ダテンシティを日々襲う怪事件。それらは人々の欲望につけ込むゴーストの仕業だった! ゴースト退治を受け持つのは、天から遣わされた2人の天使、パンティとストッキング。しかし、実は2人とも素行不良の落ちこぼれだった!?
　黒雲渦巻くダテンシティで、災厄が災厄を呼ぶゴーストハントが今、幕を開ける!!
　

　絵柄は「パワーパフ ガールズ」のようなカートゥーンアニメ風。内容はゴーストハント物で、“パンスト姉妹”が活躍。インパクトのあるネーミングだが、設定も突き抜けており、姉のパンティ(名前)は、ブロンドヘアーのセレブで、ゴースト退治よりイイ男探しに夢中の問題児。着用しているパンティを脱いでメインウエポンの銃を“変成”して戦うという凄い戦闘準備方法。妹のストッキング(名前)は、ブルネットのロングヘアーにゴスファッションで、口を開けば毒舌まみれというお約束キャラ。こちらも脱いだストッキングを双剣に変成させて戦うというサービス設定だ。
　いろいろと突き抜けた作品のようだが、それもそのはず、監督が今石洋之氏、メインキャラクターが錦織敦史氏、制作がガイナックスと、宇宙規模に“突き抜けた”傑作「グレンラガン」のスタッフによる新作。ガイナックスらしい“こだわり”と“爽快な映像”に期待が高まる。設定は男性向けだが、絵柄的に男女問わず楽しめる作品になりそう。

　女性に罵倒されたり嗜虐されたりすると気持ち良くなってしまうという体質に目覚めてしまった砂戸太郎(ドM)。このままでは普通の恋なんてできるはずがない! この体質を治すため「生徒たちの願いを叶えてくれる」という第二ボランティア部を訪れるが、そこにいたのは自称・神を名乗る激しく勘違いな美少女・石動美緒(ドS)と、太郎がドMに目覚めるきっかけとなった結野嵐子(性格不明)だった……。
　女の子たちから次々に放たれる試練(快楽)の数々! がんばれ太郎! そこで喜んじゃダメなんだ!!
　

　罵られたり暴力を振るわれると、理性ではいけないと思いつつ、至福を感じてしまう前代未聞の主人公。原作はMF文庫Jのライトノベルだ。ヒロインであるドS少女・美緒らの手を借りて、性癖を治すというのが1つの主題だが、太郎以外にも様々な、一般的ではない性癖や趣味趣向を持ったキャラクターが登場。それぞれの問題を乗り越えながら、太郎とヒロイン達との若干偏った恋愛模様が描かれていく。
　基本的には笑える作品だが、そうした趣向に目覚めるには様々な原因があり、それゆえの悩みもある。キャラクターの内面を深く描く作品でもあるため、感情移入しやすい作品になるかも。もう1人のヒロイン・嵐子との恋愛描写にも期待だ。個人的には主人公・太郎の母・智子と、姉・静香の超絶ブラコン&親バカコンビのキャラクターがお気に入り。アニメでどこまで突き抜けてくれるか楽しみだ。

　 何となく毎日を過ごしていた中学生・真城最高は、同じクラスの秀才・高木秋人から声をかけられる。「ずっとマンガ家になるのが夢だった、文才がある自分と高い画力を持つ最高が組めば夢を実現できる」と熱く語る秋人。だが、最高はその誘いを断る。3年前、プロのマンガ家だった大好きな叔父の死を目の当たりにした最高は、そのときから叔父のようなマンガ家になる夢を捨てていたのだ。
　だが、その夜、秋人の電話を受けた最高は、あこがれの美少女・亜豆美保の家を訪ねる。そこで秋人のとんでもない“告白”と、それにとんでもない“答え”をした亜豆を目にする。完全に舞い上がった最高は、亜豆に「二人のマンガがアニメ化されたら」結婚してほしいと申し込み、秋人とともにプロのマンガ家への険しい道を歩む決意をする。
 

　 誰もが気軽に読んでいるのに、“どうやって作られているか?”は意外と知られていない漫画の世界。動機は不純だが、そんな世界に挑む2人の少年の一風変わった青春物語。マンガの創作から編集部への持ち込み、そして憧れの“連載”を目指し、紆余曲折を経てステップアップしていく2人の物語と同時に、漫画家や編集者がどのような事を考え、意識しながら作品を作っているかもわかる作品になりそう。監督はカサヰケンイチ氏と秋田谷典昭氏。シリーズ構成と脚本は「けいおん!」などを手掛けた吉田玲子氏が担当している。

　日本の南方に浮かぶ南十字島。その浜辺にある夜、ツナシ・タクトという少年がたどり着いた。本土から身一つ、泳いで島に渡ってきた少年は、島にある南十字学園高校に入学。明るく前向きな性格で友達を増やしていく。
　一方、この学園には大きな秘密が隠されていた。それは地下に眠る巨大な人形の像“サイバディ”。そして、綺羅星十字団を名乗る、謎の秘密結社の暗躍と、巫女たちの歌声。そしてタクト自身も大きな秘密を抱えていた。かくして南国の島を舞台に、恋あり、夢あり、友情ありの「青春の謳歌」が今、始まる。
 

　クオリティの高い作品を多く手掛けるスタジオ・BONESの新作。オリジナルストーリーのロボット(?)アニメのようだ。BONESということで、「エウレカセブン」や「亡念のザムド」などを連想する人が多いと思われるが、今回の作品は同じBONESで「桜蘭高校ホスト部」や「ソウルイーター」を手掛けた五十嵐卓哉監督によるもの。サイバディによるアクションと、学園ドラマの群像劇がどちらも楽しめる作品になりそうだ。
　キーワードは“古代銀河文明の力”で、主人公は“銀河美少年”らしい。プロモーションビデオを見る限り、良い意味で馬鹿っぽい、突き抜けた男性キャラも多く登場するようで、男女ともに支持される“今期本命”になる可能性十分だ。

　高校生の高坂京介は、数年前から妹の桐乃とろくに会話も交わさない冷え切った兄妹関係になっていた。だが京介はある日、萌えアニメのDVDケースが玄関に落ちているのを発見。持ち主はなんと妹の桐乃だった。
　容姿端麗で“リア充”な妹の意外な一面に戸惑う兄。そして、桐乃はある日、兄の部屋に押しかけて来て「人生相談がある」と切り出すのだった……。
 

　茶髪にピアスの美少女で、運動も勉強も完璧。ファッション誌の読者モデルもこなす妹と、凡庸な兄。思春期には距離ができやすい関係だが、妹が“隠れオタク”だった事から2人の関係が変化していくという物語。
　趣味をカミングアウトすることで、妹は徐々に兄に対して心を開き、“オタク仲間”も得られるが、逆にそのことで、これまでの交友関係や親などとの衝突を招く事にもなる。そんな彼女に振り回されつつも、兄として妹を守っていく京介という奇妙な関係。
　面白いのは2人の関係が兄妹であり、クラスメイトや幼なじみではないという事。恋愛的な要素を省くことで、“自分がオタクである事を隠す事”や“開き直る事”、“オタク趣味に対する世間の風当たり”さらに言えば“好きなものを、胸をはって好きだと言う事”に、どのような意味があるのかを、改めて描く作品とも言える。ディープな人もライトな人も、それぞれに感じるものがある作品になりそうだ。

　美しい国・大日本を、我が物にせんと迫る列強諸国。それに立ち向かうのは大日本の守護神・サムライ。これは美しきサムライ達が織り成す魂の物語である……。
　時は平誠、徳川幕府が富士の裾野に開いた巨大学園“武應学園塾”。そこには武家の子女が集い、日々勉学と武術に励んでいた。学園に通う高校生にして、柳生道場の師範代・柳生宗朗は、ある目的を持ってこの地に辿りつく。
　彼が柳生道場で出会ったのは、徳川生徒会に反目す豊臣方の真田幸村と後藤又兵衛という美しい少女達。そして彼女達を襲うのは徳川生徒会執行部・風紀委員長の服部半蔵。成り行きで真田達を助ける宗朗だったが、次の瞬間、空に激しい閃光と雷撃が走り、全裸の少女が舞い降りてくる……。彼女こそ恐るべき秘技を操る“柳生十兵衛”だった!!
 

　 真田幸村、十兵衛、服部半蔵、直江兼続、果てはダルタニアンまで、名だたる武将や剣豪や忍者が美少女キャラクターとして登場、お色気バトルを繰り広げる。設定段階で一般人は顔をしかめるが、織田信長が可愛い女装の“男の娘”として登場する漫画まで存在する昨今、アニメオタクにはすんなに受け入れられる日本史と言えよう。
　先行放送が実施済みで、お色気シーンで大事な部分が湯気や光ではなく、“墨”で隠されているという世界観重視の斬新な演出も話題に。
　美少女達が激しいバトルとお色気を披露するという面で、“クイーンズブレイド”的な作品だが、主人公が男キャラというのが一番の特徴。恋愛描写も加味されることになりそうだ。ホビージャパン創業40周年記念企画ということで、フィギュア化も精力的に展開される模様。

　文明開化の時代。人間は妖人(妖怪)達と共存していた。そんな中、妖人にまつわる事件を取り締まることを目的に、「妖人省」が設立されることになった。赴任してきたのは、陸軍少尉の総角景(あげまき けい）、芳野葛 利劔(よしのかずら りけん）、花桐 丸竜(はなきり がんりゅう)の3人。そして、彼らと共に任務につく仲間と紹介されたのは、頭に耳が生えた、半妖の少女達だった……。
　気が強く、お転婆な“ざくろ”。内気でおしとやかな“ほたる”、巻き髪がチャームポイントの双子、“ぼんぼり”と“ほおずき”。かくしてメンバーは、人と妖人の間に生まれる様々な事件へと立ち向かっていく……。
 

　顔は王子様系だが中身はヘタレな景と、ツンデレ少女・ざくろ。無口無表情な大男だが、中身は紳士な利劔と、そんな彼の優しさを知って恋に落ちる“ほたる”。最年少で陸軍少尉になったプライドの高い少年・丸竜と、そんな“いばりんぼ”な彼を愛でる“ぼんぼり”と“ほおずき”。この3組のカップル(?)を軸にした作品(個人的には利劔×ほたるが良い)。
　恋愛要素が多く含まれてはいるが、文明開化の頃の独特の活気に満ちた雰囲気や、人間の中に根強い妖人への差別感情、ざくろの過去など、骨太なストーリーが一本芯に通った作品であもる。絵柄から“女性向けの作品だろう”と決め付ける男性にも観て欲しい作品だ。なお、セルソフト化は既に発表されているが、DVDのみでBlu-rayはアナウンスされていない。美しい映像にも期待できる作品ゆえ、BD版にも期待したいところだ。

　海洋汚染を続けてきた人類を征服するために、深海から地上にやってきたイカ娘。しかし、最初の侵略拠点として目をつけた海の家“れもん”を壊してしまい、修理代を稼ぐために働かされるはめに……。
　れもんを切り盛りしている相沢姉妹すら制圧できないイカ娘が、人類を征服する日は来るのだろうか……。
　

　崇高な目的と共に上陸した海からの侵略者・イカ娘だが、速攻で海の家のバイト扱いに。強力な触手は給仕に便利、口から吐き出されるイカスミも美味しく料理される不憫な扱いで、基本的には“イカ娘の可愛さを愛でるための作品”だ。不憫な境遇ではあるが、頭のゆるい本人が気づいていないのもチャームポイントとなる。
　監督は「撲殺天使ドクロちゃん」や「大魔法峠」など、美少女&強烈ギャグの名手・水島努氏。重要となるイカ娘を演じるのは、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」で主人公・カナタを演じた金元寿子さん。今期注目度トップクラスの作品だ。　

　「現実(リアル)なんて、クソゲーだ」。恋愛シミュレーションゲームで、“落とし神”と呼ばれる少年・桂木桂馬は、冥界からやってきた駆け出しの悪魔・エルシィにより、地獄の契約を結ばされてしまう。それは、エルシィの協力者(バディー)として、人の心のスキマに巣食う“駆け魂(かけたま)”狩りをするというもの。かくしてゲーム世界の“落とし神”が、現実の女性の攻略に乗り出した!!
　

　ギャルゲーをこよなく愛し、その攻略に尋常ではない才能を発揮する二次元ジゴロな主人公が、現実の女の子の攻略に乗り出すというラブ・コメディ。設定だけを聞くと“ゲームの攻略法が現実の女の子に通じるわけもなく、悲惨な事になる後ろ向きな笑い”がメインになりそうだが、そのギャップをも乗り越える“攻略能力”を持つ桂馬は、現実の恋愛でもかなりのジゴロぶりを発揮するのため、思いのほか“痛い”作品ではない。
　そんな彼の活動をサポートする駆け出しの悪魔・エルシィ(CV伊藤かな恵さん)がとにかく可愛く、攻略対象女性キャラクターと共に要注目。ツボを突いた声優布陣にも期待が高まる作品だ。

　総人口230万人弱の巨大学園都市。生徒達には超能力を発現させるための特殊なカリキュラムが与えられ、その能力によって無能力(レベル0)から、超能力(レベル5)まで6段階で査定されていた。だが、主人公・上条当麻は落第寸前の無能力者。なぜなら彼の右手には、異能の力を全て打ち消す“幻想殺し(イマジンブレイカー)”と呼ばれる能力が宿っていたからだ。

　そんな当麻はある日、頭の中に“10万3,000冊の魔道書”を収めたという少女のシスター、インデックス(禁書目録)と出会う。彼女を襲う謎の魔術師達。当麻は記憶を失うなどの大きな代償を払いながらもインデックスを守り抜き、学園都市能力者第3位のエレクトロマスター、御坂美琴達とも交流を深める。いつしか、科学と魔法の両方の世界をまたいで、その右手で様々な事件を解決していく。

　そして2学期が始まってすぐのある日、新たなる、そして更なる大きな事件へと、当麻は巻き込まれていく……。

　今期最大の注目作。同名ライトノベルが原作で、2008年に第1期シリーズがテレビアニメ化。その後、“科学の世界側”の御坂美琴を主人公にしたスピンオフ的な作品「とある科学の超電磁砲(レールガン)」が2009年10月にアニメ化。本筋に負けない人気を集め、満を持して禁書目録(インデックス)側の第2期シリーズがスタートとなる。
　スタッフ布陣は第1期とほぼ同じだが、超電磁砲のアニメが非常にクオリティが高かったため、禁書目録の第2期にはさらなる飛躍が期待される。ローマ正教のシスター達など、新キャラクターも多数登場する模様。新たなるヒロインの参入にも要注目だ。
　なお、禁書目録の第1期や超電磁砲はBD化されているため、第2期の視聴と合わせて、前シリーズの復習も万全にしておきたい。