McAUDI、バランス構成で約40万円のヘッドフォンアンプ

-TI製24bit DACバランス使用などDAC内蔵プリアンプも


ヘッドフォンアンプのM-81。上がバランスタイプ、下がジャックヘッドフォンタイプ

6月より順次発売

標準価格:
 「ヘッドフォンアンプ バランス型」:39万9,000円
 「ヘッドフォンアンプ ジャック型」:34万6,500円
 「DAC内蔵プリ」:115万5,000円

  第一通信工業株式会社は、オーディオブランド「McAUDI」の新製品として、ヘッドフォンアンプ「M-81」6月に発売。DAC内蔵プリアンプ「M-51」を7月に発売する。アンプは「バランスヘッドフォンタイプ」とアンバランスのイヤフォン出力を備えた「ジャックヘッドフォンタイプ」の2種類を用意し、価格はバランスが39万9,000円、ジャックが34万6,500円。「M-51」は115万5,000円。


■ ヘッドフォンアンプ

 アナログ回路を全てバランス構成としているのが特徴のヘッドフォンアンプ。出力には自社製ディスクリートモジュールを使用している。

 入力はバランス(XLR)、アンバランス(RCA)の2系統で、入力ごとに0.5dBステップのトリムによるプリセットゲイン調整機能付き電子ボリュームを採用。ボリュームパーツには、シーラスロジックの高級パーツである「CS3318」を採用。通常2chで1組のパーツをバランス使用するため2組内蔵。1組で1chを使用しており「最高性能を実現した」という。

 アナログ電源はディスクリートシャントレギュレータから供給。コントロール系は光アイソレータで分離し、コントロールCPUからのノイズを遮断している。アナログ回路用電源には、L/Rで単独のプッシュプル回路を使ったローノイズ電源を採用。デジタル回路用にはローノイズレギュレータを使用している。

 出力はバランス出力タイプが、XLRを1系統。R側の端子はアンバランスのイヤフォンジャックを兼用している。アンバランスタイプは標準プラグのみ用意する。

 周波数特性は10~150kHz(+0/-0.3dB)。入力インピーダンスは50KΩ。最大入レベルは 10Vrms(歪率0.01%以下/バランス)、5Vrms(歪率0.01%以下/アンバランス)。歪率0.0005%以下(1kHz/バランス入力バランス出力タイプ)、0.001%以下(20~20kHz)。S/N比は115dB以上。チャンネル・セパレーションは130dB以上(1kHz)、115dB以上(20~20kHz/バランス)、70dB以上(20~20kHz/アンバランス)。消費電力は25W。外形寸法は332×325×80mm(幅×奥行き×高さ)。重量は12kg。



■ DAC内蔵プリ

M-51。下は背面。外部クロック入力も備えている
 DAC部には、TI製の24bit DAC「PCM1792A」を2個搭載し、バランス出力として使用。同DACには8倍のオーバーサンプリングデジタルフィルタも内蔵している。また、各IC単独に、超低雑音レギュレータを使用して電源供給することで、性能を最大限発揮させているという。対応サンプリング周波数は44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz。

 復調されたクロックは、VCXOによる2ndPLL回路でジッタを最小にしたクロックを生成してDAC-ICに送る。同回路用に電源を別巻線で作成し、回路のブロックごとに超低雑音レギュレータを使用。ジッタの最小化に努めている。クロック入出力は超高速GMRアイソレータによりグランド分離を行ない、クリーンなクロックをDACに供給している。また、外部クロック入力端子も備えている。

 プリ部は、バランスとアンバランスの入力を装備。前述のヘッドフォンアンプと同様に、高級電子ボリュームのシーラスロジック「CS3318」を2組、バランスで使用している。アナログ電源はディスクリートシャントレギュレータにより供給。コントロール系は光アイソレータで分離し、コントロールCPUからのノイズを遮断している。

 アナログ回路はフルバランス構成。IV変換回路、LPF回路には低雑音、超低歪率のシングルOPAMPを使用。出力には自社製ディスクリートモジュールを使っている。デジタル入力インターフェースICには、低ジッタクロック出力(50ps)のICを使用している。

 シャーシは無磁気BA材ステンレスを採用。回路ブロック台には5mm厚アルミ板、トランス台には人工大理石を使い、非磁性高剛性構造としている。インシュレータには、薄板を幾重に重ね樹脂を注入しながら高圧縮させた「コムブライト」を使っている。


2.4GHz無線を使ったリモコンも同梱する
 デジタル入力は同軸デジタル×2、光デジタル×1、バランス(XLR)×1。アナログ入力はアンバランス(RCA)×1、バランス(XLR)×1。出力はアンバランス(RCA)、バランス(XLR)を各1系統備えている。2.4GHz無線通信を使ったリモコンも同梱する。

 DAC部のS/N比は119dB以上(IHF-A)、117dB以上(WAIT無)。ダイナミックレンジは120dB以上。チャンネル・セパレーションは130dB以上(1kHz)、120dB以上(20kHz)。プリ部の周波数特性は10~150kHz(+0/-0.3dB)。入力感度・インピーダンスは330mV/50kΩ(バランス入力)、260mV/50kΩ(アンバランス入力)。S/N比(入力ショート/IHF-A)は117dB以上(バランス出力)、115dB以上(アンバランス出力)。チャンネル・セパレーションは130dB以上(1kHz)、120dB以上(20kHz)。消費電力は35W。外形寸法は430×380×80mm(幅×奥行き×高さ)。重量は15kg。



(2009年 7月 13日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]