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JVCが4K/360度カメラ活用のVRを新たな事業に。壁から音が鳴るASKスピーカーも
2017年9月6日 14:47
「IFA 2017」のJVCケンウッドブースでは、JVCブランドのヘッドフォンやビデオカメラ、JVCとケンウッドのカーナビ/カーオーディオに加え、VRを活用した新たなエンターテイメントの提案を行なっている。なお、JVCの4K/HDRプロジェクタについては別記事で掲載している。
参加者が体験できるコーナーとして注目されていたのは、VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)とヘッドフォン、コンテンツに合わせて振動するVR対応チェアを組み合わせた展示。同社は、VRを活用したBtoB向け事業を'17年度内に開始することを目指し、準備しているという。
今回の展示は、IDEALENS製のVR HMDと、JVCのヘッドフォン、タマゴ型のチェアに振動機能も備えたTELEPODを組み合わせたもの。JVCケンウッドが用意した360度VRコンテンツを体験できる。
ビデオカメラなど撮影に関する技術を持つ同社の取り組みとして、コンテンツも独自の制作を検討。その一つとして、車の中に4Kの360度カメラを備え、走行中の周りの風景などを精細な動画で撮影できる技術を紹介している。
搭載する4K 360度カメラは、通常の魚眼レンズとは異なり、周辺解像度が高い点を特徴としている。車載動画の他にも、アメリカンフットボールの会場でフィールドのすぐ近くから観戦しているような体験ができるコンテンツも用意。ヘッドフォンからの音声に加え、椅子からも振動が伝わり、臨場感を高めている。撮影した映像はインターネット経由でアップロードし、HMDで視聴できる仕組みとなっている。
事業化のイメージとして、音楽コンサートなどのライブビューイングを360度のVR映像でリアルタイム配信するなど、VRのトータルソリューションの提供を検討。また、現在は視界を覆うVRだが、同社の持つLCOS技術を活用し、現実の風景と映像を重ねて新たな体験ができるAR(拡張現実)への応用も考えられるという。
Bluetoothヘッドフォンやカーオーディオなど
ヘッドフォンは、日本でSIGNAシリーズとして展開しているハイレゾ対応の「HA-SHR02」などのほか、欧州で特に普及が進むBluetoothイヤフォンなどを中心に展示している。
Bluetooth対応モデルは、スポーツ向けの「AEシリーズ」を展示。「HA-ET50BT」と、「HA-EC30BT」の2モデル。本格的なアスリートを主なターゲットとし、装着性や、素材などにもこだわっている。
また、低反発イヤーピースと丸みのあるデザインが特徴の「Marshmallow」シリーズのネックバンド型Bluetoothモデル「HA-FX39BT」も出展している。
ビデオカメラは、防水/防塵/耐衝撃/耐低温の「QUAD PROOF」に対応した「GZ-RX645」を展示。アウトドアのウェアなどに合わせた新たなカラー展開も採用している。
カーナビ/カーオーディオは、Apple CarPlayや、Android Auto搭載のカーオーディオを中心に展示。また、北欧などの一部の国でアナログラジオを終了する動きがあることなどを受けて、デジタルラジオのDAB+搭載機種の需要も高いという。そのほか、Spotifyなどの対応音楽サービスの操作をスマホからも行なえるBluetooth対応モデルや、ハイレゾ対応モデルも展示。
リボン型のスピーカーや、壁から音が出るカーオーディオも
'15年に子会社化した、車載用スピーカーやアンプを手掛けるイタリア・ASKによる薄型スピーカーシステムを参考展示。フルレンジのリボン型スピーカーを縦に3つ配置しており、背面にあるサブウーファと合わせた構成。製品化の時期は未定。
シアタールームで試聴したところ、リボン型ツイータの精細な描写に加え、ボーカルなどの中域も豊かで、見た目のスリムな筐体からイメージする以上のパワフルなサウンドを体験できた。また、部屋の中を移動しても、聴こえ方が大きくは変わらず、スイートスポットが広い点もユニークだ。このリボン型ツイータは、壁への埋め込み型スピーカーにも使用可能で、縦きだけでなく横向きの設置にも対応するという。
そのほかにも、ASKのスピーカー技術として、壁などの接地面を振動させて音を出すエキサイターも参考展示している。車のシートや、家の壁面の裏側、バスルームなどに設置することで“見えない場所から音が出る”システムを実現可能としている。