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ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け

 ヤマハ発動機は、農業で活用できるドローンなどの新製品を発表。一定の間隔でのターンや等間隔での飛行が手軽に行なえ、薬剤散布などの精度を高めた無人ヘリ「FAZER R」や、水田で遠隔操作できる除草剤散布用無人ボート「WATER STRIDER」などを発売する。いずれも、10月11日~13日に幕張メッセで開催される「第4回国際次世代農業 EXPO」で参考展示する。

ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け 除草剤散布用無人ボート「WATER STRIDER」
除草剤散布用無人ボート「WATER STRIDER」

無人ボート「WATER STRIDER」

 2018年2月に発売予定の「WATER STRIDER」新モデル。水田を遠隔操作で航走し、除草剤を散布できる。着脱式カセットタンクでスピーディな薬剤補給ができ、軽量ボディと艇体形状による優れた滑走性と旋回性を備えているのが特徴。水深5cm以上で滑走できる。

 2018年モデルは、新たに、ジャイロを搭載し、スムースな航走と疲労度低減を実現。薬剤吐出量バルブの変更や、ホログラム織り込みによる船体の視認性向上、プロペラの耐久性向上なども実現している。

二重反転ローター搭載ドローン

 2018年販売予定の産業用マルチローター(ドローン)のプロトタイプ「YMR-01」を幕張メッセに参考出品する。二重反転ローターと最新の軽量化技術を融合させ、高品質な薬剤散布が可能になるという。

ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け 産業用マルチローターのプロトタイプ「YMR-01」
産業用マルチローターのプロトタイプ「YMR-01」

 6軸ローターの左右2軸を“上下二重反転”とする8枚ローター式を採用。適切な降下気流を生み出し、二重反転軸近傍に散布ノズルを配置する事で、作物の根本まで均一に薬剤を届けられるという。

 製品提供だけでなく、オリジナルのフライトシミュレーターなどを活用した実践的な教習サービスも用意する。

ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け 右が「YMR-01」。左右の2軸が“上下二重反転”になっている
右が「YMR-01」。左右の2軸が“上下二重反転”になっている

農業向けハイエンド無人ヘリコプター「FAZER R」

 無人ヘリコプター「FAZER R」は、12月1日に発売予定で、価格は1,190万円。農業向けハイエンドモデルとなる無人ヘリコプター。

ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け 無人ヘリコプター「FAZER R」
無人ヘリコプター「FAZER R」

 2018年モデル最大の特徴は、「ターンアシスト機能」を標準搭載した事。散布スイッチのオン・オフ操作だけで、一定の散布間隔でのターンや、等間隔での飛行ラインおよび飛行速度維持を行なえるもの。個人の飛行技量によらず、散布精度の向上が可能とする。

 「FAZER R」は2016年11月から、クラス最大となる32L薬剤搭載が可能、薬剤・燃料無補給で4haの散布が可能なモデルとして発売しているが、2018年モデルはその基本性能を受け継ぎながら、操縦の簡素化と散布精度の向上を実現している。

ヤマハが水田を滑走する無人ボートや二重反転ローター搭載ドローン開発。農業の薬剤散布向け 「ターンアシスト機能」で、等間隔で高精度な飛行が可能
「ターンアシスト機能」で、等間隔で高精度な飛行が可能