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パイオニア、重さ120gで4万円のバランス駆動ハイレゾプレーヤー「private」

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、パイオニアブランドのハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー「private(プライベート)」を3月中旬に発売する。型番は「XDP-30R」で、カラーはシルバー(S)とブラック(B)の2色。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。片手操作のコンパクトな筐体ながら、2.5mm 4極のバランス出力にも対応。ストレージは16GBで、2基のmicroSDカードスロットにより、合計で416GBまで拡張できる。

private XDP-30R

 なお、オンキヨーブランドの新プレーヤー「rubato(ルバート) DP-S1」も同じく3月中旬に発売される。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万5,000円前後。ESS製DACや2.5mmバランス出力などは共通だが、本体デザインが異なるほか、各ブランドのホームオーディオで培った技術のポータブル機への導入など、音質面のチューニングやユーザーインターフェイスに違いがある。オンキヨーのrubatoについては別記事で掲載している

 「XDP-30R」は、パイオニアの既発売ポータブルプレーヤー「XDP-300R」やホームオーディオで培ったノウハウを、94×63×15mm(縦×横×厚さ)、重量120gのコンパクトサイズに投入。2.4型タッチパネルディスプレイを使った片手操作で手軽に高音質を楽しめるという。ハイレゾ音源は、DSD 5.6MHzまでのネイティブ再生のほか、最高192kHz/32bitのFLAC/WAVなどの再生に対応。

private XDP-30R(シルバー)
private XDP-30R(ブラック)

 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)やBluetoothも搭載し、ネットラジオなどの音楽のストリーミング再生にも対応する。BluetoothのプロファイルはA2DP/AVRCP対応で、音声コーデックはSBCのみ。

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 16bit/24bitの音源を32bitまで拡張し、アナログのような滑らかな音質で再生可能という「Hi-Bit」モードを搭載。そのほか、アップサンプリングによってMP3などの圧縮音源も192/176.4/96/88.2kHzに変換し、音楽ストリーミングを含む様々な音源を高音質に再生可能としている。

 DACチップはESS製のSABRE「ES9018C2M」、アンプはDAC部からの伝送をスムーズに行なえるというSABRE「9601K」をそれぞれ2基搭載。DAC部から出力端子までフルバランス回路構成となっている。

左がブラック、右がシルバー
ESSのDAC/アンプをデュアルで搭載

小型筐体にフルバランス回路。スマホアプリからの操作も

 ヘッドフォン出力は2.5mm 4極バランスとステレオミニ(アンバランス)の2系統。フルバランス回路には、通常のBTLバランス駆動方式に加え、独自のActive Control GND(ACG)駆動方式も採用。2つのDAC出力(L-GND/R-GND)をCOLD側アンプとして単独駆動させ、0Vに強固に固定することで、グランドの揺らぎを排除、クリアかつパワフルで定位感と奥行きのあるサウンドを実現するという。ステレオミニ端子はラインアウトモードにも対応。バランス/アンバランス出力端子は、PCM 192kHz/32bitまで、DSDネイティブ再生は5.6MHzまで対応する。

ヘッドフォン出力は2.5mm 4極バランスとステレオミニのアンバランスを装備
バランス対応の新ハイレゾイヤフォン「SE-CH5BL」との組み合わせ

 オーディオクロックは44.1kHz/48kHzの2系統を装備。オーディオ基板内のDAC/アンプをシンメトリーに配置し、オーディオ基板と電気ノイズの多い電源部をセパレート設計にすることで、オーディオ回路へのデジタルノイズの影響を排除したという。

写真左側にDAC部とアンプ、右側に電源部に分離

 7ステップの調整で、ジッターノイズの低減を限界まで追い込めるロックレンジアジャスト機能や、SHARP/SLOW/SHORTの3モードから選べるデジタルフィルターも装備する。6個のプリセットイコライザ(Flat/Pop/Rock/Jazz/Dance/Vocal)を用意。また、プリセットを10バンドでカスタマイズして最大3つまで保存できる。楽曲の雰囲気に合わせて5段階の調節が可能なBass Enhancerも利用可能。

ロックレンジアジャストなどの調整が可能

 16GBの内蔵ストレージと、2つのmicroSDカードスロットを装備。各スロット200GBまでのカードが使用でき、合計で416GBまで拡張できる。

再生画面
10バンドのイコライザ表示

 2.4型の静電式タッチパネルディスプレイは、コントラストの微細な調整も行なえ、視認性を確保できる。楽曲のサンプリング周波数などの表示のほか、アルバムジャケットをフルカラーで表示する「フルサイズアルバムアートモード」も用意。プレイリストの新規作成や曲の追加なども行なえる。

 本体側面に、電源ON/OFFや、再生/曲送り/曲戻しなど、画面を見ずに操作できる物理ボタンを配置。61ステップのボリュームノブにより、細かな音量調整が行なえる。画面ホールド時のボリュームノブと物理操作ボタンのロック/アンロックを個別に設定できる。また、カスタムイヤフォンなどの利用も想定し、調整幅を広くしたゲイン設定(Low/Normal/High)も装備。

側面のmicroSDスロット2基と操作ボタン
背面。左がブラックモデル、右がシルバーモデル

 iPhone/Android用のコントロールアプリ「Pioneer DuoRemote App」とも連携。XDP-30Rをバッグなどに入れたまま、Bluetooth Low Energy経由でスマホから操作でき、再生/停止、曲送り/戻し、音量調整などが行なえる。また、Windows PCから楽曲転送できる無償アプリ「X-DAP Link(クロスダップリンク)」も提供する。

スマートフォンアプリ「Pioneer DuoRemote App」の操作画面

 シャーシは、ミクロ単位で緻密に計算し、アルミニウムの塊から直接削り出したものを使用。「アルミの持つ直線的な美しさと裏面のしなやかな曲線により、オーディオ機器の佇まいを持ちながら、手に自然になじむ持ちやすさを実現した」という。

 ヘッドフォンの最大出力は75mW×2ch(アンバランス)、150mW×2ch(バランス)。全高調波歪率は0.006%以下。SN比は115dB以上。2.5mm 4極バランス出力端子のアサインは、先端からR-/R+/L+/L-。アンバランス出力は3極。

 データ転送や充電用のmicroUSB端子を装備。内蔵バッテリ容量は1,630mAhで、連続再生は15時間(FLAC 96kHz/24bit アンバランス再生時)。

 今後、インターネット経由でのファームウェアアップデートも行ない、ハイレゾでも容量を抑えられるフォーマットのMQA再生や、e-onkyo musicからのダウンロード機能にも対応予定。これらの機能は、'17年夏のサポートを見込んでいる。

MQA再生や、e-onkyo musicダウンロードにも、ファームウェアアップデートで対応予定