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ソニー、第1四半期決算は大幅増収増益。通期営業利益5,000億円へ
2017年8月1日 16:57
ソニーは1日、2017年度第1四半期(2017年4月1日~6月30日)の連結業績を発表した。売上高は、前年同期比15.2%増の1兆8,581億円。営業利益は同180,5%増の1,576億円。税引前利益は同161.1%増の1,489億円。純利益は同282.1%増の809億円と、大幅な増収増益となった。
テレビを含むホームエンタテインメント&サウンド(HE&S)分野の売上高は、前年同期比8.9%増の2,569億円となった。テレビの販売台数減少があったものの、高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックス改善により、増収。営業利益は同11.6%増の226億円。主にテレビの高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善により、分野全体で増益となった。為替の好影響は2億円。テレビの販売台数は250万台で、昨年の270万台から20万台のマイナス。通期の販売目標は1,200万台(前年比10万台減)。
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野は、売上高が前年同期比5.3%増の3,481億円。営業利益は前年同期比69.7%減の177億円。前年度の9月に実施したPlayStation 4(PS4)のハードウェアの価格改定の影響などがあったが、ネットワークを通じた販売を含むPS4のソフトウェアの増収やPlayStation VRの貢献などで、分野全体で増収となった。通期のPS4販売目標は1,800万台(前年比200万台減)。
営業利益の減益は、「主に前年同期には収益性が高い自社制作ソフトウェアの貢献が大きかったことと、PS4のハードウェアの価格改定の影響」としている。為替の悪影響は24億円。PS4の販売台数は330万台で、前年比20万台減。
デジタルカメラなどイメージング・プロダクツ&ソリューション(IP&S)分野は、売上高が前年同期比27.3増の1,556億円。営業利益は前年同期比209.1%増の232億円。前年同期には熊本地震の影響があったことや、静止画・動画カメラにおいて販売台数の増加、高付加価値モデルへのシフトによる製品ミックスの改善などで増収・増益となった。デジタルカメラの販売台数は125万台で、前年比45万台増。
スマートフォンなどのモバイル・コミュニケーション(MC)分野は、売上高が前年同期比2.5%減の1,812億円と前年並み。営業利益は前年同期比771.3%増(32億円増)の36億円。増益要因は、オペレーション費用や研究開発費を削減したことなどによるもの。スマートフォンの販売台数は340万台で、前年比30万台増。
半導体分野の売上高は、前年同期比41.4%増加し、2,043億円。モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量が大幅に増加したことに加え、前年同期には熊本地震の影響による生産の減少があったため、大幅な増収となった。営業損益は、前年同期の435億円の損失に対し、当四半期は554億円の利益となった。前年に熊本地震の影響があったほか、カメラモジュール事業の製造子会社の譲渡益や、地震にかかわる受取保険金などもあり、大幅な増益となった。
映画分野の売上高は、前年同期比12.3%増の2,058億円。映画製作が減収となったものの、主にテレビ番組制作及びメディアネットワークの増収により増収。テレビ番組制作は、「ラスト・タイクーン」及び「ベター・コール・ソウル」などを含む米国のテレビ番組のライセンス収入が増加したことなどにより、大幅な増収となった。メディアネットワークの増収は、主にインドでの広告収入の増加によるもの。営業損失は前年同期に比べ11億円縮小したが、95億円の赤字。'17年7月公開の「スパイダーマン:ホームカミング」をはじめ未公開作品の広告宣伝費の増加が影響した。
音楽分野の売上高は、前年同期比18.8%増の1,686億円。増収は、主に映像メディア・プラットフォーム及び音楽制作の増収によるもので、モバイル機器向けゲームアプリケーション「Fate/Grand Order」が好調が大きな要因。音楽制作は、主にストリーミング配信売上の増加により増収となった。営業利益は、前年同期比57.6%増(91億円増)の250億円。金融分野は、売上高が前年同期比30.3%増の3,032億円、営業利益は4.8%減の462億円。
2017年度の通期業績見通しも4月予想から若干上方修正。売上高は当初予測に3,000億円プラスで、前年比9.2%増の8兆3,000億円。その他は変更なく、営業利益が5,000億円、税引前利益が4,700億円、純利益が2,550億円。