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バランス対応プレーヤーとイヤフォンで5万円。オンキヨー&パイオニアのハイレゾ新標準

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは8日、ポータブルオーディオプレーヤーの「rubato DP-S1」と「private XDP-30R」、ハイレゾイヤフォン3機種を発表。バランス対応を軸に、使い続けられる“新たなスタンダード機”として提案した。

「rubato DP-S1」や「private XDP-30R」などを発表した宮城謙二社長(中央)

 発表されたのは、ポータブルオーディオプレーヤーのオンキヨー「rubato DP-S1」と、パイオニア「private XDP-30R」、パイオニアのハイレゾ対応イヤフォン「SE-CH9T/CH5BL/CH5T」。製品の詳細は個別の記事で紹介している。

オンキヨー「rubato DP-S1」と、パイオニアのイヤフォン「SE-CH5BL」

 宮城謙二社長は、「'15年3月にオンキヨーとパイオニアが統合されてその日に始まったのが(最初のポータブルハイレゾプレーヤー)DP-X1とXDP-100R」と振り返り、'16年のモデルチェンジで、オンキヨーだけでなくパイオニアのプレーヤーもバランス対応となったことを説明。

 今年は1月26日にオンキヨーのハイレゾ対応スマートフォン「GRANBEAT DP-CMX1」を発表し、高い評価を得た一方で、「バランス回路が一番のウリだが、多くの方々には、残念ながらバランスの良さが届いていない。そこで、プレーヤーとイヤフォンをつけて5万円を切りたい。なおかつバランスを楽しみたい、というのが我々のメッセージ。バランス接続の良さを、マニアだけの世界ではなく、ハードルを下げたのが今回のモデル」とした。

 各モデルの価格はオープンプライスだが、店頭予想価格はプレーヤーの「rubato DP-S1」が45,000円前後、「private XDP-30R」は4万円前後。バランス対応イヤフォン「SE-CH5BL」は8,500円前後のため、XDP-30RとSE-CH5BLを組み合わせると5万円を切る形となる。

 オンキヨーのモデルが持つ製品名の「rubato(ルバート)は、音楽用語で「自由なテンポで」という意味を指すイタリア語であり、パイオニアの「private」は、文字通り「自分の大切な時間を使って楽しむ」という意味を込めたという。

5万円を切る組み合わせとなるパイオニア「private XDP-30R」と「SE-CH5BL」

長く使い続けられるプレーヤー。MQAやe-onkyo対応も予定

 プレーヤーを手掛けたネットワークサービス事業本部 DAP商品企画部 DAP商品企画課の佐野恭平氏は、新モデルのコンセプトとして「新しいスタンダードを生み出す」ことを挙げた。

プレーヤーを手掛けた佐野恭平氏

 長い実績を持つホームオーディオと、スマートフォンのGRANBEATで市場を広げたことに続き、今回は「コンパクトなボディに高音質を積み込む」ことを掲げ、「ずっと使い続けられる一台であること」を、同社が考える“新しいスタンダード”として提案。

 そのために、「コンパクトでも本格派」、「音源や容量に縛られない」、「自分だけのカスタマイズ機能」を挙げ、従来比70%のサイズや同60%の重量を実現したことや、上位モデルと同等のツインDAC&アンプによるフルバランス回路、最大416GBまでの拡張、ロックレンジアジャスト機能などの音質カスタマイズ機能を搭載したことに触れた。

フルバランス回路と、2.5mm 4極端子により、広がりのある音などが特徴のバランス接続が可能になる

 両機種は、DACやバランス対応など共通する部分も多いが、その違いについて佐野氏に尋ねたところ、「スペック表で見ると同じものも多いが、パイオニア、オンキヨーそれぞれ専任の音質マイスターが関わり、それぞれのブランドに遜色のない音を作っており、デザインや、一部の内部部品にも違いがある」とした。パイオニアのprivateは「初めてハイレゾプレーヤを使う人」、オンキヨーrubatoは、「DP-X1Aを持っている人の2台目」などの購入も見込んでいるという。

左が「rubato DP-S1」、右が「private XDP-30R」
シャーシの違い。左が「rubato DP-S1」、右が「private XDP-30R」

 DP-X1Aなどとの違いとして、新モデルはAndroidではなくオリジナルのOSを採用しているが、これについては「ソフトウェアが進化していく中で、Googleが提供/進化させるAndroidは瞬発力は高い。しかし、オリジナルOSの一番のメリットは、“我々の判断で、我々の特徴をもって進化させていけること”Androidはどこかの時点でOSにハードがついていかなくなる瞬間が生まれる可能性がある」とした。

 新モデルに搭載している無線LANは、radiko.jpやtuneInなどの配信サービスを受信して聴けるほか、ファームウェアのアップデートも行なえる。今後は、高音質で容量を抑えられることなどが特徴のMQAフォーマットへの対応や、ハイレゾ配信サービスのe-onkyo musicからのダウンロード機能の追加も予定。'17年夏ごろのファームウェアアップデートでこれらに対応する見込み。

 その他にも、Spotifyや国内配信サービスなどを含めてファームウェアアップデート対応を検討中としており、今後、ユーザーからの意見を聞いていくという。今後も機能追加を続けることで、「ハイエンド製品への乗り換えまでもサポートできる形を描きたい」としている。

専用ケースなどのオプション展開。サードパーティのカンパーニュも対応ケースを発売予定

限られたコストでバランス接続の良さを実現

 パイオニア時代からヘッドフォン設計を担当している同事業本部 商品企画部 HP商品企画課の大類拓也氏は、今回の新モデルについて「もっと手軽にバランス接続、ハイレゾで良い音楽を楽しんでほしい」としており、“本来のステレオ”を楽しめるというバランス接続モデル「SE-CH5BL」を、実売8,500円という低価格で実現したことを説明。

イヤフォンを開発した大類拓也氏

 実際の取り組みについては「部品やコストについては把握していたので、限られた中から、やれることをやろうと企画した。部品素材についても、(コストを)使うところには使う、落とすところは落とす。ただ音には妥協せず、コストと音の両立を目指した」と述べた。

rubatoやprivateなどのプレーヤーと、CH5BLでバランス接続が可能
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