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Bricasti Design、MHz帯まで増幅するペア400万円のモノラルパワーアンプ
2017年2月22日 11:50
エミライは、米Bricasti Designのフルバランス・モノラル・パワーアンプ「M28 Special Edition」(BRI-M28SE)を2月下旬に発売する。価格はペアで400万9,500円。
先進的な設計手法を導入したというAB級パワーアンプ。「M28」をベースにしながら、「音質および動作安定性を格段に向上させたスペシャルモデル」と位置づけられ、開発にあたっては、旧マドリガル・ラボラトリーズのスタッフが培ってきた設計技術と、最新のプロオーディオ環境での経験が活かされているという。
240,000uFの低ESRコンデンサー・バンクを採用した、強力な電源部を搭載。高リニアリティと、8Ω時で200W、4Ωで400W、2Ωで800Wの大出力を実現。「200kHzまでフラットでMHz帯まで伸びている」超広帯域設計になっているという。周波数特性は10Hz~200kHz。
入力端子はXLRのバランス×1、RCAのアンバランス×1を装備。XLR入力からスピーカー出力まで完全なバランス設計/全段差動伝送を徹底。1つシャーシ上に2つのアンプが存在し、1つの信号経路は反転信号、もう1つは非反転信号に割り当てられる。これらはマッチドペア部品で構成され、厳密に設計された電圧増幅段の完全差動入力で始まる。
その後は、計24個の選別品のマッチドペア・バイポーラトランジスタによる電流増幅段に入る。これらのトランジスタは、各12個ずつが反転信号、非反転信号に使用される。
バランス設計思想は電源設計にも使われ、総容量240,000uFのコンデンサバンクを2基、1つのトランスで2系統の電源供給が行なえる独立2次巻き線トランスを装備。これはSEバージョンの改良点の1つとなる。
消費電力を監視する保護回路はオーディオ信号経路外にあり、保護回路がオーディオ信号の品質を低下させることを防止。増幅段からリアパネルまでの出力信号接続は、#8の撚り銅線の二重線で構成。パス内にあるすべてのコネクタとマウントデバイスには、社内工場で切削加工した銅削り出し部材に金メッキを施したものを使用。金属同士を密着させる形で、コネクタへのケーブルの正確な圧着によって接続。重要な信号経路ではんだが使用されない設計になっている。
高電流の低インピーダンス出力性能を達成するため、スピーカー端子には自社設計・製造品を採用。銅を切削加工し、金メッキ処理を施したもので、端子をリアパネルに取り付けるナットも自社で切削加工。このナットは金メッキされた圧着端子をM28SE内部のコネクタに取り付ける部分にも使われている。
すべての機構部品はアルミニウムブロックから切削加工されたもので、プレス加工した金属部品は使っていない。シャーシのボトムプレートは、1つのアルミインゴットから切削、基板取付ポストも別部品ではなくM28の底面と一体で削り出されている。ヒートシンク側は、76mmのアルミニウムブロックから切削した。
インシュレータには、Stillpoints製の振動アイソレーション・ポストを組み込んでおり、電磁誘導で発生する振動や外力による振動を絶縁している。外形寸法は305×457×356mm(幅×奥行き×高さ)。重量は39.7kg。