巨万の富を手に入れるため、世界中の人々が集うリゾートホテル「ハワードリゾート」。そのカジノには、勝利の女神と呼ばれる美少女カジノディーラー、リオ・ロリンズがいた。リオは偉大なディーラーである母に近づくために、伝説のカード「ゲート」の収集に挑戦する。13枚全てのカードを手にしたものには、トップディーラーの称号「MVCD」が贈られるのだ。
　広大なリゾートを舞台に、ライバルディーラ達とのエキサイトバトルが展開。ギャグや涙を交え、キュートでセクシーな美少女たちが弾けまくる!!
　

　 カジノディーラーを主役とした一風変わった作品だが、それもそのはず、俗に“萌えスロ”と呼ばれるパチスロの「Rioシリーズ」をアニメ化したもの。趣味でないという人でも、パチンコ店のノボリなどでRioのイラストを見た事があるだろう。「快盗天使ツインエンジェル」や「うみものがたり」など、パチンコやパチスロからのアニメ化も珍しくなくなっているが、明確な原作物語が無いため、どのようなアニメになるかは未知数。
　PVなどを見る限りはRioなどのセクシーなシーンに期待が高まるが、日本人にはあまり馴染みがない“カジノ”の魅力に触れたり、そこに集まる人々の悲喜こもごもにも期待できそうだ。

　 大好きな家族がいて、親友がいて、時には笑い、時には泣く、そんなどこにでもある日常。市立見滝原中学校に通う普通の中学生・鹿目まどかも、そんな日常で暮らす一人。ある日、彼女に不思議な出会いが訪れる。この出会いは偶然なのか、必然なのか、彼女はまだ知らない。それは彼女の運命を変えてしまうような出会い……、それは、新たなる魔法少女物語の始まり……
　

　普通の魔法少女アニメ……になるわけがない、今期の要注目作。手掛ける監督の新房昭之氏×アニメ制作・シャフトという組み合わせは、「ひだまりスケッチ」、「絶望先生」、「化物語」、「荒川アンダー ザ ブリッジ」、「それでも町は廻っている」などなど、テンポの良い個性的な演出で視聴者を惹きつける作品を連発している(あまりに連発なので斬新さも一回りして慣れてきたが)。
　さらに、シリーズ構成と脚本は人気アダルトゲームメーカー・ニトロプラスの虚淵玄氏が担当。同氏が紡ぐ物語は重厚な世界観で(バトルを含め)ハードな展開になる事が多く、3者の化学反応によりまったく新しい魔法少女アニメが生まれる予感。個人的には悠木碧さん、斎藤千和さん、水橋かおりさん、喜多村英梨さんという主要キャラの配役だけでも正座視聴決定。

　女性にしか扱えない飛行パワードスーツ、IS<インフィニット・ストラトス>。日本で開発・発表されて以来、世界は女性優位の社会となった。IS操縦者を教育するための学校「IS学園」は世界各国より集められた代表候補生の少女達が通う女子高である。ところが、主人公・織斑一夏は、男でありながら何故かISの起動ができてしまったため、IS学園に強制入学させられてしまう。
　かくして女の園に男が一人、幼なじみの剣道少女・箒をはじめ、多国籍多種多様な少女達が織りなす、疾風怒濤のアクションバトルと恋愛物語が幕を開ける。
 

　弓弦イズル氏のライトノベルが原作。“女の園に男が1人”、“幼なじみ+世界の美少女大集合”などなど、喝采を贈りたいほどハーレムアニメやギャルゲーでよくある設定だが、“ありがち”と片付けてはならない。これはアニメにおける1つの“様式美”だ。
　ツンデレポニーテール、プライドの高いお嬢様、戦う道具として育てられた無表情&眼帯&銀髪少女などなど、安心のテンプレートヒロインもテンコ盛り。ISによるバトルシーンで緩急をつける“美少女ラブコメ×ロボ作品”。これぞアニメの王道。脇目もふらずに覇道を進む事が、このタイプの作品に寄せる期待である。

　他人の夢が視える不思議な能力を持った高校生・藤原夢路は、ある日、「幻界(ユメ)」のから「現界(うつつ)」に迷い込んだ少女・メリーと出会う。メリーは一体何者なのか? 幻界とは、夢魔とは? そして、人間界にやって来る夢魔達の目的とは? 夢と現実の境界を舞台に、2人と夢魔達の戦いが始まる!!
 

　「まんがタイムきららフォワード」で連載中のコミックが原作。タイトル通り、夢を題材とした物語で、夢の世界にいる夢魔達が、現実の人間の世界に侵入するのを撃退するメリーと、彼女の力になろうと奮闘する少年・夢路の物語。寂しがり屋だが強がりなメリーと、強い意思で彼女をサポートする夢路の関係が最大の魅力だが、記憶を失っているメリーの過去や、夢路自身の不思議な能力、過去のある“約束”など、謎の多い物語も魅力の1つだ。

　 聖マルグリット学園の図書館塔の上、緑で覆われたその部屋で、妖精のような少女・ヴィクトリカは待っている。自らの退屈を満たしてくれるような、世界の混沌を。そして、一人の少年“春来る死神”を。2人の出会いがすべての始まり……。
 

　桜庭一樹氏によるミステリー小説が原作。東洋から留学生としてソヴュール(ヨーロッパの架空の国)の聖マルグリット学園にやってきた少年・一弥と、人形のような美貌を持つ謎の少女・ヴィクトリカが中心の物語。中身は“推理モノ”で、毎日膨大な本を読むヴィクトリカの元に、事件に巻き込まれた一弥が赴き、彼女に事件のあらましを説明。ヴィクトリカは膨大な知識と鋭い観察眼を使い、図書館の中にいながらにして事件を解決してしまうという、俗にいう“安楽椅子探偵”だ。
　最大の魅力は、老練した思考と名探偵のような推理力を持ちながら、お菓子大好きという可愛らしさも同居するヴィクトリカのキャラクター。特に、人形のような外見ながら、彼女の声は“老婆のような声”とされており、アニメでどのような声になるかが注目が集まっている(放送前の現時点で声優が発表されていない)。

　エッチな本とDVDと画像の収集が趣味で、スク水とニーソと縞パンに目が無い健全な男子・高梨修輔。彼には1つ年下の可愛い妹・奈緒がいる。修輔は、そんな妹のパンツも必死に見ようとする浅ましい兄だが、実は妹の奈緒は、そんな哀れな兄の事が大好き。態度とは裏腹に、そんな兄を自分のものにするための計画を淡々と進める一面も持っている。
　そんな妙な関係の2人の前に、修輔の幼馴染み・土浦彩葉が10年ぶりに帰ってくる。彼女は美しく成長した一方で、修輔をいきなり誘惑したり、彼の部屋を望遠鏡で観察するなどの異常な面も併せ持っている。かくして修輔と奈緒、彩葉の三角関係が生まれ、さらには、修輔のクラスメイトでクラス委員を務めるボーイズラブ好きの少女・近藤繭佳も加わり、普通ではない恋愛バトルが勃発する!?
 

　 “名は体を表す”という言葉はこの作品のためにあると言っても過言ではない。エログッズの収集などに情熱を燃やす、男性ならば他人とは思えぬ修輔と、彼が必死に隠す趣向を全て把握した上で、手玉に取る“計画的ツンデレ”(変態とも言う)妹・奈緒が織り成す危ない物語。だが、基本はギャグが多めで、明るく鑑賞できる作品になる模様。 原作コミックは各キャラクターが非常にスレンダーな、独特の体型をしている事も特徴だが、アニメでどのような映像になるかが気になるところ。 奈緒役・喜多村英梨さんによるハイテンションな演技も注目ポイントだ。

　人類を滅亡に追いやる異次元体“ノヴァ”との戦いで姉を失ったカズヤは、ゼネティックスと言う学園に編入する。そこはノヴァと対抗できる女子生徒“パンドラ”と、そのパンドラを補佐するパートナーの男子生徒“リミッター”の育成を目的としており、生徒達が互いに能力を切磋琢磨するバトルフィールドでもある。
　学園には、下級生は上級生に対し、絶対服従でなければならないという秩序が存在したが、その秩序を乱す存在があった。他人が触れることを決して許さない“接触禁止の女王”と恐れられる最強の2年生、彼女の名はサテライザー=エル=ブリジット。
　秩序を守るため、彼女を組み伏せようとする上級生達。そして、彼女の姿に亡き姉の面影を見たカズヤは、自らが彼女を補佐する事を決意する……。
 

　コミックヴァルキリーで連載されているコミックのアニメ化。日韓の両方で活躍する林達永氏×金光鉉氏コンビによる作品。高い戦闘能力を持ちながら、不器用なサテライザー=エル=ブリジットと、彼女をサポートしようと奮闘する少年カズヤの関係が魅力。激しいアクションシーンも特徴の1つで、女性の“パンドラ”が表に立ってボロボロになるまでバトルを繰り広げるハードな描写が原作には多く、そういったシーンがどの程度アニメ化されるかも注目ポイントだ(そもそも連載誌のコミックヴァルキリーは”戦うヒロイン”をメインテーマに掲げた異色の漫画雑誌である)。

　 高校生の竜司は、海外の両親と離れて静かな一人暮らし。しかし、ハトコの英里子が帰国した事で彼の日常は一変してしまう。闇ブローカー「ファング」との接触、謎の美少女・ローズとの出会い 。しかもローズは、伝説のレッド・ドラゴンだと判明する。
　その上、ローズは初対面のはずの竜司に無中!? さらにローズや遺物(ロスト・プレシャス)を狙い、次々と現れる存在は……。
　少女ローズと竜司の物語が始まる!!
　

　 城崎火也氏のライトノベルが原作。あらすじだけではどんな作品かよくわからないが、端的に言うと世界的なトレジャーハンターを両親に持つ高校生の少年が、少女の姿をしたドラゴンのローズに懐かれ、ローズや特殊な能力を持ったお宝(遺物)を巡る騒動に巻き込まれるというもの。さらに端的に言うと、下野紘さん演じる少年が、釘宮理恵さん演じる純真無垢な美少女に猛アタックされるお話。さらに個人的趣向を抽出すると釘宮さんの「竜司大好き!」を聴く事により、明日も生きようと思う作品(になる予想)。巨乳お姉さんとかクラスメイトとか人狼少女とかも出ます。

　世界を管理する“フラクタル・システム”が完成し、人類は史上初めて、もはや働かなくても生きていくことができる圧倒的な楽園に足を踏み入れた。それから千年……。システムはいまだに生き残り稼働し続けていたが、もはや誰もそのシステムを解析できなかった。そして、多くの人々が、その維持こそが、人類の幸せの条件だと信じて疑っていなかった。
　物語は、そんな「フラクタル」が崩壊し始めた、ある大陸の片隅の島で始まる。漫然と日々を生きる少年・クレインは、ある日何者かに追われ崖の下に転落した少女・フリュネを助ける。少女との出会いに心躍らせるクレイン。だが、フリュネはブローチを残しクレインの前から姿を消す。ブローチに残されたデータには、少女の姿をしたアバター、ネッサが閉じ込められていた。
　ネッサとともにフリュネを探し旅にでるクレイン。そこで彼は“システム”の秘密を知ることになる……。

　今季最大の注目作。「涼宮ハルヒの憂鬱」や「らき☆すた」などの演出で話題を集め、その後も他作品への評価や、アニメ界の問題に関しての、様々な発言でアニメ界を賑わせ、「もうアニメは駄目かも知れない」と語る山本寛氏が「わが身を賭した勝負」と宣言するオリジナル作品。果たして“有言実行”となるかが注目の所以だ。
　少年と少女が出逢い、世界に隠された謎に介入していくというなんとも“アニメの王道”な設定。しかし、あえてこういった作品に挑む事自体に、監督の“覚悟”が感じられる。放送枠が“ノイタミナ”である事も象徴的だ。“ハルヒやらき☆すたの山本寛”から、“フラクタルの山本寛”と呼ばれるようになるのか? 見逃せない作品だ。