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テスラ技術搭載イヤフォンが「AK T8iE MkII」に進化。ハイグレードケーブル採用

 アユートは、Astell&Kernとbeyerdynamicがコラボしたイヤフォン「AK T8iE」の後継モデル「AK T8iE MkII」を発表した。詳しい価格や発売日は未定だが、海外での価格は999ドル。日本発売は7月頃のイメージだという。

AK T8iE MkII

 昨年発売した「AK T8iE」に対して、ユーザーなどから寄せられた多くの意見を反映させ、進化したという後継モデル。

 具体的には、ユニットのボイスコイルを新型にしているほか、ケーブルもよりハイグレードなものに変更。MMCX端子もブラッシュアップさせている。

 beyerdynamicは、1テスラ(=10,000ガウス)を超える強力な磁束密度を生み出すテスラテクノロジーを搭載したヘッドフォンとして、「T1」や「T5」、コンパクトな「T51i」などを手がけている。その技術をイヤフォンに初めて投入したのが、昨年発売の「T8iE」。

 テスラヘッドフォンの特徴であるリング型マグネットをイヤフォンにも投入。ダイナミック型で、振動板の口径は11mm。1/100mmと、非常に薄い振動板を採用しているのも特徴。

 MkIIでは、ボイスコイルをさらに最適化。「音量を大きくすると、振動板をより沢山動かす必要があるが、その際に、従来よりもさらに動きやすくなり、更なる低歪化を実現。TESLAテクノロジーの恩恵を今まで以上に引き出せる」という。このボイスコイルは、40倍に拡大するデジタル顕微鏡を用いて、手作業で取り付け、検査もしている。

最適化した新ボイスコイルを採用している

 ケーブルは着脱可能で、MKIIではケーブルをよりハイグレードなものに刷新。中心に強靭なアラミドファイバーコアを使い、耐久性を高め、その外側に銀メッキ銅線のストレート導体を配置。FEPインシュレータを介して、さらに銀メッキ銅線のストレート導体を配置。再びFEPインシュレータを外側に巻き、最後にUltraフレキシブルスリーブで覆い、ケーブルとしている。

左が新モデル、右が従来モデル。ケーブルの色が変わっている
ケーブルの内部

 よりピュアな伝送ができると共に、しなやかさと強靭さを兼ね備えたケーブルを実現したとしており、肌にもやさしいという。

 従来モデルと同様にMMCX端子を採用しているが、ゴールドメッキを施し、形状にも工夫をこらし、より確実な接続を実現。「抵抗値も従来に比べ低く、耐久性だけでなく音質的にも有効」だとしている。

新モデルのMMCX端子
従来モデルのMMCX端子

 通常の 3.5mm/3極ケーブルに加え、2.5mm/4極バランスケーブルも同梱。AKのハイレゾプレーヤーなどと組み合わせて利用できる。

 イヤーシェイプ(耳甲介)型のハウジングデザインを採用する事で、耳に挿入しやすくしている。スムーズにフィットするよう最適化した、独自デザインのシリコンイヤーピースを5サイズ、さらにコンプライも3サイズ付属する。

 再生周波数特性は8Hz~48kHz。インピーダンスは16Ω。許容入力は10mW。音圧レベルは109dB。ケーブルを省いた重量は7g。

内容物

音を聴いてみた

既存の「AK T8iE」は、テスラテクノロジーを採用したヘッドフォンの、ハイスピードなサウンドをそのままイヤフォンでも実現したようなモデルだ。ダイナミック型だが、もったりした部分は一切なく、バランスド・アーマチュア型のような音の立ち上がり、立ち下がりが素早く、クッキリとしたサウンドを実現している。

 同時に、ダイナミック型ユニット1基ならではの高音から低音までの繋がりの良さ、中低域の量感などの利点も備えているのが特徴だ。

 後継モデル「AK T8iE MkII」を聴くと、従来モデルの特徴を残しながら、個々の音のコントラストが強くなっているのがわかる。同時に、低域の沈み込みがより深く、音に深みとしなやかさが出ている。ボイスコイルを刷新した事で、振動板の動作がよりダイナミックかつ繊細になったようだ。

 また、音が近いというか、鮮度が向上したようにも感じる。ヴォーカルの口の開閉、ギターの弦の描写など、細かな音がグッと近く、むき出しになったような描写になり、従来モデルより明瞭に聴きとれる。ケーブルがハイグレードになり、MMCX端子の接続もより強固になった事で、音の情報量が増加したのが実感できる。

発表会にはbeyerdynamicから、マネージング・ディレクターのRobert Winterhoff氏らが参加。同社の「T1」Headphoneのフォームファクターをイヤフォンへと活かしたことで、音質にも自信を持っているという