ソニー、FeliCa対応新BRAVIAの新機能を紹介

-画質、佇まい、環境から新しいTVの楽しみ方を訴求


4月24日発売

標準価格:オープンプライス


 ソニーは2日、4月24日に発売する液晶テレビ「BRAVIA W5/F5シリーズ」の説明会を開催した。BRAVIA W5/F5の画質や、アクトビラ ビデオ・フル対応などのネットワーク機能、FeliCa対応などの特徴をデモを交えて解説した。

BRAVIA W5BRAVIA F5
ソニーマーケティング ディスプレイマーケティング部 粂川統括部長

 ソニーマーケティング株式会社 ディスプレイマーケティング部の粂川滋 統括部長は、「昨年来の厳しい経済環境の中で先行きが危ぶまれているが、直近のデータでも台数ベースではまずまず堅調。薄型テレビの需要は底堅い」とし、「画質」、「たたずまい」、「環境」のBRAVIAの3つのこだわりを説明した。

 これらのこだわりを軸に商品展開するが、想定するターゲット層として「ブラウン管買い替え需要」、「先進的なユーザーの買い替え需要」の2つをあげ、そのうち、ブラウン管からの買い替え需要については、2月に発売したV5/J5シリーズを訴求。そして、既存の液晶テレビユーザーや2台目、3台目の買い替え需要に向けた新製品として、BRAVIA W5/F5を紹介した。


BRAVIA W5/F5のターゲット4倍速/240Hz駆動による残像低減をアピールEdyを利用したかんたん決済もアピールしている

 高画質という点では、4倍速/240Hz駆動によるなめらかな動画表現をアピール。さらに「新しいテレビの楽しみ方」として、アクトビラ ビデオ・フルやFeliCa対応リモコンなどの特徴を紹介。Edyによる決済の簡略化など、アクトビラの使いやすさ向上などのメリットを訴えた。

 また、携帯電話からの写真やメールをBRAVIAで表示する「ブラビアポストカード」についても紹介。テレビの販売店やauショップなどでもKDDIと連携してプロモーションを図り、「テレビの新しい使い方を積極的に訴え、市場拡大にまい進する」と語った。

BRAVIA W5/F5のコンセプト「ブラビアポストカード」機能も搭載しているauと共同でプロモーションを実施

 また、ソニー テレビ事業本部 商品企画部統括部長の熨斗谷泰司氏は、「消費者の嗜好は変わってきており、もちろん(BRAVIA XRシリーズなど)プレミアムを払っていただけるお客様もいるが、2台目、3台目となると着眼点がかわる。環境であり、デザインから選ぶ人などライフスタイルが多様化している。アクトビラやFeliCaなど「窓口」を増やしたことも、市場調査の結果に基づくもの。テレビの新しい楽しみ方を訴える」と、新モデルのコンセプトを紹介した。



■ Edyでアクトビラを活用促進。FeliCa機能の応用展開も

 発表会の会場では、BRAVIA W5/F5の4倍速駆動やFeliCa対応などの新機能が紹介された。

おき楽リモコンの下部にFeliCaリーダ/ライターを内蔵右が新おき楽リモコン。アクトビラボタンや、スキップボタンの追加で使い勝手を向上している

 FeliCa機能については、2.4GHz帯の無線を使った「おき楽リモコン」にリーダ/ライターを内蔵。決済時などにはテレビとリモコンの双方向通信が必要となるが、従来の赤外線伝送リモコンでは実現できない。そのため、今回のBRAVIA W5/F5ではおき楽リモコンのみが付属している。

 また、FeliCaリーダの内蔵によりリモコンのボタンレイアウトも変更。新たにアクトビラ用のダイレクトボタンが追加されたほか、リモコン下部蓋には新たにスキップ、バックボタンを装備。ブラビアリンク対応のレコーダなどの再生操作を容易にしている。

 FeliCaのデモでは、電子マネー決済により、クレジットカード番号入力の手間を省ける点などをアピール。現在の電子マネー決済は、ビットワレットの電子マネー「Edy」と、ソニーファイナンスインターナショナルが発行するネット決済対応のクレジット「eLIOカード」が対応している。


Edy/eLIO決済機能を追加

 電子マネー決済では、アクトビラの会員登録も不要で、コンテンツを直接選択してEdy/eLIOで決済できるためコンテンツ購入が大幅に簡単になっている。アクトビラ内のTSUTAYA TVについては課金システムが異なっているため、現時点では対応できていない。

 なお、日本国内ではプリペイド型の電子マネーとして、FeliCa技術が広く使われており、JR東日本による「Suica」や地下鉄などで利用できる「PASMO」、イオングループの「WAON」、セブン&アイホールディングスの「nanaco」などがある。Edy/eLIO以外の電子マネーへの対応については「技術的には可能(B2Bソリューション事業本部 FeliCa規格開発部門 川西泉部門長)」という。また、アクトビラ以外のオンラインサービスについてもアプリケーションが用意できれば対応は可能とする。

 今後の展開としては、たとえばBRAVIAでテレビ放送やネットからクーポンを取得し、それをFeliCaリーダを介しておサイフケータイ対応の携帯電話側にダウンロード。おサイフケータイをクーポンの店舗などでかざして、割引サービスを受けるなどの展開も計画しているという。


■ チューナも強化。システム展開で差別化も

写真用の画質モードも、フォトオリジナル、フォトスタンダード、フォトカスタムなど4種類を用意

 また、ブラビアポストカードやフォトビューワ機能のデモも実施。フォトビューワについては、専用のJPEGデコーダを内蔵したことで、約4,000×2,000ドットのJPEG画像を2秒弱で表示するなど、従来比で約4倍の高速処理を実現。スライドショー表示も大幅に高速化した。画質モードも写真専用の4モードを用意するほか、スライドショー用に3曲をプリセット。音楽付きのスライドショーが簡単に楽しめるようになった。

 ネットワーク機能については、アクトビラビデオ・フル対応とともに、ソニールームリンクのAVC番組対応もアピール。Blu-rayレコーダで録画したMPEG-4 AVC/H.264番組をネットワークを介して再生できるなど、使い勝手の向上を図っている。

 なお、今回発表したBRAVIA W5/F5と、2月に発売したJ5/V5のいずれもソニー製のシリコンチューナを内蔵。2008年7月に技術発表していたもので、自社製シリコンチューナICとデジタル放送対応の復調機能のほか、地上アナログの復調機能とゴートリデューサまでを1チップ化した新開発ICを採用。感度の向上だけでなく、耐妨害特性を改善したことで、難視聴地域などでの受信性能を大幅に高めているという。

マルチパス耐性を高めた新チューナにより、従来より受信性能を向上している新開発のシリコンチューナ左が従来のチューナ、右が新シリコンチューナ。筺体も小型化された

 新モデルとともに、シアタースタンド 3モデルや、フロントサラウンドシステム「HT-CT500」なども4月24日より順次発売。スタンドは本体の背面2カ所を斜めにカットしたデザインによりコーナー設置などを可能とするなど、消費者の声を反映し、BRAVIAとともに訴求していくという。

シアタースタンドやフロントサラウンドシステムも順次発売40/46型に設置可能な「HT-CT500」を別売の壁寄せスタンドと併用50型以上も設置可能な「RHT-G1550」

(2009年 3月 2日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]