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「史上最高音質」を目指した新ウォークマン
ノイズキャンセルの完成度はソニー史上最高?
ソニー 「NW-S700F(NW-S703F)」
10月21日発売
標準価格:オープンプライス
店頭予想価格:18,000円前後



■ 今シーズンのトレンドはノイズキャンセル?

 ポータブルオーディオプレーヤーも普及期に入り、各社の新製品では先進機能提案よりは、使いやすさや低価格を訴求した提案が目立つ。また、ハードウェアだけでなく、「Napster To Go」などの定額制音楽配信や、iTunes Storeでのビデオ配信などサービス面での差別化が製品の魅力を左右する市場になりつつある。

 そろそろハードウェアそのものだけの差別化は難しくなりつつあるようにも感じるが、Appleやソニーが相次いで提案しているのが「スポーツ」。さらに、最近になって盛り上がりつつあるのが「ノイズキャンセル」のようだ。

 9月に発売された松下電器のD-snap Audio「SV-SD800N」では、ノイズキャンセルユニットを備えたイヤフォンが付属。周囲のノイズを低減して、音楽を聴きやすく提案を行なっていた。同様にソニーの新ウォークマン「NW-S700F」でも、ノイズキャンセル機構を導入し、積極的に同機能をアピールしていくという。

 AV Watchの記事の中でもノイズキャンセルヘッドフォン(NCヘッドフォン)の人気が高く、今までにかなりの数のNCヘッドフォンのレビューなどを行なってきた。しかし、弊誌読者のようないわゆるアーリーアダプタ層向けの製品であり、さらに、基本的には地下鉄通勤や、飛行機でのストレス低減のためのニッチ製品と考えていた。ところが、昨今ではどうも事情が違ってきているようだ。

S700Fシリーズでは、4色のカラーバリエーションを用意

 ノイズキャンセルヘッドフォンといえば、BOSEの「Quiet Comfortシリーズ」が代名詞的製品だ。かつては飛行機内でしか見かけないモノだったが、最近では通勤電車内でも見かけることが多くなり、テレビ通販でも販売している。どうやら、音が消える「不思議技術」として認知が進んでいるようだ。

 国内大手メーカーが揃ってノイズキャンセルを提案するというのはり電車通勤者が多いというお国柄を反映してのことなのだろう。しかし、このウォークマン「NW-S700F」は、ソニーの年末商戦に向けてもっとも力を入れていく商品。その新ウォークマンの最大のウリが「ノイズキャンセル」というのは、かなり意外に感じた。

 NW-S700Fは、1/2/4GBモデルが10月21日より発売。実売価格は1GBが18,000円前後、2GBが23,000円前後、4GBが27,000円前後の見込み。ボディカラーはブラック/バイオレット/ゴールド/ピンクの4色が用意される。今回は1GBモデルの「NW-S703F」を試用した。

 なお、ノイズキャンセル機構と、FMチューナを省いた「NW-S600」シリーズも11月18日より発売される。1/2GBモデルが用意され、実売価格は1GBが15,000円前後、2GBが20,000円前後の見込み。



■ カラー有機ELの高級感ある筐体。WM-Port装備

同梱品

 付属品はイヤフォンのほか、イヤーピース、USBケーブル、延長コード、CD-ROM、クレードル接続用アタッチメントなど。

 外形寸法は、87.2~88.1×27.4×17.0mm(幅×高さ×厚み)、重量は約47g。従来のウォークマンA(NW-A600シリーズ/84.9×16.1×29.1mm/48g)とさほど変わらないが、iPod nano(90×40×6.5mm/40g)と比較すると厚みがやや気になるところ。本体の仕上げは美しく、本体のちょっとした重量感が、高級感につながっている。

 本体前面には3行表示が可能なカラー有機ELディスプレイを備える。自社製の有機ELを採用し、輝度450cd/m2を実現しているという。ディスプレイ脇には再生/停止、ボリューム上下用のボタンを配し、その右にシャトルスイッチを装備。シャトル部は2段階にスライド可能となっている。

 右端にはヘッドフォン出力を装備。出力端子部はノイズキャンセル用のMIC R/Lを加えた新規開発の5極端子。付属のNCイヤフォン「MDR-NC022」のほか、通常の3極プラグのイヤフォンも利用可能となっている。

 下面にHOME/DISPLAYボタン、底面にはHOLDスイッチと、シャッフル/リピート設定などを切替えられるPLAYモードボタンを備えている。本体の底面にはPC接続などに利用する「WM-PORT」を装備する。

ダイキャスト磨き処理を施した高級感ある仕上げ カラー有機ELや、再生/停止ボタンやボリュームボタンを装備する 下面にHOMEボタンを装備。厚みは最大19mm
シャトルスイッチは2段階に切替可能。左寄せが通常モード シャトルスイッチを右に寄せるとフォルダモードに切り替わる 5極のヘッドフォン出力端子
背面にHOLDスイッチを備えている 本体下部にWM-PORTを装備する WM-PORT用のアタッチメントが同梱されるが、スタンドやクレードルは付属しない

iPod nanoと比較

MDR-NC022

 付属イヤフォンのMDR-NC022は、10月10日に発売したノイズキャンセルイヤフォン「MDR-NC22(9,975円)」のイヤフォン部と共通。ただし、S700Fでは本体にNC機構を内蔵する形となっている。

 ケーブル長は40cmと短いため、首掛けやシャツの胸ポケットに収納する場合を除いて、付属の延長ケーブルを利用することになる。なお、延長ケーブルも5極プラグ対応が必要となるため、汎用品の使い回しはできない。


マイクをハウジングに内蔵 延長ケーブルも5極対応

 付属品で注目されるのは、アタッチメントだろう。S700F/S600ではPC接続用のコネクタに「WM-Port」と命名。iPodシリーズのDockコネクタのように、コネクタ形状を共用化して展開を図るようで、実際に新ウォークマンでもWM-Port対応のBluetoothトランスミッタ「WLA-NWB1」などを同時発売する予定。付属のアタッチメントはクレードル接続時に用いるモノで、iPod用スピーカーに付属するアダプタのイメージに近い。

 「iPodエコノミー」といわれるまでiPod用周辺機器市場が拡大した背景の一つに、インターフェイスの共通化があったことを考えると、ソニーがこうした取り組みに積極的になるのも理解できる。

Bluetoothトランスミッタ「WLA-NWB1」 クレードル「BCR-NWU3」


■ 新SonicStage CPでジャケ写対応。操作レスポンスは良好

Sonic Stage CP(Ver.4.1)

 NW-S700Fの対応オーディオ形式はATRAC/MP3/WMA/AACのほか、新たに可逆圧縮の「ATRAC Advanced Lossless」と、リニアPCMをサポート。ただし、DRM付きのWMA、AACの転送/再生には対応しない。

 転送ソフトはSonic Stage CPで、バージョンが4.1となった。新たにATRAC Advanced LosslessやリニアPCMの転送に対応するほか、ジャケット写真の転送機能も搭載した。また、S700FとS600では別売の録音用ケーブル「WMC-NWR1(1,300円)」を利用した録音機能を備えているが、ウォークマンで録音したファイルをSonicStage上にインポートする機能も追加されている。

 レーベルゲートの音楽配信サービス「Mora」との連係機能も強化。MoraへのダイレクトリンクボタンやアーティストリンクからMoraのアーティストへのダイレクトジャンプ機能、ウォークマンの再生履歴をレーベルゲートが運営するSNS「プレイログ」に転載する機能などが追加された。

再生画面。水色のNCのマークがノイズキャンセルのON状態を示す

 NW-S700Fの電源のON/OFFは再生/停止ボタンを利用する。起動して再生ボタンをもう一度押すと楽曲再生が始まる。楽曲検索は右端のシャトルスイッチを利用する。このシャトルスイッチは2段階にスライド可能となっており、左側が「通常モード」、右側に引くと「フォルダ操作モード」に切り替わる。

 フォルダモードでは、アルバム名をディスプレイの上段に、アーティスト名を中央に表示。シャトルスイッチを上下すると初期設定時にはアルバムスキップとなる。任意のアルバムを選択した後、シャトルを通常モードに切り替えると、ディスプレイ上段の表示が楽曲名に変わり、シャトルを上下すると選択したアルバム内の楽曲のスキップ/バックとなる。楽曲再生中は通常モードを利用。シャトルを上下すると早送り/戻しが可能となっている。

 なお、本体の表示情報はアルバム、アーティスト/アルバム、アーティストの3モードが設定メニューから選択でき、フォルダモードでのスキップモードを選択できる。デフォルトではアルバム順ソートとなっている。

通常モードの表示画面。音符のアイコンの後に曲名を表示。アーティスト名も表示する フォルダモードに切り替えると円盤のアイコン/アルバムタイトルを表示する ソート方法も選択可能

 起動や再生、楽曲検索のレスポンスは非常に良く、待たされることはほとんど無い。シャトルを使った楽曲検索方法を覚える必要があるが、シャトルの通常/フォルダモードの位置づけが理解できれば戸惑うことはないだろう。

 シャトルの操作時には適度な重みと剛性感があり、他のプレーヤーには無いユニークな操作感。シャトル操作そのものが気持ちいい。慣れるまではついついボリューム上下と間違えてしまったが、ボリュームの上下はシャトルの左脇のボタンで行なう。

モード選択画面

 また、本体下のHOME/DISPLAYボタンを長押しするとモード選択メニューが現れる。Search/JacketSearch/Noise Cancelling/All Songs/FM/Playlist Select/Intelligent Shuffle/Settingの各メニューが現れる。前述の再生/楽曲検索画面は、All Playモードだが、Searchモードを選択すると、iPodシリーズやZENシリーズに近いナビゲーション画面も利用可能となる。

 3行の表示ディスプレイに収録アルバムや、次の楽曲情報を表示する検索画面で、楽曲名ごとに検索を行なえる。iPodなどからの乗り換えユーザーにはこちらの検索モードの方が馴染みやすいかもしれない。なお、Searchモード時のシャトル動作は、フォルダ/通常モードのどちらでも検索画面の上下移動に割り当てられている。上階層に戻る場合はHOMEボタン、決定動作は再生/停止ボタンを利用する。


Searchモードで、アルバム名やアーティスト名での検索も可能 アルバムの前後の曲を確認できる

JacketSearchモードで、ジャケット写真からアルバム選択が可能

 また、SonicStage CPのジャケット写真(アルバムアート)転送機能追加にあわせて、再生画面でのジャケット表示に対応。さらに、ジャケットサーチモードも搭載した。ジャケット写真からアルバム検索が行なえるモードで、メニュー選択画面から、JacketSeachを選択する。シャトルスイッチを通常モードで回すと1枚ずつ、フォルダー操作モードだと3枚ずつ横にスクロールする。

 一画面に表示できるジャケットは3つなので、検索性が高い分けではないが、見ているだけでも楽しめる。新搭載のカラー有機ELの魅力を高めてくれる機能だ。また、選択されている(カーソルがある)アルバムの最初の曲が試聴再生される。この試聴再生も曲の頭が再生されるわけではなく、サビぽいところが再生されるのも面白い。どういった仕組みかは明らかではないが、試した限りでは大外しはしなかった。

 なお、有機ELディスプレイの輝度は450cd/m2と高輝度化されているが、日中の屋外での視認性は今ひとつ。晴天時には本体を50cm以内に近づけないとほとんど表示情報を読み取れない。自発光という有機ELのデバイス上の特性故のトレードオフではあるものの、屋外での利用頻度が高い人は注意が必要だ。

 また、Playlist Selectモードでは、SonicStage CPで作成したプレイリストの再生にも対応。背面のPLAY MODEボタンでシャッフル再生やリピート再生などを切替可能となっている。また、FMチューナも内蔵している。


■ こだわり満載の付属イヤフォン。NC OFFでも音質は良好

MDR-EX90SL(右)とのユニット部比較

 付属イヤフォン「MDR-NC022」は、ノイズキャンセル用のマイクを左右ハウジングに内蔵。先端が耳栓型ながら、ユニット部は通常のインナーイヤー型と同程度の大きさがあるという独自の形状で、スタジオモニターのノウハウを投入した同社の「MDR-EX90SL」をベースに音質チューニングを行なっているという。

 付属のイヤフォンとしては異例の力のいれ具合で、10月10日に発売した「MDR-NC22(9,975円)」とイヤフォン部は共通。付属イヤフォンとしては例を見ないコストのかけ方と言えるだろう。同社では「目指したものは、メモリー/HDD採用ウォークマンで、史上最高音質の」としており、音質への自信をアピールしている。

 音質面では、13.5mmの大口径ドライバユニットを内蔵し、広帯域再生や広ダイナミックレンジ化を図っており、イヤーピースを外耳道の向きにあわせることで、安定した装着ができるという。

 ノイズキャンセル効果については後述するが、実際に装着してみるとカナル型のため、外部騒音の遮蔽性も高い。また、音質チューンのベースとなっているMDR-EX90SLではユニット部を耳穴の外に備えていたため音漏れが多かったが、付属イヤフォンではユニットからの音漏れはほとんど無く、一般的なカナル型イヤフォンに近い遮蔽性を実現できている。遮蔽性が高いため、ボリュームをさほど上げなくてもきちんと聞こえるのも大きなメリットだろう。

クリアステレオの設定画面

 まずはノイズキャンセルをOFFで再生してみた。なお、S700Fではチャンネルセパレーションを向上させる「クリアステレオ」も内蔵しているが、こちらもOFFにしている。

 素の再生性能は良好で、低域の力があり、セパレーションもしっかりしている。イヤフォンもカナル型にしては音場が広く、ソースを選ばず利用できる。高域の艶やかさなどで聞かせるタイプではなく、元気な中低域としっかりした音場再現が印象的だ。

 クリアステレオをONにしても、あまり印象は変わらない。元々チャンネルセパレーションは良好なので、際だった効果は感じられないが、NC ONの時の方が効果は現れるように感じた。

 また、バーチャル音場システムのVPTやHEAVY/POP/JAZZ/UNIQUIEなどのイコライザ機能も搭載。イコライザは5つの音域を7段階で設定可能となっており、「メリハリある重低音再生が可能」というクリアベースも適用できる。

イコライザ選択も可能 5バンドのイコライザを搭載。低音強調機能「クリアベース」も用意される


■ NC効果はソニー史上最高? 音質変化は少なく、効果設定など新しい試みも

Nosse Cancelling選択画面

 NCのON/OFFはHOMEボタンから設定メニューを呼び出して、Noise Cancellingを選択して切り替える。3度のキー操作でON/OFFが可能ではあるものの、S700F最大のセールスポイントなので、ワンボタンで切り替えられると面白かったのだが。

 ノイズキャンセルの仕組み自体は既存製品と同様で、「マイクで周囲の騒音を拾い、その逆位相を電気的に生成し、ヘッドフォン内で再生。ノイズを打ち消して静かな環境を実現する」というもの

 NCをONにすると、NC OFF時からの音質変化は大きくはないが、確実に知覚できる。高域はやや削られるが、その分中域はイコライザで持ち上げたような厚みが増す。そのためボーカルがぐっと前に出てくるような印象だ。低域はよりタイトで聴き心地良く、ウッドベースの質感などが硬質になる。

 音場は若干狭くなるが、音像がぐっと前に出てくる印象で、ポップスやロック系のソースの場合はNC ONの方が好ましいことが多い。ソースの帯域をくまなく再現するのはNC OFF。きらびやかな弦の音を楽しみたい、と言った場合はNC OFFのほうがいいだろう。音質変化はさほど大きくはないので、どちらを選ぶかは好みの問題だろう。

 ノイズキャンセルの効果はかなり高い。ソニーでは、周囲の騒音を約1/4に低減できるとしているが、元々カナルのため遮蔽性が高い。そのため、通勤時に京王線で利用した際にはNC OFFでも、さほど騒音を意識せず利用できた。しかし、NC ONにすると音像がくっきりとでるので、小ボリュームでも聞きやすさが向上するほか、あまり断続的でないロードノイズなどにも一定の効果がある。

 NCが効果を発揮するのはやはり地下鉄。都営新宿線で利用した場合、トンネル内で発生する連続的なゴーというノイズをほとんどカットしてくれる。ケンウッドのカナル型イヤフォン「KH-C701」と比較しても、歴然とした差がある。遮蔽性の高さと相まって音楽の聴きやすさは格段に向上するので、地下鉄利用が多い人には文句なしでNC ONがお勧めできる

 また、ユニークな機能としてはNC効果のレベルを選択できる。マイクの感度を調節することで、再生時に音声と共に出力される逆位相のレベルを調節できる。メニューのSettingからAdcanced Setting-Noise Cancel Controlを選択すると、30段階のレベル設定が可能。初期値では中間の15になっているようだ。

ノイズキャンセルの効果も調整できる

 従来のNCヘッドフォンでは、状況にあわせて効果の微調整が行なえる製品はほとんどなかったが、S700Fではプレーヤー本体にNC機能を内蔵したことで、こうした柔軟な設定が可能となるわけだ。

 感度を上げすぎるとノイズが混じってしまうのであまりお奨めできないが、効果を変えながら好みのバランスにあわせやすく、地下鉄のロードノイズの度合いや、自分の聞こえ具合にあわせて調整できるのは大きなメリット。キャンセル性能の高さもさることながら、NCヘッドフォンの新しい提案として歓迎したい。

 ソニーのノイズキャンセルヘッドフォンとしては、かつて「MDR-NC11A」や「MDR-NC6」などを試用したものの、あまり完成度は高くなかった。さらに、フラッグシップノイズキャンセルヘッドフォン「MDR-NC50」に至っては、強烈なノイズキャンセル効果が体験できたが、個人的には効果が強すぎたし、音も価格に対して今ひとつだった。こうした効果設定ができ、なおかつ音質も維持できるようになったというのは、ソニーが今まで積み上げてきたノウハウのおかげだろう。

 なお、NCのON/OFFは再生音声に連動するようになっている。そのため、再生を停止するとNC効果も消えてしまう。たとえば、飛行機での長距離移動時などでは、就寝時にNCヘッドフォンをかけて、周囲の音を遮断して使っている人も多いというが、S700Fでは再生を停止してしまうとノイズキャンセルがOFFになってしまう。

 ただ再生ボリュームを0にしても、再生している限りはNC効果がONになるので、リピート機能などを利用して飛行機向けの就寝用機器としても活用できそうだ。また、指定時間再生をした後、停止する「Sport shuffle」機能も備えているので、タイマーをかけてから寝るという応用も可能だろう。

SportsShuffleも搭載 HOME/Displayボタンで時計やスクリーンセーバーも呼び出せる

 バッテリ駆動時間は約50時間(ATRAC3 132kbps、NC/クリアステレオ/VPT/イコライザ OFF時)。NCをONの場合でも約43時間。満充電しておけば長期の出張などでも充電無しでも利用できそうだ。充電は付属の専用USBケーブルを利用する。充電や同期が可能な専用スタンド「BCR-NWS700」も発売予定で、実売価格は約2,000円。


■ 完成度の高いウォークマン。付加機能の評価が購入のポイント

 本体の仕上げも良く、音質や操作性の完成度も高い。SonicStage CPも完成度を高めておりジャケット表示にも対応するなど、ハードウェアとしての魅力は、従来のウォークマンAシリーズと比較してもかなり向上している。

 本体の高級感も最近のプレーヤーとしてはかなり高いが、価格面ではiPod nano(2GB 17,800円/4GB 23,800円/8GB 29,000円)と比較すると、同容量で5,000円ほどS700Fが高価となってしまう。そうした意味では、音質や操作性などの好みに加え、付加機能としてのノイズキャンセルやFMチューナ、スタミナ再生などにどこまでの価値を見いだすのか、という点が選択のポイントとなるだろう。

 ノイズキャンセルを重視して考えると比較的低価格で、非常に強力な競争力を持った製品の登場と感じる。「MDR-NC22(9,975円)」に1万円足すと1GBのプレーヤー付きで購入できるということで、BoseのQuiet Comfort(41,290円)を例に出すまでもなくリーズナブル。装着感こそQuiet Comfortに及ばないにしても高音質かつ小型のプレーヤーが手にはいる。ヘッドフォン単体では利用できないし、プレーヤーも選べないが、出張用としてNCヘッドフォンを検討している人は、専用プレーヤーとして「NW-S700F」を選択するのも一つの手だろう。

 ハードウェア製品としての完成度には満足できるが、やや物足りなさを感じるのはサービスとの連携。特に先日サービス開始した「Napster」の定額制音楽配信サービスや、北米の「iTunes Store」におけるビデオ配信など新たな試みがスタートしているのに比べると、ウォークマンが連携を前提とする「Mora」の現在のアラカルト方式のサービスはあまり魅力的に感じない。サービス面のさらなる付加価値向上にも期待したいところだ。

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200610/06-1012B/
□製品情報
http://www.sony.co.jp/walkman/
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(2006年10月13日)

[AV Watch編集部/usuda@impress.co.jp]


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