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Bricasti Design、USB DAC/ネットワーク再生/プリまとめた“ソース・コントローラー”
2017年3月9日 12:03
エミライは、米Bricasti Designの新製品として、USB DACやネットワークオーディオプレーヤー機能を搭載したプリアンプ「M12」を3月下旬に発売する。価格は215万円。Bricasti Designでは“ソース・コントローラー”と名付けている。
入力として、USB、AES/EBU(XLR)、同軸デジタルのBNC、RCA、光デジタル、アナログRCA、アナログXLRバランス、Ethernetを各1系統装備。DACも搭載し、デジタルとアナログ両方のソースを入力できるプリアンプとして機能。Ethernetを経由し、NASなどに保存した音楽ファイルを再生するDLNAのネットワークオーディオプレーヤーとしても機能する。設計は、電源部含め左右独立したデュアル・モノラル構成を徹底している。
USB DACとして動作する際は、PCMが384kHz/24bit、DSD 5.6MHzまでサポート。ネットワークオーディオプレーヤーとして動作する場合はPCMが192kHz/24bit、DSDは2.8MHzまでの対応となる。AES、同軸デジタルでの入力は192kHz、光デジタルは96kHzまでの対応となる。
マルチビットΔΣ方式のDACチップであるアナログデバイセズの「AD1955」を搭載。電流出力型のチップで、低いゲインのI/Vで出力がとれるため、適切な回路設計と組み合わせれば、「THD、ダイナミックレンジ共に近年リリースされたDACチップと比べても優秀な出力が得られる」という。
また、「DSD再生を究極のレベルに引き上げる」とし、アナログ方式のDSD変換回路を搭載。ノイズフィルタリングとレベル制御をアナログ領域で行なうもので、フィルタ処理のためにDSDをマルチビットシグマデルタ信号やPCM信号に変換することなく、純粋なDSD変換プロセスを採用。ノイズフィルタリングとレベル制御のためのすべての後処理は、アナログ領域で行なっている。
デジタルフィルタはDSPを駆使し、自社開発。DACのAD1955にも、DSDをマルチビットΔΣ信号に変調してからアナログ信号に変換する機能があるが、それは使わず、PCM用に独自に開発したリコンストラクション・アンチ・エイリアス・フィルタを使用。DSD信号の変換にも、SHARC DSPチップを使った独自開発のポストフィルタによるリコンストラクション処理を行なう。
これにより、AD1955はモジュレーション処理のみに専念する事になり、高品位なデジタル再生ができるという。リニアフェーズ・フィルターとミニマムフェーズ・フィルターがそれぞれ1種類搭載されている。
デジタル入力部から送られてきた信号のクロックを判別し、内部でリクロッキングし、上流側のクロックジッタの影響を受けない仕組みを採用。AD1955はモノラルモードで利用し、チャンネルごとに独立動作。超低ジッタの水晶発振器であるフェムトクロックもチャンネルごとに配置し、これに DDS(ダイレクト・デジタル・シンセシス/デジタル直接合成発振器)を経由し、「究極の低ジッタ環境を実現した」という。左右チャンネルのクロック同期はデジタル処理基板上に配置されたSHARC DSPで制御している。
1dBステップで90dBの操作幅を持つアナログ方式のボリューム機構を搭載。リモコン制御も可能で、かつ各入力に合わせてボリューム値をプログラムすることもできる。フルバランス・デュアル・モノラル仕様のR2R型ボリュームで、DACのI/V変換出力部の直後にボリューム機構を配置。4つの独立したシグナル・パスを約250個の抵抗で構成されたボリューム機構でコントロールする。
アナログ回路基板にはARLON製のガラス・セラミック含有熱硬化性樹脂「Arlon 25N」を採用。アンバランスの入出力、およびバランス入出力が完全に同じ特性を持つよう設計している。各出力にはそれぞれ独立したバッファを搭載。アイソレーションも徹底した。
基板も左右で独立しており、信号処理回路、アナログ出力回路も左右で独立。それぞれのチャンネル向けに、独立で電力供給する専用電源部も用意するなど、デュアル・モノラル設計を徹底。
筐体を構成する、フロントパネル、リアパネル、サイドパネル、トップパネル、ボトムパネルに加え、ボタンのキャップ部やノブ、リモコンも含め、ソリッド・アルミニウム・ブロックからの削り出し。クロックジッタを抑制するために重要な、振動に対する強さと高い温度安定性、高い放熱性能を兼ね備えたものになっているという。
外形寸法は432×305×115mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は6.8kg。消費電力は28W。
