一層即したVR体験が可能になる。

 また、バイザースタイルを継承しながら、一本のバンドだけで頭部に固定する構造に改良。より簡単に着脱できるようになったという。部品構造の見直しと最適化も行なわれ、軽量化も実現した。

 従来の試作機と同様に、3Dオーディオやソーシャルスクリーン機能、加速度センサー、ジャイロセンサーなども搭載する。

新型試作機とユーザーの頭部の位置を検知するためのPlayStation Camera
従来の試作機。後部のバンド部分の形状が変化したほか、新型試作機には前面に青いLEDが追加されているのがわかる

(山崎健太郎)