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TV市場堅調の背景に非4K TVの価格下落。メーカー4強に変化も。BCN分析
2017年5月8日 15:34
BCNは8日、テレビ市場の販売動向について、'15年3月〜’17年3月のPOSデータの集計を元にした市場分析を発表した。'15年から縮小が続いていた液晶テレビ市場は、'16年3月に販売台数伸び率が前年同月比62.8%まで落ち込んだが、同年9月から'17年3月までプラスが継続。堅調な推移の要因として、4K対応テレビの販売増のほか、(フルHDなど)非4K対応テレビの平均単価下落や、使用耐用年数の経過に伴う買い替え意向の増加が影響したと見ている。
'15年3月時点の4K対応テレビの販売台数を1.00とし、'17年3月までの販売動向を見ると、市場全体の伸び率がマイナスで推移した時期は、4K対応の台数指数も1.00~1.50程度。その後、前年同月比がプラスに転じると、'16年12月には3.54まで伸長。4K対応の売れ行きがテレビ市場全体に大きく影響した。
テレビ市場の主流はまだHD/フルHDで、市場全体に占める4K対応テレビの構成比は3割未満。4K対応以外を非4K対応テレビとし、販売台数伸び率と平均単価をみると、'15年6月以降の台数伸び率は'17年3月までマイナスで推移し、'16年3月は55.9%まで落ち込んでいる。前年割れが続いているが、BCNでは「ここ数か月はマイナス幅が1割前後と小幅。平均単価も'17年3月には約4万円まで下げた。非4K対応テレビの単価の下げが市場回復を後押ししている」と見ている。
メーカーシェアも変化している。'15年3月と'17年3月のメーカー別販売台数シェアを比較すると、パナソニックが10.8%から20.2%、ソニーは13.1%から18.8%に伸長。一方でシャープは41.3%から29.1%、東芝は15.7%から10%にシェアを落としている。Hisenseは4.8%から8.7%へと伸長。こうした状況から、「日本メーカーの4強時代は、徐々に崩れつつある」とした。
この他、2011年のアナログ停波から6年たち、当時の購入者にとって使用耐用年数に近づいたことで消費者のテレビ買い替え意向が高まっていることも、テレビ市場の安定の要因として挙げている。
BCNでは「6年前と比べてテレビの画面サイズは大型化し、ハイブリッドキャストやデータ放送の利用も広まった。海外メーカーの存在感も増しており、ユーザーニーズも多様化している。こうした動きを受けて市場がどう変化するか注目したい」とコメントしている。