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オンキヨー、バランス対応の小型ハイレゾプレーヤー「rubato」。ESS DAC 2基で4.5万円

 オンキヨー&パイオニアイノベーションズは、オンキヨーブランドのハイレゾ対応ポータブルオーディオプレーヤー新モデルとして、コンパクトながらバランス出力にも対応した「rubato(ルバート)」を3月中旬に発売する。型番は「DP-S1」で、価格はオープンプライス。店頭予想価格は45,000円前後。カラーはブラック(B)。ストレージは16GBで、2基のmicroSDカードスロットにより、全体で416GBまで拡張できる。

rubato DP-S1

 なお、パイオニアブランドの「private(プライベート)」というモデルも同じく3月中旬に発売。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は4万円前後。ESS製DACや2.5mmバランス出力など共通する部分も多い一方で、各ブランドのホームオーディオで培った技術をポータブル機に採用するなど、音質面のチューニングやユーザーインターフェイスなどに違いがある。パイオニアの「private」は別記事で掲載する

DP-S1
再生画面
左側にあるのが2.5mmバランス出力

 オンキヨーの「DP-S1」は、既発売のプレーヤー「DP-X1A」や、AVアンプ/コンポーネントオーディオでのノウハウを結集。94×63×15mm(縦×横×厚さ)というコンパクトサイズながら、「精緻な計算に基づく基板レイアウトによる音楽信号へのノイズ排除や電源のクリーン化、徹底的な素材選定による高音質再生を実現した」という。ハイレゾ音源は、DSD 5.6MHzまでのネイティブ再生のほか、最高192kHz/32bitのFLAC/WAVなどを再生可能。

内部構造

 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)やBluetoothも搭載し、配信サービスのradiko.jpや、tuneInの受信にも対応する。BluetoothのプロファイルはA2DP/AVRCP対応で、音声コーデックはSBCのみ。

 16bit/24bitの音源を32bitまで拡張し、アナログのような滑らかな音質で再生可能という「Hi-Bit」モードを搭載。そのほか、アップサンプリングによってMP3などの圧縮音源も192/176.4/96/88.2kHzに変換し、音楽ストリーミングを含む様々な音源を高音質に再生可能としている。

 DACチップはESS製のSABRE「ES9018C2M」、アンプはDAC部からの伝送をスムーズに行なえるというSABRE「9601K」をそれぞれ2基搭載。DAC部から出力端子までをフルバランス回路設計とし、2.5mm 4極バランス端子も備え、クリアで広がりのある高音質を実現するという。

ESS DACとアンプを各2基装備

 フルバランス回路には、通常のバランス駆動方式に加え、独自のActive Control GND(ACG)駆動方式も採用。BTLバランスモード/Active Control GNDモード/ラインアウトモードから選択できる。ラインアウトモードにも対応したステレオミニ(アンバランス)のヘッドフォン出力も装備。バランス/アンバランス出力端子は、PCMは192kHz/32bitまで、DSDネイティブ再生は5.6MHzまで対応する。

写真の上側にDAC/アンプ部、下側に電源部を配置
ヘッドフォン出力は2.5mm 4極バランスとステレオミニのアンバランスを装備
パイオニアブランドで3月中旬に発売されるバランス対応イヤフォン「SE-CH5BL」との組み合わせ
2.5mmバランス出力も装備

 オーディオクロックは44.1kHz/48kHzの2系統を装備。オーディオ基板内のDAC/アンプをシンメトリーに配置し、オーディオ基板と電気ノイズの多い電源部をセパレート設計にすることで、オーディオ回路へのデジタルノイズの影響を排除したという。

 7ステップの調整で、ジッターノイズの低減を限界まで追い込めるロックレンジアジャスト機能や、SHARP/SLOW/SHORTの3モードから選べるデジタルフィルターも装備する。6個のプリセットイコライザ(Flat/Pop/Rock/Jazz/Dance/Vocal)を用意。また、プリセットを10バンドでカスタマイズして最大3つまで保存できる。楽曲の雰囲気に合わせて5 段階の調節が可能なBass Enhancerも利用可能。

ホームメニュー
アルバムアート表示
10バンドのイコライザ表示
ロックレンジアジャストなどの細かな調整が可能

 16GBの内蔵ストレージと、2つのmicroSDカードスロットを装備。各スロット200GBまでのカードが使用でき、合計で416GBまで拡張できる。

microSDカードスロットを2基装備。操作ボタンも

 今後、インターネット経由でのファームウェアアップデートも行ない、ハイレゾでも容量を抑えられるフォーマットのMQA再生や、e-onkyo musicからのダウンロード機能にも対応予定。これらの機能は、'17年夏のサポートを見込んでいる。

MQA再生や、e-onkyo musicダウンロードにも、ファームウェアアップデートで対応予定

片手操作のタッチパネルと物理ボタン、スマホからの操作アプリも

 2.4型の静電式タッチパネルディスプレイを装備。コントラストの微細な調整も行なえ、視認性を確保できる。コンパクトなディスプレイのため、持ち直すことなくすべてのアイコンと機能に片手でアクセス可能としている。楽曲のサンプリング周波数などの情報も表示可能なほか、アルバムジャケットをフルカラーで表示する「フルサイズアルバムアートモード」も用意。プレイリストの新規作成や曲の追加なども行なえる。

 本体側面に、電源ON/OFFや、再生/曲送り/曲戻しなど、画面を見ずに操作できる物理ボタンを配置。61ステップのボリュームノブにより、細かな音量調整が行なえる。画面ホールド時のボリュームノブと物理操作ボタンのロック/アンロックを個別に設定できる。また、カスタムイヤフォンなどの利用も想定し、調整幅を広くしたゲイン設定(Low/Normal/High)も利用可能。

 iPhone/Android用アプリの「Onkyo DapController」に対応。DP-S1をバッグなどに入れたまま、Bluetooth Low Energy経由でスマホから操作できるアプリで、再生/停止、曲送り/戻し、音量調整などが行なえる。また、Windows PCから楽曲転送できる無償アプリ「X-DAP Link(クロスダップリンク)」を提供する。

スマートフォンアプリ「Onkyo DapController」の操作画面

 ミクロ単位で緻密に計算し、アルミニウムの塊から直接削り出したシャーシを採用。剛性の向上と、抵抗値の低減により、クリアな音質を実現したという。

アルミ削り出しのシャーシ

 ヘッドフォンの最大出力は75mW×2ch(アンバランス)、150mW×2ch(バランス)。全高調波歪率は0.0006%以下。SN比は115dB以上。2.5mm 4極バランス出力端子のアサインは、先端からR-/R+/L+/L-。アンバランス出力は3極で、マイク端子は搭載しない。

 データ転送や充電用のmicroUSB端子を装備。内蔵バッテリ容量は1,630mAhで、連続姿勢は15時間(FLAC 96kHz/24bit アンバランス再生時)。重量は130g。