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ELAC90周年、高さ約170cmで860万円の超弩級スピーカー「Concentro」

 ユキムは、ELACの90周年記念したフラッグシップスピーカー「Concentro(コンチェントロ)」を12月初旬に発売する。ペアでの予価は860万円。

9月の「2016東京インターナショナルオーディオショウ」で展示された「Concentro」
「Concentro」

 ELACの代表的なモデルである「500LINE」や「400LINE」を手掛けた、R&D部門の責任者、ロルフ・ヤンケ氏が開発を主導。4ウェイのバスレフスピーカーで、ユニットは、ツイータとミッドレンジを一体化したVX-JET×1、ミッドウーファ担当の220mmのAS-XRコーン×1、ウーファとなる250mmのASコーン×4で構成されている。

 ELAC独自のVX-JETユニットは、JETツイータとミッドレンジのコーンユニットを同軸に配置した構造になっている。中域と高域の不必要な分離を無くし、ユニットの前後配置を調整する事で、リスナーに届く直接音と間接音のバランスも調整している。

上がVX-JETユニット。JETツイータとミッドレンジのコーンユニットを同軸に配置している

 ミッドレンジは「LLD(Long Linear Driver)」で、振動板のサイズは外形140mm、内径70mm。500LINEよりも大型化している。振動板はアルミ・パルプ・ハイブリッドクリスタルコーンで、70mmのボイスコイルを搭載。JETツイータの周りは、アルミダイキャスト・バッフルフレームを採用し、放射特性を改善している。VX-JETとミッドウーファのクロスオーバー周波数は360Hzで、「今まで以上に(VX-JETの)点音源にて音楽の多くの帯域を受け持つことが可能になった」という。

 ミッドウーファとウーファには、強力な磁力を持つ75mmのボイスコイルを搭載。強力なネオジウム・マグネットを花びら状に配置した「LLD」技術を投入。「ロングストロークかつ高いリニアリティを持つ」という。

筐体内部

 両サイドに計4基搭載される新開発の250mmウーファは、剛性を高めるため、浅めのカーブを採用。左右ペアで、プッシュプル動作し、低域再生能力を高めている。全体の周波数特性は18Hz~50kHz、クロスオーバー周波数は120Hz/360Hz/2,700Hz。定格インピーダンスは4Ω、推奨アンプインピーダンスは4~8Ω。推奨アンプ入力は80W~600W。

 筐体は楕円形で、3次元のカーブを持ったバッフルで構成。「各ユニット間の周波数共振を一切排除することを狙いとしている」という。内部は、強固なMDF板でブロック分けされ、最適なエアボリュームを確保できるように設計。4基のウーファも、左右のペアごとに内部空間が区切られ、互いに干渉しないよう設計している。

 なお、本体色(ブラック/ホワイト)とサイドパネル(ウォールナット/レザー/カーボン)の素材の組み合わせは自由にできるが、本体MDF部の塗装はハイグロス・ラッカーの仕上げとなる。

 ベース部は、シングル・ブロックのアルミより削り出したもので、重量は25kg。外形寸法は460×610×1,680mm(幅×奥行き×高さ)、本体の重量は140kg。