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オーテク、イヤフォンLSシリーズ5機種。新BA採用で6万円「LS400」やダイナミック型直列配置など

 オーディオテクニカは、イヤフォンのLSシリーズ5モデルを11月18日に発売する。バランスド・アーマチュア(BA)ドライバ採用の3モデルと、ダイナミック型ユニットの2モデルを用意。価格はオープンプライス。店頭予想価格はBAの「ATH-LS400」が6万円前後、「ATH-LS300」が4万円前後、「ATH-LS200」が25,000円前後、ダイナミック型の「ATH-LS70」が13,000円前後、「ATH-LS50」が7,000円前後。

ATH-LS400

 LS400、LS300、LS200はいずれも、LSシリーズ専用設計のBAドライバを搭載。それぞれが、各モデルに向けて新開発されたドライバを搭載している。

 また、全モデルケーブルは着脱可能で。端子は独自のA2DCコネクタを使っている。

ATH-LS400

 LS400は4基のBAドライバを搭載。構成は低域×2、中域×1、高域×1の4基。専用設計のクアッド・ネットワークにより、「豊かな低域表現で、高解像度かつ臨場感あふれる写実性の高いサウンドを実現する」という。BAドライバは、LS400向けに新たに開発されたものを使っている。

ATH-LS400
ATH-LS400の内部

 耳と同軸上に高域ドライバを配置し、チタ二ウムのハイブリッド導管を通して音を出す事で高域特性が向上。「高域は特に指向性や直進性が高いため、効果がある」という。低域ドライバは中高域ドライバに対して平行に配置する事で、ワイドレンジで精彩な重低音を実現したとする。

 出力音圧レベルは105dB/mW。再生周波数帯域は15Hz~20kHz。インピーダンスは20Ω。ケーブルを省いた重量は約12g。イヤーピースはXS/S/M/L。

ケーブルは着脱可能で、A2DCコネクタを採用

ATH-LS300

 LS300のドライバは、低域×1、中域×1、高域×1の3基。専用設計のトリプル・ネットワークを採用している。耳と同軸上に高域ドライバを配置。導管はステンレスと高耐久性特殊樹脂のハイブリッドタイプ。耳に対して平行に配置した低域ドライバーで、豊かな重低音を再生ができるという。

ATH-LS300

 出力音圧レベルは106dB/mW。再生周波数帯域は18Hz~18kHz。インピーダンスは15Ω。ケーブルを省いた重量は約11g。イヤーピースはXS/S/M/L。

ATH-LS200

 ドライバはスーパー・ツイータ×1、フルレンジ×1の2基。デュアル・ネットワークを搭載。「各音域でセパレーションの良いサウンドを実現した」という。

ATH-LS200

 耳と同軸上にドライバを配置して、高域特性を向上。導管はステンレスと特殊樹脂のハイブリッド。高域から低域までカバーするフルレンジにより、「伸びやかな中高域と厚みのある低音を再生する」という。

 出力音圧レベルは110dB/mW。再生周波数帯域は20Hz~16kHz。インピーダンスは47Ω。ケーブルを省いた重量は約6g。イヤーピースはXS/S/M/L。

ATH-LS70/LS50

 LS70とLS50はダイナミック型ユニットを採用。1つのメインユ二ットに対し、2つ目のサブドライバを直列に配置し、ドライバを同時に駆動することで、メインユニットが動く際の変形などを抑え、歪みを軽減。音を均ーに放射するという。どちらのモデルも、専用設計ドライバを使った「"Live Tuned"デュアル・シンフォニックドライバ」仕様となる。

ATH-LS70
LS70の内部。サブドライバでメインドライバの動きを補佐し、歪みを低減している

 LS70の振動板は、カーボンコーティングを施し、「力強い音から繊細な表現までメリハリのある描写を実現する」という。駆動力を向上させるロングボイスコイルを使い、厚みのある低域表現も実現。

 どちらのモデルも、ステンレスと合成樹脂のハイブリッド導管を採用し、高域特性も向上させた。

ATH-LS70のケーブル着脱部分

 ケーブルは着脱可能で、端子はA2DC。LS50はカラーバリエーションとして、ブラック、ネイビー、レッド、イエローを用意する。

ATH-LS50
LS50はカラーバリエーションとして、ブラック、ネイビー、レッド、イエローを用意する

 スペックは、LS70が出力音圧レベル104dB/mW。再生周波数帯域5Hz~26kHz。インピーダンスは11.5Ω。ケーブルを省いた重量は約6.5g。イヤーピースはXS/S/M/L。

 LS50が出力音圧レベル103dB/mW。再生周波数帯域5Hz~25kHz。インピーダンスは11.5Ω。ケーブルを省いた重量は約6.5g。イヤーピースはXS/S/M/L。

ATH-LS50もケーブル着脱可能

音を聴いてみる

 オーディオテクニカは今年の前半に、BAを搭載したモニター向けイヤフォンとして「ATH-E」シリーズを投入しているが、LSシリーズはコンシューマ向けに、より音楽をゆったりと、楽しく、心地よく聴けるラインナップと位置付けられている。

 BA採用のクアッドドライバモデル「ATH-LS400」は、このLSシリーズの立ち位置を体現するようなサウンド。4ドライバによる肉厚な中低域を、ゆったりと聴かせる堂々としたサウンドだ。

ATH-LS300

 トリプルドライバのLS300はかなり特徴的なサウンド。重低音再生を重視しているようで、やや低域よりのバランス。対して、デュアルドライバのLS200は非常にバランスがよく、LS400、300、200の中では最もモニターライク。高域から低域まで、偏りがない。実売25,000円前後という価格も考えると、コストパフォーマンスの高い要注目モデルだ。

ATH-LS70

 ダイナミック型のLS70/50は、ダイナミック型ならではの音圧の豊かさが楽しめる。"Live Tuned"デュアル・シンフォニックドライバにより、歪みの少ない、クリアさも実現しており、低音が膨らみ不明瞭な音になる事もない。

 バランスとしては、LS70はかなり低域が豊富。LS50は70よりも低域が抑えられており、LS50の方がバランスという面では良好だ。ライブ録音などを迫力満点に楽しみたい場合はLS70、低域のパワフルさを味わいながら、モニターライクな部分も欲しいという場合はLS50がピッタリだろう。