これは始まりに至る物語。奇跡を叶える『聖杯』の力を追い求め、七人の魔術師(マスター)が七人の英霊(サーヴァント)を召喚し、最後の一人になるまで戦いを繰り広げる究極の決闘劇……聖杯戦争。 三度、決着を先送りにされたその闘争に、今また4度目の火蓋が切って落とされる。
　それぞれに勝利への悲願を託し、冬木と呼ばれる戦場へと馳せ参じる魔術師たち。だがその中でただ独り、己の戦いに意味を見出せない男がいた。彼の名は言峰綺礼。運命の導きを解せぬまま、綺礼は迷い、問い続ける。なぜ令呪がこの自分に授けられたのか、と。
　だが戦いの運命は、やがて綺礼を一人の宿敵と巡り合わせることになる。それが衛宮切嗣。誰よりも苛烈に、誰よりも容赦なく、奇跡の聖杯を求め欲する男だった。
 

　アニメ化もされたTYPE-MOONの人気ゲーム「Fate/stay night」からのスピンオフ作品。原作小説は、「まどか☆マギカ」の大ヒットも記憶に新しい、ニトロプラスの虚淵玄氏。
　「聖杯戦争」とは、文字通り聖杯を求めて戦いを繰り広げるもので、7人のマスターが、それぞれサーヴァントと呼ばれる使い魔のような存在を召喚し、サーヴァント同士を戦わせて決着をつけるというもの。サーヴァントは過去の英雄の霊であり、例えば衛宮切嗣が召喚する騎士・セイバーという少女は、かの“アーサー王”の英霊といった具合。
　「stay night」では、セイバーと契約した少年・衛宮士郎が、聖杯戦争に巻き込まれていく物語だが、前日譚となる「Zero」では士郎の父・衛宮切嗣達の戦いが描かれる。そのため、「stay night」を知らない人でも楽しめる作品になりそう。ただ、雰囲気的には「stay night」よりもハードになる予感で、切嗣がどのような手段を用いて戦いを乗り越えていくか? が注目ポイントでもある。

　川神学園、2年生の直江大和には大切な仲間達がいた。男4人と女3人。幼い頃から一緒にバカやって今まで育ってきた。色々あったけど、今でも仲良しの皆。心地よい空間。
　そこに新たな仲間達2人が加わり、より周囲は賑やかになっていく。しかもメンバーの女性は全て武道をたしなみ、血も武士の系譜という頼もしい構成。凛々しい侍娘たちに負けずに頑張れ、男達。
 
 

　 真剣と書いて“マジ”とよむ、アダルトゲーム原作のアニメ。主人公周囲に可憐なヒロインが多数登場する華やかな作品で、ギャグ要素も強いラブコメディ。
　最大の特徴はヒロイン達の戦闘能力がすべからく高い事。拳ひとつで全て解決する姉貴分の川神百代、主人公の幼馴染で薙刀使いの川神一子、主人公にベタ惚れしている弓使いのヤンデレ少女・椎名京、内気で古風で日本刀を常に帯刀している黛由紀江、ドイツからの留学生でプライドが高く、レイピア使いのクリスティアーネ・フリードリヒなど、操る得物はそれぞれだ。
　これらヒロイン達に、主人公の悪友男子も混ぜたグループが、様々な騒動を繰り広げる。テンポの良いギャグにも期待したい作品だ。

　 各国により分割統治された中世の神州・日本。その上空を8隻からなる都市艦・武蔵が航行していく。遥か遠い未来。前地球時代の歴史書「聖譜をもとに歴史の再現を行なう世界。しかし、その歴史記述は1648年から先が無いままで止まってしまう。それは運命が止まり、世界が終わるということ。人々は様々な思惑と決意を胸に秘め、未来を切り拓こうとしていた。
　そんな中、武蔵に住む一人の少年が立ち上がる。彼の名は葵・トーリ。世界各国と日本が重なりあう中世の世界を部隊に、学生たちによる学園国家間の抗争が始まろうとしていた!
 
 

　 膨大な設定と、その分厚さで、読む前から読者を圧倒する川上稔氏のライトノベルが原作。1冊で1,000ページを突破したりする作者であるため、この「ホライゾン」も非常に膨大な設定・情報量が特徴。アニメ化決定と聞いて「果たしてアニメの枠に収まるのか!?」と心配になったのは私だけではないだろう。
　あらすじだけでは意味不明だが、大雑把に説明すると、荒廃した地球から天上の世界に逃れた人類が、環境が回復した地球に降りてきたものの、神州・日本以外には人類が生活できない世界になっており、神州以外の国の人は異空間に神州に似せた土地を作り、そこで生活する事に決定。再び天上に戻る事を望んだ人類は、もう一度人間の歴史をやりなおして、天上に帰還しようと考えるが、問題が発生して異世界が崩壊。現実の神州を、各国が分割統治……すみません、説明無理なのでアニメ見てください。美少女キャラもわんさか出ます。なお、この作品のセル商品はBlu-rayのみだ。

　パズルが大好きな高校生・大門カイトは、ある日、幼なじみで同級生の少女・ノノハとともに、学園近くの地下遺跡に隠された「解けない迷路」に挑む。それは謎の頭脳集団・POGが作り出し、挑戦者の命を奪うワナがいくつも仕掛けられた 「賢者のパズル」だった。
　地下迷路には、「オルペウスの腕輪」という「財」が封じられていた。腕輪を手に入れたカイトは、世界のどこかにある「神のパズル」を解くことができる存在=ファイ・ブレインの候補者として認められ、アインシュタインの称号を受ける。それは、POGとの賢者のパズルをめぐる長い戦いの始まりでもあった。
　カイトとノノハ、そして2人の周りに集うファイ・ブレインの候補者、ギャモン、キュービック、アナたちは、果たしてPOGとの命がけのパズル・バトルを勝ち抜き、ファイ・ブレインと神のパズルの謎を解き明かすことができるか?

　

　 佐藤順一監督とサンライズが組んだオリジナルアニメ。「パズル」を題材にした珍しい作品だ。パズルと言ってもテーブルの上でチマチマやるのではなく、巨大迷路のような場所で、大規模なパズルを解いて先に進む、命がけの頭脳戦が繰り広げられる様子。
　挑む主人公はアインシュタインの称号を持つカイト。その前にはガリレオやエジソン、ダ・ヴィンチなどの称号を持つパズルの天才達が現れる。そしてカイトにパズルと仕掛けてくる謎の組織POGの目的とは!?
　「名探偵コナン」のような推理ものでも、子供向けのカードバトルアニメとも一味違う、“パズル脳”を駆使して楽しむ、新鮮味あふれる作品になりそうだ。 

： TOKYO MX/テレビ新広島
　テレビ神奈川/TVQ九州放送
　サンテレビ/三重テレビ/AT-X

　 写真が大好きな高校１年生、沢渡楓。あだ名は「ぽって」。この春、海と山に囲まれた穏やかな瀬戸内海の町、広島県竹原市に引っ越してきました。そこは亡くなった父親が子供のころに住んでいた町。
　古い町並み、美しい海と島々、暖かな人々とそして新しくできた素敵な友達……。大好きになったこの町で撮った楓の写真には、ときどきたまゆらが写ります。たまゆらは楓の心がふわふわと舞い上がって幸せな気持ちの時に写るかわいい光。幸せが形になったような不思議な何か 。
　そして、その写真はみんなをちょっとだけ幸せな気持ちにしてくれるんです。
　

　 OVAで人気を博した「たまゆら」がTVアニメ化。主人公・ぽっては、天然系であがり症で危なっかしいところがある女の子。でもカメラが大好きで、父の形見「ローライ 35 S」で日常の様々なシーンを切り取り、写真で幸せを形にして、まわりの人達との心をつなげていきたいと思っている。
　そんな彼女の周囲に集まるのは女友達3人。しっかりものの幼馴染・かおる、口下手で口笛で気持ちを伝える少女・麻音、いつもハイテンションなのりえ。彼女達の、ゆるくも、あたたかい日常を描いた作品となる。
　スタッフは佐藤順一監督をはじめ、あの「ARIA」シリーズを手がけた面々。ARIAと同様、独特のゆったりとした時間の流れや、人々の優しさなどで癒される作品になるだろう。小さなカメラ片手に、散歩に出てみたくなるかも? 実在の広島県竹原市をモデルにしているため、舞台地を旅する「聖地巡礼要素」を含んだ作品でもある。

　姉が日本一のモデルになることが夢である小学6年生の綾瀬千早は、転校生・綿谷新に「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭される。そんな新の夢は、競技かるたで名人になること。普段は大人しい新が真剣に札を払うその姿に衝撃を受けた千早は、幼なじみの真島太一も巻き込んでかるたの魅力に引きこまれていく。聴力に優れた千早の才能に、そしてかるたを一緒にできる友達ができたことに新は喜ぶが、卒業後はみな別の道を歩むのだった。
　それから4年後。高校生になった千早は、福井に戻った新がかるたから離れてしまったことを知るが、それでもかるたを続けていれば再会できると信じ、太一と2人、瑞沢高校かるた部を設立する……。
　

　「競技かるた」を題材とした異色の少女漫画が原作。かるたと聞くと、古風でおしとやかなイメージを持つかもしれないが、実際の競技かるたを目にした人ならわかるだろう、集中力や精神力、瞬発力や体力も要求される、非常に激しいスポーツという側面も持っている。
　その魅力を題材とした漫画が原作であるため、アニメも良い意味で“熱いバトルアニメ”になるのは必至。同時に、百人一首の奥深さも学べる作品になりそうだ。
　また、部員達との友情や信頼関係を築き、腕を競い、成長していく青春物語としての側面もありる。老若男女問わず、「かるたって、こんなに面白かったのか」と感じる作品になるだろう。

　 学園で浮いてしまっている羽瀬川小鷹は、いつも不機嫌そうな少女・三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。「もしかして幽霊とか見たりするのか?」と問う小鷹に、夜空は「友達と話していただけだ。エア友達と!」と衝撃的な返答をする。
　小鷹は夜空と「どうすれば友達が出来るか」話し合い、夜空は無駄な行動力を発揮し、友達作りを目指す残念な部"隣人部"を作ってしまう。しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて、みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり携帯でメールしあったり。
　色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか? アレげだけどやけに楽しい残念系青春ラブコメ!! 
 

　 凄いタイトルの作品だが、最近のラノベはこんなタイトルが普通です。空想の友達“エア友達”と楽しく会話ができるほどに“友達いない道”をこじらせてしまった少女・夜空が、友達を作るための部活を立ち上げ、それに巻き込まれる主人公の物語。当然入部希望者も残念な人達ばかりで、部活動の内容も「友達ができて夏にあそびにいくための予行演習」としてプールに行ったり、合宿したり、「友達とやる事になった時のために」と闇鍋に挑戦したりと、“いつかリア充になった時のための予行演習”がメイン……という、書いていて気が滅入るほど残念な内容。
　登場する女性キャラクターは「中味が残念でも皆寄ってくるだろ」とツッコミたくなる美少女ぞろいなのはご愛嬌だが、友達が多い人には「なんじゃこいつらは」とツッコミを入れながら、友達が少ない人には「笑えるけどどこか泣けてくる」、そんな“奇妙さ”が魅力の作品になりそうだ。

： TBS/CBC/HBC/サンテレビ
　IBC/AT-X

　 すべての命の源グラン・レイク。その聖なる湖で、アデス連邦とトゥラン王国が砲撃戦を開始する。圧倒的な艦隊戦力で全世界の制圧を目指すアデス連邦を前に、壊滅寸前に陥るトゥラン。逃げ場のないトゥランの皇女たちが見たのは、小型ヴァンシップ"ヴェスパ"に乗った空族の少女・ファムだった。
　「これより貴殿の旗艦を、この戦場より盗み出さん!」対空砲火が飛び交う中、ファムのヴェスパは大空を舞う。侵略を続ける連邦総統ルスキニアの目的は? そして、謎の力「エグザイル」とは? 今、激動の大航空冒険活劇が幕を開ける!! 
 

　 GONZOの10周年記念作として2003年に放送された「ラストエグザイル」の新作。前作はスチームパンクな世界観で、3DCGと2D映像が見事に融合。小型飛行艇ヴァンシップによる爽快感のある空戦と、謎に満ちた壮大なスケールの物語で魅了したが、新シリーズでも世界観は同様。キャラクター紹介の中に、前作に登場したキャラクターも描かれているため、前作との繋がりにも注目したい作品だ。
　主人公はファムとジゼルという2人の少女になり、空を愛するファム役は豊崎愛生、冷静で物静かなパートナーのジゼルは悠木碧が演じている。2人の掛け合いにも注目だ。監督は前作と同じ千明孝一、シリーズ構成は吉村清子が担当。キャラクターデザインは村田蓮爾と、前作のスタッフが集結している。

　 寮の近くのスーパーに入った主人公・佐藤洋は、目の前で半額シールを貼られた弁当に手を伸ばした直後、凄まじい戦いに巻き込まれてしまい意識を失う。そして目が覚めたときには、すでに半額弁当は消えていた。たまたまその場にいた同じ学校の白粉花と出会い、翌日からスーパーに通い詰めた彼らは、《氷結の魔女》と呼ばれる女生徒槍水仙からスーパーで起きている半額弁当を争奪する人々の話を聞き、自らも半額弁当争奪戦に足を踏み入れることとなる。
　佐藤は彼らと技を競い、自らの誇りと生活を懸けて、今夜もまたスーパーで激しい戦いを繰り広げる。
 

　 ベン・ハーではなく、ベン・トー、つまり“弁当”だ。ついに弁当が美少女キャラ化した!! のではなく、貧乏学生達による、スーパーの半額弁当争奪戦を描いたバトル・ライトノベルが原作。なんとも“身近な戦場”の物語である。
　争奪戦に巻き込まれた事がキッカケで、高校のハーフプライサー(HP)同好会に入らされた洋を中心に、HPの会長で氷結の魔女の異名をとる槍水仙や、イタリア人とのハーフでグラマラスボディのあやめなど、美しいが戦闘能力が高く、おまけに空腹を抱えた獣達が多数登場。「スーパーの弁当売場で殴り合うって、単なる営業妨害というか傷害事件……」などのツッコミはこらえて、シュールかつシリアスなギャグアクションを楽しもう。 

　スペースコロニーへの移民が始まって数百年が過ぎた宇宙時代。突如、出現した正体不明の敵UEによって、スペースコロニー『エンジェル』が攻撃を受け、崩壊。多くの犠牲を出したこの大惨事は後に『天使の落日』と呼ばれた。その後もＵＥは地球圏に住む人々を、長きにわたり苦しめることになる。
　そしてスペースコロニー『オーヴァン』に住む7歳の少年フリット・アスノも戦火に巻き込まれ、母親を失う。だが、その母の死に際、家に代々伝わるメモリーユニット『AGEデバイス』を託される。そこには、かつて救世主と呼ばれた古代のモビルスーツ『ガンダム』の設計図が入っていた。フリットは母の思いを受け継いで、『ガンダム』をつくりあげる決意をする。
　14歳となったフリットは、スペースコロニー『ノーラ』の連邦軍基地アリンストンに引き取られていた。7年間、基地のエンジニア達とともに研究を続けてきた彼は、ついに『ガンダム』を完成させる。ガンダムには、機体を自己進化させる画期的な仕組み『AGEシステム』が搭載されていた。だが、UEの魔の手は、平和なコロニー『ノーラ』にまで迫ってきた。フリットは自らがつくりあげた『ガンダム』を動かして迎え撃つ。彼はUEに打ち勝つ事ができるのか?
 

　 ガンダムのテレビシリーズ第14作で、「機動戦士ガンダム00」以来、約2年半ぶりの新作。監督は劇場版「ケロロ軍曹」シリーズなどで監督を務めた山口晋が担当。ストーリー/シリーズ構成は日野晃博。企画協力としてレベルファイブが参加している。
　今回のガンダムの特徴は、“戦うことで進化する”こと。主人公の成長と共に、ガンダムも成長し、どのような外見、そして能力を獲得していくかが見所だ。キャラクターデザインから、若干子供向けの印象も受けるが、「100年3世代に渡る、壮大なガンダム大河ストーリー」と予告されており、放送が開始されるとガラリと印象が変わる可能性もありそう。 腰を据えて楽しみたい作品だ。

： TOKYO MX/チバテレビ/テレ玉
　テレビ神奈川/KBS京都/サンテレビ
　岐阜放送/三重テレビ

　 友達の少ない中学生・天野雪輝の楽しみは、見聞きした全てを携帯電話の日記につけることだけ。友人とよべるのは、彼の空想の中に住むデウス・エクス・マキナと、彼の小間使い・ムルムルだけだ。そんなある日、彼の携帯電話にまだ書いていないはずの未来の日記が表示されるようになる。それは、空想の産物であるはずのデウスの仕業によるものだった。
　未来を知る事により、上手く毎日を渡っていけるようになる雪輝。だが、そんな彼に魔の手が迫る。自分と同じような未来日記を手にした人物が12人おり、神に等しいデウスの座をかけて、互いに殺し合うサバイバルゲームがスタートしていたのだ。誰が未来日記の所有者なのか、予告された自分の死を覆し、相手を倒すためにはどうすれば良いのか?頭脳と体力を駆使し、最後に生き残るのは誰か!?
 

　 どことなく「デスノート」を彷彿とさせる設定の、サスペンスタッチな作品。近い未来が携帯の日記に書かれ、その情報をもとに、他の未来日記所持者を出し抜き、倒し、最後の1人になるまで生き残るのが目的だ。未来を知る力を持った参加者が多く、互いに殺し合うのがゲームルールであるため、頭脳戦の割合が多かったデスノートと比べ、、次々と書き換わる未来情報をもとに瞬間的な判断を迫られる場面が多く、スピーディーで、アクション要素も強い作品になっている。
　また、登場キャラクターに曲者が多いのも特徴。特にヒロイン的存在であり、凄まじい戦闘能力を持つ我妻由乃が強烈。雪輝を盲目的に愛する可愛い少女なのだが、重度の“ヤンデレ”で、恋路の邪魔をする者は容赦なく殺害する極めて危険かつ、謎多きヒロイン。未来を知る者達が相手であるため、騙し合いの連続。誰が味方で、誰が敵なのか? 文字通り、未来を先読みしながら楽しむ作品になりそうだ。