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日本初の“フィールド型レコーディングスタジオ”SKYSQUARE誕生。石材の衝突、チェーンソー、花火の音まで収録

ゲームのサウンド開発を行なうAZSTOKEは、山梨県甲州市塩山に大規模フォーリー専用フィールド「SKYSQUARE(スカイスクエア)」を開設。8日から予約受付を開始した。屋内スタジオでは不可能だった、斧による薪割り、木片や石材の衝突音、花火の音など、大規模・高エネルギーなフォーリー収録に対応する、日本初のフィールド型レコーディングスタジオ。オンラインにて見積もりから予約まで完結できる体制も整えている。

【圧倒的質量】SKYSQUARE:4種類の高エネルギー物理収録、開幕。

現代のゲームサウンド制作では、自社内に専用のフォーリースタジオを完備する企業が増加しているが、屋内環境では、物理的なスペースの制約、反響音の限界、そして重量物や広範囲なアクションを伴う収録には依然として壁があるという。

そこで、大規模かつリアルな環境下での収録を実現するため、自然環境をそのままスタジオ化したのがSKYSQUAREの特徴。2,000坪のフィールドに、自ら重機を操り掘削した幅12m、奥行8m、深さ3mの巨大なピットを構築。周囲への不要な音の回折を抑え、狙った衝撃音をよりクリアにキャプチャするため、構造的な工夫を施した。土という自然の吸音材に囲まれた巨大な空間で、様々な音を録音できる。

巨大ピット
巨大ピットの利用風景

収録に使用する重量部材を、独自に確保・ストック。ホームセンターなどでは手に入らない、数トンクラスのコンクリートや巨大な鉄鋼なども用意。これらを使い、破壊音を収録したり、重量物を落下・移動させるには危険が伴うため、AZSTOKEの中島代表は計14の専門資格を保有。資格保持者が重機を操り、重量物を操作してくれる。

収録は、物理的な質量と空間のダイナミクスを重視し、4つのカテゴリーから選択可能。

「軽量(Light)」は、靴、斧、鉄、木片、コンクリート塊と、人間が直接手に取って扱える素材を対象としたカテゴリー。一般的なスタジオでは再現が難しい「広大な屋外の空気感」を含んだ収録が可能。自然な土、砂利、草地といった多様なサーフェスでの足音や、斧による薪割り、木片や石材の衝突音などを、不要な反射音を抑えたピュアな状態でキャプチャできるという。

「重量(Heavy)」は、人が持てない重量物、岩石、大型鉄鋼、巨大な倒木を活用。重機を用いて操作する巨大な岩石、重厚な金属塊、大径の倒木など、人の力では制御不能な質量のサウンドを対象とし、これらを叩きつけ、破砕し、あるいは引きずることで発生する「地面を揺らす本物の重低音」を安全かつダイナミックに記録できる。

「電動(Electric)」では、チェーンソー、グラインダー、ドリル、大型電動工具全般を活用。チェーンソーやグラインダーといった高回転モーターが放つ剥き出しの駆動音や、素材を削り取る際の激しい摩擦音を、電源完備のオープンエア環境で収録。ノイズフロアを極限まで抑えつつ、工具本来のパワーとメカニカルな質感を至近距離でキャプチャ。「リアリティを追求するゲーム制作や映像作品において、妥協のない“本物の駆動サウンド”が録音できるという。

「属性(Element)」では、焚き火、火炎放射器(バーナー)、小花火、大花火、氷(冬季限定)が対象。薪が爆ぜる繊細な焚き火の音から、夜空を突き抜ける花火の爆鳴、ガスバーナーの鋭い燃焼音まで、開放的な屋外空間だからこそ可能な火の表現を追求。冬季には土地の気候を活かした氷の音も収録できる。