ゼンハイザー、新フラッグシップヘッドフォン「HD800」
-実売15万円前後。56mm径のリング状ユニットを採用
ゼンハイザー・ジャパンは、フラッグシップヘッドフォン「HD800」を6月中旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は15万円前後の見込み。
HD800 |
オープン型のダイナミックヘッドフォンで、同社が培ってきたヘッドフォン開発のノウハウを集約したというフラッグシップモデルとなる。新開発のリング形状ドライバーの採用などが特徴で、開発には約7年かかっているという。設計組み立てはドイツのゼンハイザー本社で行なっており、1日に40台程度生産している。
周波数帯域は6Hz~51kHz(-10dB)/14Hz~44.1kHz(-3dB)、出力音圧レベルは102dB。インピーダンスは300Ω。
HD800 | かなり大きいハウジング |
装着例 | パッケージ |
HD650(左)とHD800のドライバの比較(右) |
最大の特徴は新開発のドライバーユニット。ヘッドフォン史上最大というリング状の56mm径トランスデューサーや、40mmのアルミコイルと42mmのマグネットシステムから構成される。中央部をくりぬいたリング形状の新しいトランスデューサーの採用により、不要なスプリアスを徹底排除し、豊かな音の響きや自然な音場再現が可能となるという。
世界最大という56mm径ドライバーを採用 | リング状のトランスデューサーにより不要な振動を抑制 | ドライバユニットの構造。左からシャーシ、精密マグネット、リング状トランスデューサ、プロテクター |
主要な構成パーツ |
バッフルもステンレスメッシュが付いた新しい曲線状のものを採用。ヘッドバンドは金属製でダンビングエレメントを内蔵。バランスを後頭部側にずらすことで、耳に最適の状態でフィットするよう工夫を施しているという。イヤーパッドの素材には、アルキャンタラ材を採用している。
重量は330g。ケーブルは着脱式で、左右両出し。ケーブル長は3m。プラグはステレオ標準で、金メッキ加工を施している。
ハウジング部。バッフルにはステンレスメッシュを採用 | イヤーパッドにはアルミキャンタラ材 | ヘッドバンドにはシリアルナンバーも |
ケーブルは脱着式 |
プラグ部には金メッキ加工 | パッケージに収納 |
ゼンハイザージャパン 久保社長 | ゼンハイザー モーリス・クルレ氏 |
HD800の発表会は、フジヤエービックが実施した「春のヘッドフォン祭2009」会場内で開催された。
ゼンハイザージャパン株式会社の久保省三社長は、Sennheiserのヘッドフォン、トランスデューサー開発の歴史に言及。「その技術を集約した最高のヘッドフォン」とアピールした。
HD800のプロダクトマネジャーであるモーリス・クルレ氏は、初のオープン型ヘッドフォン「HD414」からの同社のヘッドフォン技術の進化に触れ、HD800のリング形状ドライバーなどの特徴を紹介。リング形状ドライバについては、'94年にアイデアを考案、2002年のプロジェクトスタート後、7年の歳月をかけて完成したという。HD800のコンセプトを「パーフェクト」とし、「最高のヘッドフォンが完成した。ぜひ聞いてみてほしい」とアピールした。
(2009年 5月 11日)
[AV Watch編集部 臼田勤哉]