ビクター、新開発レンズで画質/操作性向上のAVCHD「Everio」

-32GB内蔵。シーソーズームレバー/独立ボタンで直感操作


Everio GZ-HM400のブラックモデル

8月上旬発売

標準価格:オープンプライス

 日本ビクター株式会社は、32GBの内蔵メモリに加え、SD/SDHCカードスロットも備えたフルHD撮影対応のAVCHDビデオカメラ「Everio GZ-HM400」を8月上旬に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は11万円前後の見込み。カラーリングはチタンシルバー(S)、ブラック(B)。

 同社はEverioシリーズとして、女性もターゲットとしたエレガントモデル「GZ-HD300」、男性を意識したスマートモデル「GZ-X900」(Everio X)を展開している。 新モデルの「GZ-HM400」は、「GZ-X900」と同じCMOSセンサーと画像処理エンジンを搭載しつつ、新開発のコニカミノルタHDレンズを採用し、より高画質を追求。絞りやシャッター速度優先モードに直接切り替えられる「ダイレクトコントロールボタン」も備え、画質や使いやすさを重視するファミリー向けと位置付けられている。

側面。JVCブランドを掲げた第2弾モデルとなる背面天面
チタンシルバーモデル左がチタンシルバー、右がブラック

メイン基板とCMOSセンサー
 撮像素子はX900と同じ、1/2.33型、総画素数1,029万画素のCMOSセンサー。有効画素数は498万画素。RGB原色フィルターはベイヤー配列で、高画質な動画だけでなく、画素補間の無い896万画素の静止画撮影も可能。

 画像処理エンジンには「HD Gigabrid Premium II」を採用。動画撮影時にはセンサーからの約498万画素のデータを207万画素にリサイズし、1,920×1,080ドットで記録。垂直解像度1,080本を実現している。 センサーとエンジンはX900と同じだが、後述の新レンズや画像処理設定のチューニングなどで、低照度でのノイズ低減も含め、総合的な画質はX900よりもアップしているという。

 新開発のコニカミノルタHDレンズを搭載したのが特徴で、非球面レンズ3枚を使った8群11枚構成。焦点距離は35mm換算で48.5~485mm(動画時)、38.3~383mm(静止画/4:3時)の光学10倍ズーム。F値は2.8~4.5。絞り羽根は2枚。

 手ブレ補正はX900と同様に、レンズ群の真ん中に補正レンズを組み込むのではなく、レンズの前玉の前に、2枚のプリズムを設置。それぞれのプリズムが横方向と縦方向のブレを補正する構成になっている。補正レンズを内部に組み込むと光軸がズレることがあり、収差が発生する要因になるが、そうした問題をクリアしている。技術的にはX900と同じだが、補正能力はGZ-HM400の方が若干向上しているという。

新開発のコニカミノルタHDレンズを採用しているレンズの前玉の前に補正の用プリズムを2枚装備しているレンズユニット

グリップ側の側面はレザー調仕上げで滑りにくくなっている
 作品作りに活かせる操作性を追及したのも特徴。ズーム操作には、業務用機器で使われているシーソー式レバーを採用。指の動きと被写体の遠近が同じ方向なので、迷わずズームができるという。

 本体天面左脇には「絞り」、「シャッター速度」、「ユーザー」のダイレクトコントロールボタンを用意。押すことで各モードにダイレクトに移行でき、ユーザーボタンには動画・静止画モードの「シーンセレクト」や「逆光補正」、動画モードの「高速撮影」など、様々な機能を自由に割り当てられる。

 さらに、レンズの左脇にマルチファンクションダイヤルを追加。レバーとダイヤルで構成されており、レバーを上げると明るさ、下げるとフォーカスがダイヤルで調整できる。


天面に備えたダイレクトコントロールボタンダイレクトコントロールボタンを押せば、絞り、シャッター速度の各モードにダイレクトに移行できるレンズの左脇に備えたマルチファンクションダイヤル。右のレバー上下で機能を切り替え、ダイヤルで調整する

 録画のビットレートは24Mbpsの「UXP」が最高。「XP」(17Mbps)、「SP」(12Mbps)、「EP」(約5Mbps)も含め、合計4種類の記録モードが選択できる。音声はドルビーデジタル2ch。最高600fpsのスーパースローモーション撮影も可能。640×72ドットサイズでは、600fpsで2.4秒間の撮影(撮影動画の再生時間は24秒)、480×116ドットでは300fpsで4秒間(同20秒間)、480×270ドットで4秒間(同8秒)のスローモーションが撮影できる。

 静止画の高速連写もでき、900万画素の画像を15コマ/秒で最大6枚、7コマ/秒で6枚、2コマ/秒で無制限の撮影が可能。フルHD動画撮影中に、530万画素の静止画同時撮影も可能。撮影スタンバイ中には、60コマ/秒で連続11コマの連写ができる。

 ビデオカメラ業界で初めて、圧縮の過程で失われた音声情報を補間しつつ再生する独自の「K2テクノロジー」を採用。再生時に利用できるもので、原音の空気感も再現するという。

天面に備えたマイク部本体上側にSD/SDHCカードスロットを備えている標準で付属するバッテリは大容量で、約2時間25分の撮影が可能

 ほかにも、顔検出機能や10種類のシーンセレクト機能も利用可能。iTunesとYouTubeの連携機能も備えており、本体にUPLOAD、EXPORTボタンを用意、どちらかを押してから撮影すると、PCに取り込んだ場合、付属ソフト「Everio MediaBrowser」で表示すると、UPLOADを押した動画はYouTubeアップロード、EXPORTはiTunes転送用動画として自動でピックアップ。そこから、ソフトの機能を使ってYouTubeへの投稿や、iPod再生用動画としてiTunesへの転送などが行なえる。対応OSはWindows XP/Vista。

 付属バッテリは大容量な「BN-VF815」で、フル充電で約2時間25分(実撮影時間1時間15分)の撮影が可能。別売のワイドコンバージョンレンズ「GL-V0746」、テレコン「GL-V1846」などが使用できるほか、PCを使わずにAVCHDディスクを作成できる既発売のDVDライター「CU-VD50」(再生機能付)、「CU-VD3」とも連携可能。アイ・オー・データのBDドライブ「BRD-UXP8」と接続してBDへの書き出しや、PCレスでHDDへの保存もできる。

 液晶モニタは2.8型のクリアブライト液晶で、20.7万画素。USB端子やHDMI出力、コンポーネント出力、AV出力、外部マイク入力端子を装備。外形寸法は135×72×67mm(縦×横×高さ)。本体重量は約400g。バッテリを含む撮影時の重量は約485g。

本体側面の操作ボタン。iTunesへの転送や、YouTubeアップロード用のフラグ付与ボタンを供えている説明会場に置かれていたスケルトンモデル。発売はされない


(2009年 7月 30日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]