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キヤノン、4K/60p対応の最上位ビデオカメラ「GX10」。業務用「XF405」も

 キヤノンは、4K/60pの撮影に対応したコンシューマ向けビデオカメラの「iVIS GX10」と、ベース部は共通の業務用モデル「XF405」、「XF400」の3機種を11月上旬に発売する。直販価格は「iVIS GX10」が248,000円、「XF405」が40万円、「XF400」が35万5,800円。なお、「iVIS GX10」は直販サイト限定販売となる。

4K/60pの撮影に対応したコンシューマ向けビデオカメラの「iVIS GX10」

 「iVIS GX10」はコンシューマ向けで、ハイアマチュア用の新フラッグシップモデルとして展開。「XF405」は3G-SDI端子やXLR端子を備えたモデルで、ローエンドな小型ENGカメラとして放送局などを中心に提案、それらを省いた「XF400」は、企業紹介ビデオや結婚式などのイベント業務などへの展開も想定している。

業務用モデル「XF405」
「XF400」
手前が従来のXF205、奥がXF405。サイズが小さくなったのがわかる

 撮像素子は1インチの新開発センサーで、ENGカメラで初めて、Dual Pixel CMOS AFを搭載。高速かつ高精度なAFが可能で、4KのシビアなAFにも対応できるという。有効画素数は829万画素。

撮像素子は1インチの新開発センサーで、Dual Pixel CMOS AF対応

 4Kは最高3,840×2,160ドット/60pの撮影に対応し、MP4での撮影が可能。カラーサンプリングはYCbCr 4:2:0 8bit、ビットレートは150MbpsのLongGOPに対応する。1080/60p、YCbCr 4:2:0 8bit、35Mbps/17Mbps LongGOPでの撮影も可能。

 SDカードスロットはデュアル仕様で、リレー録画や、独自記録も可能。MP4記録のどの形式でも選択はできるが、どちらのスロットも、同じ形式での記録となる。

 再生時と異なるフレームレートで記録することで、ファストモーション、もしくはスローモーションの効果も利用可能。4Kでは0.5倍~1,200倍、フルHDでは0.2倍~1,200倍のフレームレート設定が可能で、フルHDの0.2倍では、フルHD/120fpsの撮影となる。最高記録ビットレートは、4Kが188Mbps、フルHDが175Mbps。

iVIS GX10
XF405

 HDMI出力も備え、4K/60pでの出力が可能。別売のSSD/HDDレコーダと組み合わせる事で、高画質のまま、ProRes変換ができる。4K/60p出力時は、YCbCr 4:2:0/8bitに対応。30pの際は4:2:2 8bitとなる。XF405のみ、3G-SDIを使い1080/60p、4:2:2/8bitで出力する事も可能。

「iVIS GX10」

 シネマカメラのC300 Mark IIと同等の、ワイドエリアAFを搭載。画面内縦横約80%の広い測距エリアを持ち、高速高精度なAFが利用できるという。顔検出AFも備え、ワンマンでの撮影をアシスト。測距エリアはタッチパネルで、エリア内を移動させ、自在なフレームワークでAF撮影できるという。

 顔検出AFでは「顔優先AF」に加え、「フェイスオンリーAF」を用意。人の顔が検出された時のみ、フォーカスを合わせるもので、例えば人とカメラの間を柱が横切った場合でも、柱にAFを合わせず、柱の影から人が再び現れると、その顔にフォーカスする。

「フェイスオンリーAF」の動作イメージ。カメラと人の間を柱が横切っても、そこにフォーカスを合わせず、人の顔のみにAFする

 Dual Pixel CMOS AFの位相差AF技術を活用し、ピント位置の前ピン、後ピンをアイコンで伝えるガイド機能も搭載した。

 映像処理エンジンはDIGIC DV 6で、2基搭載。新開発センサーの画素ピッチは3.2μmを実現し、DIGIC DV 6との組み合わせにより、高感度と低ノイズ性能を向上。充分照度時のSN比が1.6dB向上、最低被写体照度も1.7ルクス(オートスローシャッターON/シャッタースピード約1/30秒)となっている。

 高輝度部分をなめらかに圧縮し、800%の広いダイナミックレンジを実現する「Wide DR ガンマ」にも対応する。

4K/60pの処理で多くなる発熱を処理するため、エアフローにもこだわっている

 レンズの焦点距離は、35mm換算で25.5~382.5mmの光学15倍ズーム。明るさはF 2.8~4.5。1型CMOSに対応しながら、小型・スリムを実現。9枚羽の虹彩絞りを採用し、自然なボケ形状を追求した。フルHD撮影時は、画質劣化がないというアドバンストズーム機能を使い、765mmまでの高倍率ズームが可能。別売で0.8倍のワイドコンバージョンレンズ、1.5倍のテレコンバーターレンズも用意する。

 5軸の手ぶれ補正機能も備え、4K撮影時でもダイナミックモードが利用可能。歩き撮りでも、画像の歪みを軽減しつつ、安定した撮影ができるという。

5軸の手ぶれ補正機能も搭載

 CINEMA EOSで採用されている、回転式ターレット方式を採用した、小型独立3濃度NDフィルタも内蔵。ND 1/4、1/16、1/64、OFFから選択できる。

各モデルの違い

 撮像素子やレンズといった、基本的な仕様は3機種で共通している。XF405とXF400は赤外カメラに対応している。

 さらにXF405とXF400は、4chの音声収録が可能。内蔵マイク(2ch)で周囲の音を録音しつつ、レポーターのピンマイクに1ch、インタビューを受ける人のピンマイクで1chといった使い方が可能。チャンネルごとに入力設定も可能で、人の声をハッキリさせ、周囲の音は邪魔にならない程度にミックスするといった設定も可能。GX10は2ch収録となる。

 XF405のみの特徴として、3G-SDI端子を装備。XLR端子も2系統備えている。XF405とXF400の違いは3G-SDIの有無。全機種、EVFは搭載している。

XF405
XF405のみの特徴として、3G-SDI端子を装備