人助けの依頼を受けて貸しを作り、有事の際は強制的に借りを返させるという恐怖の部活、御伽学園学生相互扶助協会、通称「御伽銀行」。正義の味方? 悪の組織? それともただの変人の集まりか!?
　凶暴一匹オオカミ・新型ツンデレ女子高生・大神涼子と、そんな彼女が大好きな視線恐怖症ヘタレ男子・森野亮士。そんな2人を軸に、見た目はロリっ子腹は真っ黒・赤井林檎など、その他愉快な仲間たちが、やりたい放題好き放題、 世直し(?)のために戦う、熱血人情ラブコメディー。
　

　電撃文庫の人気ライトノベル「オオカミさん」シリーズが原作。キャラクター名を羅列すると、大神涼子(おおかみ りょうこ)、赤井林檎(あかい りんご)、桐木リスト(きりき りすと)、鶴ヶ谷 おつう(つるがや おつう)、浦島太郎、竜宮乙姫などなど、童話に関連するものばかり。童話のキャラクターを下地にしつつ、ツンデレ化したり、ロリキャラ化したり、メイド化したりと、自由にカスタマイズされた美少女キャラが活躍。
　メインヒロインの“オオカミさん”こと大神涼子は、男口調で不良も殴り倒す凶暴な性格だが、実は内面は少女趣味でひた隠しにしているという黄金パターン(縦に引き伸ばした“とらドラ!”の大河ではない)。そんな彼女に一目惚れするも、つれなく張り倒される主人公・森野亮士のツンデレラブコメを軸に、上記の個性的なキャラクター達が依頼人の願いを叶えていく。「まほらば」から超絶演技力で話題の新井里美さんによるナレーションにも注目だ。

　橘純一はとある過去の経験から、クリスマスに苦手意識をもっている高校2年生。すっかり恋に臆病になった彼は彼女を作ろうともせず、寂しい学園生活を送り続けていた。
　そんな生活を続けていた純一は、ふと「このまま何もしないで高校生活を終えて本当にいいのか?」と思う。そして恋に対する苦手意識をなんとか跳ね除け、今年のクリスマスは女の子と過ごせるようにと一念発起する。様々な女の子と出会い…。純一の迎えるクリスマスとは!?
　

　「キミキス」などを手がけたスタッフによる、恋愛シミュレーションゲーム「アマガミ」が原作。ゲームはイラストの美麗さやコンシューマ向けながら刺激的なタイトルなどで話題になった。
　恋愛シミュレーションゲームのアニメ化では、キャラクターデザインがゲームと大きく変わってしまったり、ヒロイン達の攻略エピソードをアニメのシナリオに全部盛り込んだら、主人公が全員に手を出す浮気野郎になって破綻したりと、難題が多い。しかし、この作品では1キャラに4話を割り当てたオムニバス形式になっており、さながらゲームをリセットしてやりなおすようなアニメになる予感。
　そして最大の注目ポイントは、主人公の“変態紳士”こと橘純一さんの暴走。彼のヒロインに対する言動や趣味趣向にどれだけ共感できるか? 視聴者側も試される作品になるだろう。

　呪われた者として忌み嫌われ、生きる意味を見失っている『複写眼』保持者、ライナ・リュート。王家の血を引きながら、母が平民であるがゆえに蔑まれてきた、シオン・アスタール。相反する2人が出会い、腐敗した国を変えたいと望み、革命が起きた。その結果、シオンはローランド帝国王に即位する。
　シオンはライナが獄中で記したレポートに興味を持ち、その鍵となる『勇者の遺物』探しを命じ、剣の達人である美少女フェリス・エリスをお目付け役として同行させる。
　昼寝が趣味の万年無気力のライナと、傍若無人で“だんご”を愛するフェリス。凸凹コンビは諸国をまたにかけた旅を繰り広げる。一方、ローランド帝国内ではシオンも貴族との確執や他国との争いに苦悩しつつも、奮闘していく。ライナたちがかつて夢見た『みんなが笑って、昼寝だけしていればいいような世界』を作ることができるのだろうか……。
 

　「伝説の勇者の伝説」、略して「伝勇伝(でんゆうでん)」。ライナは、一度見た魔法は何でも体得してしまう特殊能力(複写眼)の持ち主で、魔術も戦闘能力も常人離れ。ヒロインのフェリスも剣の達人と、“最初からメチャクチャ強い”主人公達が、謎に満ちた“勇者の遺物”を求めつつ、それを取り巻く闇に挑んでいくというファンタジー。強いのに性格破綻者ばかりというギャップが魅力であり、往年の名作「スレイヤーズ」のようなギャグとシリアスのバランスが良く、古き良き“ファンタジー・ラノベ”の雰囲気を持つ原作だ。
　キャラが立っており、道中の掛け合いも面白く、バトルシーンも派手という“アニメ向き”の作品であり、映像化に期待は高まる。二枚目と三枚目が同居する主人公を得意とする福山潤氏のライナなど、声優陣の演技にも注目したい。大長編の原作を、限られた尺のアニメにどのように落とし込むかが肝になりそう。

　ちょっとおませなサドガール・みつば、ちょっとスケベなマッスルガール・ふたば、ちょっと不思議な暗ガールのひとは。真面目な教師・矢部が担任することになった6年3組には、日本一似ていない性格の、小学生の三つ子がいた。
　破天荒な、この“丸井三姉妹”と、彼女たちに振り回される矢部先生のドタバタな日々が幕を開ける。
 

　週間少年チャンピオンで連載中のギャグマンガが原作。ドSな性格で、同級生を足蹴にする長女みつば、抜群の運動神経の持ち主だが、やりすぎが玉にキズの次女・ふたば、極めて根暗で怒ると他人を呪いそうなオーラを発する三女のひとは。可愛い(?)三姉妹が繰り出す、テンションの高いギャグの連発が最大の見所。
　演じる声優陣は長女から順に高垣彩陽さん、明坂聡美さん、戸松遥さんと、いずれも超人気声優が担当。特に「絶対可憐チルドレン」でやや腹黒な三宮紫穂を好演した戸松さん=ひとはがハマリ役の予感。斎藤千和さん、豊崎愛生さんらも参加しており、賑やかな作品になりそう。太田雅彦監督ほか、日常アニメの良作「みなみけ」のスタッフが手がけているのも注目点。

　舞台は、少子化の影響で女子高から共学となった私立桜才学園高等部。男女比は28:524と、圧倒的な女子高生天国の中、ゴクゴク普通な常識人・津田タカトシはひょんなことから生徒会副会長に就任する。
　堅いイメージの生徒会。しかし、彼を出迎えたのは、容姿端麗・文武両道で生徒からの人望も厚いが、桃色発言が多すぎる生徒会長・天草シノ。大金持ちのお嬢様で、度を超えた天然の七条アリア。IQ180で英語ペラペラ、10桁の暗算も朝飯前だが、身長140cm未満で見た目小学生の萩村スズなど、個性的過ぎる面々ばかり。そんな彼女たちに振り回される(ツッコミし続ける)、タカトシの日常物語。
 

　週刊少年マガジン連載の4コマ漫画が原作。男子校生徒の“女子への幻想”を完膚なきまでに破壊するような、下ネタ過多の、極めてフリーダムな言動を繰り返す生徒会メンバーが魅力(?)の作品。
　声優的には、「けいおん」の秋山澪や、「いちばんうしろの大魔王」の服部絢子など、生真面目なキャラクターで人気を獲得してきた日笠陽子さんが、真面目だが足元が壊れている生徒会長をどのように演じるのかが注目。浅沼晋太郎さんのキレの良いツッコミや、矢作紗友里さんの天才ちびっこなど、声優陣の熱演&暴走に期待が高まる。

　私立藤美学園は、“奴ら”によって地獄の坩堝と化した。“奴ら”は人を襲い、喰らい、新たなる“奴ら”を生み出し、学園を席巻してしまう。
　悪魔の世界と化した学園内で、小室孝と幼馴染の宮本麗、親友の井豪永は逃げ惑う。しかし、麗をかばい“奴ら”に噛まれた永まで、“奴ら”と化してしまう……。
　残された孝と麗は、生き残った高城沙耶、平野コータ、剣道部主将・毒島冴子、校医の鞠川静香と合流。なんとか学園を脱出するのだが……。
 

　月刊ドラゴンエイジ連載、原作・佐藤大輔、作画・佐藤ショウジの同名コミックのアニメ化。自分たち以外が“生ける屍”と化し、襲い来る状況からいかにして生き残るか? というシンプルなパニック作品で、「この状況からどう抜け出すか?」、「次は誰が犠牲になるのか?」といった、サバイバル展開が手に汗握る。
　また、原作で作画を担当する佐藤ショウジ氏は、肉感的な女性キャラを得意とする画風で同人誌界で活躍する人物で、女性キャラクターの描写や、大胆な構図なども原作の魅力。アニメでそのあたりがどう表現されるかにも注目だ。また、ミリタリーマニアで筋金入りのオタクだが、ある意味“漢らしく”活躍する脇役・平野コータの奮闘にも期待したい。

　1999年、長野県松代にある日本のピラミッド“皆神山”にそびえたつ私立ヴァルトシュタイン学院。ここでは何かに引きつけられたかのように次々とオカルト現象が起こる。故に「オカルト学院」と呼ばれている。学長はオカルトの研究に人生をかけ、生徒たちも日々学業と研究に励んでいる。
　ある日父である学長が亡くなり、オカルトが大嫌いな一人娘・神代マヤが学院を訪れる。そこで2012年から来たと言う自称“タイムエージェント”で元・スプーン曲げ少年として名を馳せた内田文明と出会う。学院の中で起こる様々な怪奇現象に遭遇しながら、文明が1999年にタイムスリップしてきた真相が徐々に明らかになる……。
　

　“アニメでオリジナル作品をどんどん作って放送していこう”という、テレビ東京とアニプレックスの「アニメノチカラ」プロジェクトの作品で、「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」、「閃光のナイトレイド」に続く第3弾。原作・制作はA-1 Pictures。
　オカルト学院に、オカルト大嫌いな学長の一人娘が乗り込み、2012年から来たと言い張る青年と出会うという非常に面白そうな設定のオリジナル作品。公式監修を月刊ムーの編集長が担当。PVなどを見ると古き良きテレビの「UFO・宇宙人特集」や「世紀末大予言特集」などを連想させる、良い意味で胡散臭い雰囲気が漂っており、大人なアニメファンには懐かしさも感じられそう。オカルト好きも、オカルト嫌いも気になる、従来とは一味違ったアニメになりそうな予感だ。　

　　浮世絵町に住む少年・奴良リクオは普通の中学生。しかし、彼が暮らす古風な日本家屋では妖怪たちが身の回りの世話をしていた。というのも、リクオはよろずの妖怪の頂点に立ち、魑魅魍魎(ちみもうりょう)を従える“ぬらりひょんの孫”。現在空席となっている妖怪一家“奴良組”の三代目頭領と目される男だったのだ。
　だが、当のリクオはそんなことには無関心。彼は、母、祖母ともに人間の、妖怪と人間とのクオーターであり、人間として暮らしていくことに強い執着を持っていたのだ。そのため、妖怪の力を発揮するのも夜に限られており、妖怪になっている時の記憶は人間の時のリクオには無いという始末。
　配下の妖怪達は、いつかは三代目を継いでくれると信じてやまない。そんな中、奴良組に変わって妖怪の頂点に立とうと野心を抱く妖怪達も現れる。人間たちをも巻き込み、浮世絵町の波乱の日々が始まった。
　

　週刊少年ジャンプ連載のコミックが原作。ストーリーからわかるように“妖怪”要素を抜くと、“任侠の若頭”のような設定。忠義や仁義といった要素を多く含んだ夜の“妖怪”生活と、普通の学生としてクラスメートとの友情などが描かれる昼間のリクオの2重生活が展開。
　人間としてはパッとしないリクオが、妖怪に変化すると非常にカッコ良くなる“ギャップ”も魅力だ。リクオだけでなく、非常に痺れる妖怪キャラクターが多く登場する作品であり、男性声優陣も豪華であるため、女性ファンにも支持される人気作になるのは間違いなさそうだ。

　戦闘機などのメカと融合した美少女イラストを得意とする島田フミカネ氏。同氏のイラストを元にしたテレビアニメの第2期シリーズ。“ネウロイ”と呼ばれる化け物と戦う、戦闘航空団「STRIKE WITCHES」の活躍を描いている。
　ウィッチーズには、魔力を持った少女(魔女/ウィッチ)が所属。彼女たちは魔力を原動力とし、飛行を可能にする「ストライカー・ユニット」と呼ばれる装置を両足に装着。大型の重火器を手に、魔力を使ったシールドで身を守りながら自在に空を飛び、“ネウロイ”と対峙する。
　第2期の舞台は、第1期シリーズのガリアでの激戦から半年後。舞台をアドリア海に移し、ウィッチーズの新たなる戦いが幕を開ける……。
　

　放送前から人気が約束された、今期最大の注目作。一見すると対戦車ライフルを手にした美少女達がパンツ丸出しで空中戦を繰り広げるアニメだが、彼女達が軍服の上着のみを着用しているのは、あくまで下半身にストライカー・ユニットを装着するため。下がスクール水着だったり、ローレグタイプのパンツ(に見える何か)だけを履いているのは、魔力を使う際に出現する耳と尻尾の邪魔にならないためという、軍人らしい、機能性重視の合理的な装備選択の結果である。
　ミリタリー要素と美少女を合体させた、一部マニアのツボを極めてストレートに突いた上級者向けの作品だが、そのストレートさとマニアックなこだわりが、変化球が多くなったアニメ作品の中で逆に清々しい魅力を放っている。好きな人が作り、好きな人が観る作品だ。