ニュース
オンキヨーから完全ケーブルレスイヤフォン。ハイレゾ対応ハイエンドや“桐”ヘッドフォンも
2016年7月16日 16:20
イヤフォン、ヘッドフォン関連製品の試聴ができるイベント「ポータブルオーディオフェスティバル2016 東京」(通称:ポタフェス2016東京)が16日、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で開幕した。期間は16日、17日の2日間で、入場は無料。ここではオンキヨー&パイオニアのブースをレポートする。
完全ケーブルレスのイヤフォン
オンキヨーブランドでリリース予定の「W800BT」は、左右のイヤフォンが完全に独立し、ケーブルが無いのが特徴のBluetoothイヤフォン。イヤフォン内部にバッテリも搭載している。
ユニットは8.6mm径のダイナミック型。6Hz~22kHzまでの再生が可能で、豊かな低域、バランスのとれた中域、透き通る高域も実現。密閉型構造で、外部からの騒音も遮断できるという。BluetoothのコーデックはSBCに対応、プロファイルはA2DP、HFP、HSPをサポートする。SCMS-Tにも対応し、ワンセグの音声も伝送可能。インピーダンスは16Ω。出力音圧レベルは107dB/mW。
イヤフォンに突起状のスタビライザーを搭載。ケーブルレスタイプだが、安定した装着ができるとしている。マイクも搭載し、スマホと連携すればハンズフリー通話も可能。
内蔵バッテリで3時間の再生が可能。待受けは40時間。収納ケースが充電ケースも兼ねており、イヤフォンを5回充電できる。ケースには、ケース内のバッテリを充電するためのUSBケーブルを備えている。
発売日は未定だが、年内に商品化する予定で、外観デザインもほぼ最終だという。価格も未定。他社の完全ワイヤレスイヤフォンと比べ、高音質差や5回の充電ができるケースが付属する事などを特徴としている。
ハイブリッド構成のハイレゾイヤフォン
オンキヨーのハイエンドイヤフォンとして、ハイブリッド構成の「E900M」を参考展示している。「ベストセラーモデル“E700M”の美点を継承するハイブリッドの新作」としており、価格や発売日は未定だが、E700Mよりも上位機種と位置づけられている。
金色の筒と丸い筐体を組み合わせたようなデザインで、内部には6mm径のダイナミック型ドライバと、2基のBAドライバを搭載、3ウェイ仕様となる。
ダイナミック型ユニットのローパスフィルタはパッシブタイプ。二次クロスオーバーネットワークはBAとダイナミック型の再生帯域を正確に分けるために使われている。
音響的な構造開発に18カ月以上を費やしたというモデルで、再生周波数帯域は5Hz~40kHz。出力音圧レベルは107dB/mW、インピーダンスは16Ω。
ケーブルは1.3mで、着脱可能。端子はMMCX。無酸素銅を使ったツイストケーブルで、長さは1.3nm。リモコンも備える。
桐を使ったヘッドフォン
「KIRIヘッドフォン」は、4月に行なわれた「春のヘッドフォン祭2016」でも展示されたもので、70周年記念モデルとして開発中。年内の発売を目指している。なお、展示機のデザインは最終ではなく、実際の製品はかなりガラッと異なる外見になるそうだ。
和楽器の心地良い響きを追求しており、パイオニアのフラッグシップ機「SE-MASTER1」をベースにしながら、ハウジングの外側に桐を採用している。内部には、箏や三味線などの和楽器にも採用されている独特の彫りを施して、響きの美しさを追求している。
ユニットにも特徴があり、振動板にセルロースナノファイバーを使っている。木材パルプを構成する繊維をナノレベルまで細かくしたもので、鉄の5分の1の質量ながら、鉄の5倍の強度を実現したバイオマス素材「CNF」をパルプに混抄することで、更なる音質の向上を図っている。
以前もイベントで参考展示されていたが、今回の展示では2つの点で進化。1つは桐の表面に塗っているニスで、ハウジングを保護しながら、非常に薄く塗れるニスを使っているのが特徴。木の響きを活かしながら、仕上げができるという。
もう1点は振動板のエッジ。以前のイベントで試聴した来場者から「低域がタイトだ」という意見が多く、開発陣も同様の印象を持っていたため、ユニットがより動きやすいエッジに変更。低域のゆったりとした描写も可能になったという。
ブースには、開発を担当しているオンキヨー 技術部の藤井貴哉氏らも出席。試聴の感想を直接伝えられる。今回のイベントでの意見も踏まえながら、最終的な製品へと仕上げていくという。