ニュース
ソニー、超望遠600mmレンズで世界最速0.03秒AFの「RX10 IV」。1型センサー搭載、動画AF速度2倍
2017年9月13日 13:01
ソニーは、焦点距離24~600mmの光学25倍ズームレンズを搭載し、世界最速とする0.03秒のAFを実現、4K動画撮影も可能な1インチセンサー内蔵デジタルカメラ「RX10 IV」(DSC-RX10M4)を10月6日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は19万円前後。予約は9月20日10時から受け付ける。
大口径高倍率ズームレンズと1型CMOSセンサーを搭載したRX10の新モデル。35mm換算で24~600mmの25倍、ZEISS Vario-Sonnar T*レンズを継承している。明るさはF2.4~F4。RX10 IIIの上位機種に相当し、RX10 IIIも併売される。
315点の像面位相差AFと、コントラストAFを組み合わせたファストハイブリッドAFを、RX10シリーズで初めて搭載。AF速度は1型センサー搭載のレンズ一体型で世界最速とする0.03秒。AF/AE追従の24コマ/秒連写に対応したのが大きな進化点となる。また、高密度AF追従テクノロジーによる高精度/高追従性能もサイバーショットとして初めて搭載した。さらに、バッファメモリの大容量化などにより、連続撮影枚数は249枚まで増加した。
撮影をアシストする新機能として、カメラから3m~∞の範囲にのみピントを合わせる設定が可能なフォーカスレンジリミッターのスイッチをレンズ部に装備。スポーツなどでフェンス越しに撮影するシーンなどに活用できる。また、静止画撮影時にAELボタンをAFに割り当てて親指AFができるAF-ON設定や、被写体が動き出すなど状況が変わっても、最適なAFモードで対応可能というAF-Aモードも新たに搭載した。
人の目にフォーカスする瞳AFも進化。検出精度/速度/追従性能が大幅に向上し、動きのあるポートレートなどでもAF-Cモードで安定して瞳にAF追従し、リズムよく撮影できるという。また、新機能として使用頻度の高いフォーカス枠の位置をあらかじめ登録してすぐに呼び出せる「フォーカスエリア登録」機能や、露出/フォーカス設定/ドライブモードなどの設定値をカスタムボタンから一時的に呼び出す「押す間カスタム設定呼出」、縦位置/横位置ごとにフォーカスエリアとフォーカス枠の位置を使い分けられる「縦横フォーカスエリア切換」にも対応する。
CMOSセンサーはメモリ一体型で積層型の1型、有効2,010万画素のExmor RS CMOSを搭載。映像処理エンジン「BIONZ X」も進化し、高速フロントエンドLSIの搭載により、処理速度が1.8倍高速化。センサーの読み出しスピードを高速化し、動いている被写体の撮影時に生じるローリングシャッター歪みを低減する。
光学手ブレ補正により、4.5段分の補正が可能。RX10 IIIも同数値だが、補正アルゴリズムの進化により、従来よりも効果が向上しているという。
液晶モニタはRXシリーズ初のタッチ操作対応で、タッチフォーカスのほか、ファインダーをのぞきながらでもスムーズにフォーカス位置を移動できるタッチパッド機能に対応。利き手や利き目などに応じて、タッチパッドの動作エリアを9パターンから選択できる。
動画はXAVC Sで、最高3,840×2,160ドットの4K、24/30p、100Mbpsで撮影可能。動画撮影時にもファストハイブリッドAFが利用でき、従来比2倍の高速AFを実現。4K動画のシビアなピント合わせにも、高精度/高追従なフォーカシングが行なえるという。モアレやジャギーを低減するため、4K録画に必要な情報量よりも1.7倍多くの情報をセンサーから全画素読み出しし、4K解像度で記録する。動画の手ブレ補正は、光学+電子併用で回転方向もカバーするインテリジェントアクティブモードに対応している。
動画のプロキシ記録にも対応し、通常の動画とともに低ビットレートのプロキシ動画も同時に記録。撮影後の素材確認や映像編集時の負担を減らし、効率的に作業できる。プロキシ対応により、従来はできなかったスーパースロー映像のスマホへの転送も可能になった。
また、マニュアルフォーカスやダイレクトマニュアルフォーカス撮影時に、ピントが合った部分の輪郭を指定した色で強調するピーキング機能の精度が向上した。その他にも映像制作向けに、ピクチャープロファイル、 S-Gamut/S-Log2/S-Log3、ガンマ表示アシスト、ゼブラ機能、HDMIクリア出力、TC/UB、レックコントロール、マーカー機能に対応。頻繁に使うメニュー項目を最大30個までカスタマイズ登録できるマイメニュー登録も可能。
4~40倍のスーパースローモーション動画撮影にも対応。バッファメモリの容量増加により、撮影時間も撮影時間優先で最長約7秒、画質優先で最長約4秒まで増加した。MOVIEボタンを押してから一定の時間を記録する「スタートトリガー」と、ボタンを押した瞬間から時間をさかのぼって記録する「エンドトリガー」に加えて、さかのぼる時間が半分の「エンドトリガーハーフ」にも新たに対応した。
0.39型で、約235万画素のOLED(有機EL)ファインダー「XGA OLED Tru-Finder」も装備。背面の液晶モニタは3型/144万画素でチルト対応。再生時に、連写したグループごとに表示できるようになり、一覧性が向上している。
レンズ部には、絞り、ズーム、フォーカスの三連レンズリングを装備。絞りリングの下側にも凹凸を設けることで、操作時に指にかかりやすくしている。
無線LANとBluetoothに対応し、NFCやQRコードでスマートフォンやタブレットとペアリングして連携可能。スマホアプリのPlayMemories Mobileを介してペアリングすることで、スマホからBluetooth経由で位置情報を取得し、写真に記録できる。
本体は防塵防滴設計。高倍率/大口径レンズに合わせて最適化したグリップ形状により、特にアイレベルでカメラを構えた時のホールド性が高くなるように設計されている。記録メディアはSDカードとメモリースティック デュオが利用可能。
バッテリ「NP-FW50」での実動画撮影時間は約75分、連続動画撮影時間は約135分。外形寸法は132.5×145×94mm(幅×奥行き×高さ)、重量は本体のみで約1,050g、バッテリとメモリーカード込みで約1,095g。