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Oriolus、“マルチアンプスピーカーと同じ再生構造”のリファレンスIEMシステム
2026年6月15日 14:00
オリオラスジャパンは、イヤフォンを本格的なマルチアンプスピーカー構造と同様の音響システムとして再定義したというリファレンスIEM(インイヤーモニター)システム「Traillii Ultra IEM System」を、6月13日に発売した。価格はオープンで、市場想定価格は1,593,900円前後。
「イヤフォンをどう鳴らすか」という従来の発想を超え「音をどう整え、どう扱うか」から設計したというIEMシステム。2020年に発売したハイブリッドカナル型「Traillii JP」がベースのイヤフォン部と、専用アンプ「DPA10」がセットになっている。
従来のパッシブ型マルチドライバーIEMとは異なり、帯域分割と駆動をアンプ側で能動的に制御することで、各ドライバーをより理想に近い条件で動作させることを目指して開発した。
従来のマルチドライバーIEMでは、多くの場合DAPやアンプから出力された信号は、イヤフォン内部のパッシブネットワークで分割され、各ドライバーへ送られる。しかし、「この方式は小型化と汎用性に優れる一方で、帯域間の相互干渉、インピーダンス変動、位相の乱れ、ドライバーごとの駆動条件のばらつきが発生しやすくなり、時には意図しない過度な変質を起こしてしまう」という。
Traillii Ultra IEM Systemでは、小型化よりも音を正しく扱うための統合型イヤフォンシステムを目指して開発。イヤフォン内部で分けるのではなく、専門のDSPにより精密に分割された低域・中域・高域を、それぞれ専用のアナログアンプ回路で独立して各ドライバー群へ届けることで、それぞれのドライバーを理想的な条件で制御。「強調を抑えた音楽の構造、定位、階調、余韻をそのまま耳に届ける本質派に向けたモデル」とのこと。
専用イヤフォンは、ESTドライバー×4、バランスド・アーマチュア(BA)ドライバー×10の片側14基ドライバー構成を採用する。内訳は高域にEST×4とBA×2、中域にBA×4、低域BA×4。各帯域に求められる役割に合わせてドライバー構成を最適化し、低域・中域・高域それぞれを独立した増幅回路から駆動。帯域ごとの負荷特性に合わせて制御することで、各ドライバーの能力をより自然なかたちで引き出している。
再生周波数帯域は10Hz~40kHz、感度は109dB、帯域別インピーダンスは高域4Ω、中域64Ω、低域36Ω。
専用アンプのDPA10には、32bitオーディオ専用DSPによるデジタル3ウェイクロスオーバーを搭載。3.5mm/4.4mm/RCA(LR)のアナログ入力を備え、ここから入力された信号は増幅前に低域・中域・高域に分割される。
この処理を専用の32bit DSPのデジタル領域で行なうことで、クロスオーバーポイント、フィルター特性、帯域ごとの出力バランス、位相整合を高い精度で管理する。
各帯域の信号は左右それぞれに分けられ、合計12系統のアナログ信号として出力。この信号は2段構成の完全独立アナログ回路に送られ、各帯域は専用のアナログ増幅回路とバッファ回路を通過し、それぞれのドライバー群はまったく別のパワーアンプで駆動される。
これにより高いダイナミックレンジを確保し、低歪みを実現。OPアンプ+BUF634バッファ構成にすることで各ドライバーにかかる負荷を低減することで「音量の大小だけでなく、微細な強弱、立ち上がりや余韻の消え際まで、より余裕を持って描き出すことができるようになる」という。
低域・中域・高域それぞれに対応する3つのゲイン調整トグルも搭載。専用3ウェイIEMを理想的な条件で駆動することを目的に設計されているが、接続するDACやDAP、入力レベル、ユーザーの特性やリスニング環境によって生じるわずかなバランスの違いを微調整し、本来目指す理想的な再生状態へ近づけるとのこと。
入力端子、出力端子、ケーブル、コネクタに至るまで、信号経路全体を音質設計の一部として扱っているのも特徴。RCA/3.5mm入力は最大2.0Vrms、4.4mmバランス入力は最大4.0Vrmsに対応し、ポータブル環境だけでなく、リファレンスDACとの接続にも対応する。
イヤフォン側には専用の6ピンコネクタを採用した。低域・中域・高域を独立して伝送するための専用構造で、一般的な2pinやMMCXとは異なる設計思想に基づくもの。ピンは伝送能力と接続安定性を重視した太めの仕様で、接触面積、保持力、信号の安定性に配慮。
またアンプ側には、プロフェッショナル機器の分野でも安定性と信頼性が重視されるヒロセコネクタを採用。確実な接続、堅牢な固定、長期使用における安心感を提供する。
こうした本格的な再生構造を採用しつつ、持ち歩きにも対応。「日常的な携帯性を最優先したモデルではない」としつつも、6,000mAhのバッテリーを内蔵し、約9時間の連続再生ができる。充電時間は急速充電時で約3時間、通常充電時で約5時間。外形寸法は160×90×22mm、重さは約443g。
「長く使うリファレンスイヤフォンを自身の所有物として最終的に完成させるためのサービス」として、購入後にイヤフォン本体の色や模様といったデザインを無料で変更できる購入者向けサービスも用意した。
パッケージは、深みと艶のある朱色の紀州塗りを採用。日本の漆工が丁寧に幾重にも塗り重ねた深みとツヤのある朱色はベースとなった「Traillii JP」を彷彿とさせながらも、漆塗り技法のように連綿と引き継がれてきたOriolusのフラッグシップの確かな血筋を暗示させるという。
付属品はシステムとしての使用を想定したスタック用バンド、専用クリップ、L字型4.4mm接続ケーブル、アンプ用レザーケース、Oriolusイヤピース各サイズなど。上蓋には、ひとつひとつ丁寧に検品したことを示すシリアル番号が刻印される。







