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マクセル、リアルRGB 400ppi有機ELを実現する蒸着用マスク。JDIと共同開発

 マクセルは、精密電鋳加工技術「EF2(Electro Fine Forming)」による有機ELディスプレイパネル蒸着用高精細ハイブリッドマスクを開発した。スマートフォンを中心とした有機ELディスプレイの量産に向け、ジャパンディスプレイ(JDI)と共同開発したもので、2018年秋からJDIの高精細有機ELディスプレイパネル向けに供給を開始する。

有機ELパネル用ハイブリッドマスク

 現在のスマートフォン向け有機ELディスプレイパネルは、発光セルを間引いて画素形成された、リアルRGB換算350~380ppiレベルのものが多く、リアルRGB 400ppi以上を実現するために、高精細の蒸着マスクのニーズがあった。今回のEF2マスク形成では、開口部の高精度化が可能で、マスク厚さは8μm。400ppi以上の高精細化を可能とする。

 また、インバー材フレームと高精細マスク部が一体化したハイブリッド構造を採用。熱膨張による変形を抑え、蒸着装置への容易な装着が可能となるという。

 現在主流のエッチング加工によるマスクでは、複数枚をミクロン単位の位置精度で貼り合わせ、蒸着装置にセッティングする必要があり、この工程に対応するパネルメーカーは、高度な貼り合わせ技術が求めらる。マクセルの新しい有機ELパネル用ハイブリッドマスクでは、フレーム一体型のマスクを供給することで、パネルメーカー側の工数を削減することができるとする。

 マクセルでは、福岡県田川郡福智町のライフソリューション事業本部において、JDIと共同で有機ELパネル用ハイブリッドマスク量産化のためのクリーンルーム増設と設備導入を進めている。量産開始は2018年秋の予定。今後は、リアルRGB400ppi対応の量産を開始するとともに、リアルRGB800ppi対応の開発を進め、有機ELパネル用ハイブリッドマスクの売上拡大を図る。