富士通フォーラムで、145型「篠田プラズマ」が参考展示

-5月14~15日に東京国際フォーラムで開催


プラズマ・チューブ・アレイを採用した145型次世代ディスプレイ

会期:5月14日~15日

会場:有楽町・東京国際フォーラム

入場料:無料(事前申込制)

  富士通株式会社は、5月14~15日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催する「富士通フォーラム2009」において、篠田プラズマのモジュールを使った145型相当の次世代型フィルムディスプレイを展示する。開催前の12日、プレス向けに事前公開が行なわれた。

 「富士通フォーラム」は、富士通グループの技術関連プライベートショー。入場は無料だが、事前の申込が必要となる。

 145型のフィルムディスプレイは、会場中央部にある「富士通のスポーツへのチャレンジ」展示コーナーにおいて、富士通のスポーツへの貢献とともに、大画面で映像を紹介するソリューションのひとつとして参考展示。一般来場者が見られる形での展示となる。

曲げられる特性を活かし、円柱などへの設置も期待されている

 このディスプレイは、篠田プラズマが開発した1m×1mのプラズマ・チューブ・アレイモジュールを組み合わせて、縦2m、横3mの145インチ相当とし、電源モジュールや制御基板などを組み込んだもの。富士通の子会社である富士通フロンテックが試作した。

 プラズマ・チューブ・アレイのフィルムは、薄さ1mmだが、ディスプレイとしての強度を持たせるためのアルミの骨組みや、電源モジュールなどを加えるため、試作品の最薄部は14mm程度となっている。また、基板などを収納している部分では約50mmの厚さとなる。

 また、重量もフィルム部だけではプラズマパネルの10分の1だが、強度を持たせるための改良により、試作品の総重量は約210kgとなっている。

フィルムの薄さは1mmだが、強度を持たせるために試作品の最薄部は150mmとなっている背面には基板や電源モジュールなどが収められている

 試作品のため価格は決定していないが、「1,000万円を遙かに超えることになり、今後の量産効果によって価格が下がることになる」としている。
 
 プラズマ・チューブ・アレイを採用した次世代ディスプレイは、従来型のフラットパネルディスプレイの半分以下の低消費電力であり、AC100Vの家庭用電源の使用が可能。さらに、 R3.0mまでの曲面への適用が可能で、表示部を円柱などに設置したり、壁などに貼り付けるといった活用も期待されている。

 富士通では「可搬性、デザインなどの制限から、従来のディスプレイでは利用できなかった空間での使用が可能となる。商業利用シーンにおけるソリューション提案を進めていく考えで、大型表示、低消費電力、曲面表示、軽量化といったメリットを活用し、バーチャル水族館や緊急対策用モニターとしての利用といった提案も行ないたい」としており、来年度中の商品化を目指している。


(2009年 5月 12日)