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エソテリック、全段フルバランス構成のフォノアンプ「E-02」。65万円

 エソテリックは、フルバランス・フォノアンプ「E-02」を7月20日に発売する。価格は65万円。

フルバランス・フォノアンプ「E-02」

 8年前に発売された「E-03」のフィロソフィーを継承しつつ、「理想的なMCカートリッジの全段バランス伝送・増幅を実現させた」というモデル。増幅する信号レベルが非常に低いフォノアンプでは、ノイズに強く、低インピーダンスで力強く信号を伝送・増幅できるフルバランス回路は、「まさに理想の回路構成」だという。

 トーンアームを接続する入力端子から、MCヘッドアンプ、RIAAアンプ、最終出力段のバッファアンプまで全段をフルバランス構成で設計している。

 電源トランス、電源回路、増幅回路などは、L/Rチャンネルそれぞれに同一のものを独立して搭載するデュアルモノ設計を徹底。チャンネルセパレーションと電源供給能力を高めている。

 微小信号の純度にこだわったMCヘッドアンプは、フルバランスの新設計。NF-CR型のフルバランスRIAAアンプは、RIAA特性±0.2dBと、NF量の低減を両立。高電圧駆動回路により、余裕のあるヘッドルームを確保した。

 バッファアンプには、ハイエンドプリアンプ「Grandioso C1」の技術を投入。電流出力能力が高く、スルーレート2,000V/μsの高性能素子を採用。このバッファ回路をチャンネルあたり2回路搭載し、XLR出力の場合はディファレンシャル(差動)、RCA出力の場合はパラレル(並列)で駆動。瞬間的な電流供給能力を高めている。

 切り替え式の出力端子は、XLRとRCAに加え、独自の伝送方式「ES-LINK Analog」にも対応(XLRとES-LINK Analogは端子兼用)。ハイスピードで強力なHCLD回路の特性を生かした電流伝送方式で、「対応機器のポテンシャルを最大限に発揮する」という。

 入力はXLR(MC専用)、RCA×2(MC/MM)を搭載。RCAも入力以降の全段がバランス伝送となる。負荷インピーダンス、フィルタのON/OFFなどの設定は、入力系統ごとに記憶でき、フロントパネルの大型ロータリースイッチで切り換え可能。

背面

 カートリッジの負荷インピーダンスは9段階(MC:10Ω、50Ω、100Ω、200Ω、300Ω、500Ω、1kΩ、10kΩ、MM:47kΩ)で切り換え可能。

 レコードを約30秒再生すると、MCカートリッジや昇圧トランスの磁化された鉄心を消磁する「DEMAG」スイッチを搭載。レコード盤の反りで発生する低周波をカットするサブソニックフィルタ、モノラル盤の再生に便利なMONOスイッチも備えている。

 筐体にもこだわり、各基板を固定するボトムシャーシにスリット構造を採用、相互干渉を最小とした。素材には剛性の高い重量級肉厚アルミニウムを使い、独自のピンポイントフットにより、外部からの振動の影響も極小としている。前面に備えた2つの大型セレクターノブは、VRDSドライブメカの機構を応用したボールベアリング方式を採用している。

 外形寸法は445×377×131mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.5kg。消費電力は23W。