ローランド、簡易DAWシステム「SONAR V-STUDIO 100」

-オーディオI/Fと「SONER VS」をパッケージ。実売7万円


発表会に展示された「SONAR V-STUDIO 100」

6月下旬発売

標準価格:オープンプライス


 ローランド株式会社は22日、「Cakewalk by Roland」ブランドの新製品としてオーディオインターフェイス、リニアPCMレコーダ、デジタルミキサー、フィジカルコントローラの各機能を併せ持つハードウェアと、音楽制作ソフトである「SONAR VS」を組み合わせた「SONAR V-STUDIO 100」を開発し、デモを兼ねた発表会を開催した。6月下旬の発売を予定。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は70,000円前後の見込み。

 SONAR V-STUDIO 100は音楽制作に必要なハードウェアとソフトウェアをセットにしたオールインワン・パッケージで、2月に発売された「SONAR V-STUDIO 700」の下位モデルという位置づけ。

バンドルされている「SONAR VS」

 V-STUDIO 700が業務用のシステムであったのに対し、V-STUDIO 100はエントリーユーザーから利用できるシステムとなっており、バンドルされるソフトウェアも「SONAR VS」という「SONAR 8」の機能縮小版となっている。

 V-STUDIO 100の最大の特徴はそのハードウェアにある。282.0×180.8×70.2mm(幅×奥行き×高さ)というサイズの機材にさまざまな機能が凝縮されている。

 USB接続のオーディオインターフェイスであり、最高24bit/96kHzに対応した8イン6アウトという仕様。入出力には2系統のファンタム電源付きマイク入力をはじめ、ギター/ベースをダイレクトに接続できるHi-Z入力、デジタル入力、さらにはMIDIなど多彩なコネクタを装備している。

 また6系統のアナログ入力部には独立した3バンドのEQとコンプレッサを実装し、PCに負担をかけることなく高音質なレコーディングを実現している。

USB接続のオーディオI/F。豊富な操作子を備えるフロント。SD/SDHCスロットも搭載する

リア

 PCと接続している状態において、フィジカルコントローラとして利用することが可能。トップパネル右側にはタッチセンス付きの100mmのモータードライブフェーダーが搭載されているほか、ロータリーエンコーダ、アサイナブル可能なノブ、ボタンなど、豊富な操作子を備えており、バンドルされるソフトウェアであるSONAR VS、さらにはSONAR 8などをコントロールすることができる。

 一方、このハードウェアはスタンドアロンでも動作し、リニアPCMレコーダおよびデジタルミキサーとしても機能する。フロントパネルにはSD/SDHCスロットを搭載しており、ここにWAVファイルを収録したSD/SDHCカードを挿しておくと、そのWAVファイルを再生すると同時に、マイクやギターなど、このハードウェアに入力された音を別のWAVファイルとして録音できる。また、デジタルミキサーとして利用した場合は、8チャンネル入力の機材として使用可能。

発表会でのレコーディングの様子

 今回の発表会においては、予めSONAR VSで作成し、仮ミックスしたWAVファイルをSDカードに入れ、スタンドアロンの環境で再生させると同時にギターやボーカルをレコーディング。

 その結果を、改めてPC側で読み込んでSONAR VSのトラックに貼り付けてミックスするという手順が披露された。ちょうどカラオケに合わせて弾いたギターを録音し、後でPCでミックスさせるといった感じだが、いわゆる同期作業などは不要であり、手順は非常に簡単なものとなっていた。


そのほかに、「VS Production Pack」もバンドルする

 なお、ソフトにはSONAR VSとともに多くのエフェクトおよびソフトシンセのプラグインをセットにした「VS Production Pack」もバンドルされる。

 この中にはボーカル用のエフェクトである「VS-64 Vocal Strip」やドラム、ベース、ストリングス、エレクトリック・ピアノの音源をセットにした「Studio Instruments」などSONAR 8にもバンドルされていないプラグインが収録されている。



(2009年 4月 23日)

[Reported by 藤本健 ]