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4K・8K放送をCATVで視聴するチューナ。ソシオネクストが世界初の復調LSI開発
2016年9月29日 18:29
NHKとKDDI、ジュピターテレコム(J:COM)、日本デジタル配信は共同で、4K・8K放送をケーブルテレビ経由で視聴するためのチューナを試作。ソシオネクストが開発した、世界初のISDB-S3・複数搬送波伝送の両方式に対応した復調LSIを搭載しており、チューナも同社が開発。今後再放送実験に使われる予定で、「ケーブルテレビで4K・8Kを受信するための主要なモジュールが揃った」という。
衛星放送による4K・8Kスーパーハイビジョンの試験放送は8月から開始されており、2年後の実用放送の開始に向けてコンテンツの充実や設備の開発・整備が進められている。今回試作されたのは、4K・8K放送をケーブルテレビ経由で視聴するためのチューナ。
このチューナは、NHKが開発した「複数搬送波伝送方式」と呼ばれる4K・8Kの信号をケーブルテレビの複数のチャンネルに分割して伝送する方式に初めて対応。この伝送方式を利用すれば、既存のケーブルテレビの設備や伝送路をそのまま利用できる利点がある。
ソシオネクストは、この複数搬送波伝送方式(ITU-T J.183)と、高度広帯域衛星デジタル放送方式(ISDB-S3)の両方に対応したデジタル放送復調LSI「SC1501A」を開発。衛星からの直接受信と、ケーブルテレビでの再放送受信(IFパススルー・トランスモジュレーション)の双方で4K・8K放送の受信ができ、LSIによる小型化も実現した。
試作チューナは10月4日~7日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2016」で展示を行なう。