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Acoustic Research、79,800円の平面駆動型オープンエアヘッドフォン「AR-H1」

 フロンティアファクトリーは、米Acoustic Researchブランドの平面駆動型オープンエアヘッドフォン「AR-H1」を2017年9月末に発売する。価格は79,800円。7月14日から直販サイトで先行予約受付を開始。7月15日、16日に秋葉原で開催されるイベント「ポタフェス 2017」にも出展され、試聴できる。

平面駆動型オープンエアヘッドフォン「AR-H1」

 平面駆動により、「自己インダクタンスがゼロに近づき、フラットなインピーダンス特性を実現する」というヘッドフォン。周波数特性がソースの出力インピーダンスに左右されず一定を保ち、振動板の変形も最小に抑え、音波を平面状に放出。信号に対してリニアに反応するため、「ダイナミックドライバのヘッドフォンでは容易に失われてしまうような微細な音も完全に再現できる」という。

 ハウジングはオープンエア。ドライバのサイズは86mmで、、ネオジウムマグネットを採用。周波数特性は10Hz~60kHz。感度は92dB。インピーダンスは33Ω。

平面駆動型のユニットを採用

 ケーブルは両出しで、着脱も可能。端子は2.5mmの2極。入力端子は3.5mm 3極のステレオミニで、長さは1.2m。標準プラグへの変換アダプタも同梱。なお、入力端子が4.4mm 5極のバランス接続用ケーブルも、別売オプションとして発売予定。価格や発売時期は未定。

 重量は421g、ソフトポーチも同梱する。

ケーブルは両出しで、着脱も可能

音を聴いてみる

 オープンタイプであるため、据え置きのヘッドフォンアンプなどと組み合わせて使う事が多いと思われるが、駆動力の高いポータブルプレーヤーAstell&Kern「A&ultima SP1000」で試してみると、ボリューム値80%あたりで十分な音量が得られる。スマートフォンのHUAWEI Mate 9にも繋いでみたが、こちらは90%程度まで上げる必要があるが、それでも十分な音量は得られた。

 音質的には、平面駆動形らしい繊細な描写が特徴。高域のこもりなどは一切感じられず、女性ボーカルの口の開閉や、アコースティックギターの弦の動きなど、細かな描写がよくわかる。

 しかし、腰高なバランスではなく、低域も思いのほかシッカリと音圧豊かに出る。頭蓋骨を揺さぶるような重低音ではないが、平面型とは思えないほど、高域に負けない低音が出ており、全体のバランスは良好だ。OPPOのPM-1を彷彿とさせる元気の良さも感じられる。

 低域に押し出しの強さがあるため、広大な空間に細い線で音像を描いていくような平面駆動ヘッドフォンとはやや違うタイプのヘッドフォンだ。そこまで音場の広大さは感じない。しかし、中広域の繊細な描写には平面駆動ならではクオリティを、確かに実感できる。