ソニー、壁掛けを追求した薄型液晶TV「BRAVIA ZX5」

-46/52型。1080p非圧縮伝送とLED改善で画質向上


KDL-52ZX5

11月20日発売

標準価格:オープンプライス


 ソニーは、LEDを使って薄型化を図り、“壁掛け”にこだわった液晶テレビ「BRAVIA ZX5シリーズ」を11月20日より発売する。46型の「KDL-46ZX5」と、52型の「KDL-52ZX5」の2モデルが用意され、価格はオープンプライス。店頭予想価格は46型が55万円前後、52型が65万円前後。

 カラーはブラック。なお、設置スタイルやカラーを選択できる「ブラビア プレミアムオーダー」モデルとして、専用カラーのホワイトも用意する。 


■ 壁掛け対応に向けてデザイン強化。4倍速対応に

 2008年11月に発売された“世界最薄”液晶テレビ「BRAVIA ZX1(KDL-40ZX1)」と同様に、超薄型を謳うZXシリーズの最新モデルとなる。ディスプレイ部と、チューナユニットが分かれており、60GHz帯の無線でディスプレイ/チューナ間の映像/音声伝送を行なう。

 ZX1では40型の1モデル展開だったが、ZX5シリーズでは46/52型と大画面化するとともに、“壁掛け”利用にこだわった新デザインを採用。大画面化や大型スピーカーの内蔵により、厚みは46型で最薄部15.8mm、52型で16.6mmとZX1シリーズ(最薄部9.9mm)より厚くなっているが、大型+壁掛けというニーズを満たすべく、ZX5シリーズを提案していくという。なお、ZX1シリーズも引き続き併売される。

壁掛けに対応した「KDL-52ZX5」表面にポリカーボネートを配し、ガラスのようなイメージを実現金具を使った壁掛けを推奨

 ZX1シリーズ購入者のうち、壁掛け設置の比率が23.1%と高いことから、壁との一体感を演出する新デザインを採用。表面に一枚のポリカーボネートを施し、透明感のあるフレームラインを実現。「一枚の透明で無垢なガラスから、美しい映像が浮かび上がるデザインを目指した」という。壁掛け用の金具「SU-WL700(29,400円)」も用意される。

 液晶パネルは、46/52型ともに1,920×1,080ドットのVA方式。光源はLEDで、本体下部に配置したLEDの光を光学シートにより、画面全体に均一に拡散するエッジライトLED方式を採用している。40ZX1では同じパネルの上下左右にLEDを内蔵していたが、LEDの発光効率向上により下部のLEDだけで画面全体をカバーできるようになったという。

ブラビアプレミアムオーダー限定のホワイトモデルLEDを下部に内蔵し、背面に放熱用のスリットを用意している46型で厚みは15.8mm

 また、4倍速駆動技術の「モーションフロー240コマ」を搭載し、動画ボケのない滑らかな映像再現を可能としている。映像エンジンとして「ブラビアエンジン3」を採用。映像をシーンごとに解析し、明るさの分布によってリアルタイムにコントラストを制御するダイナミックコントラスト機能も備えている。

 「インビジブルスピーカー」と呼ぶ薄型スピーカーを搭載。アンプ部にはデジタルアンプを採用。最大出力10W×2ch。

 ディスプレイ部の外形寸法と重量は、52型が1,271×59×799mm(幅×奥行き×高さ/スタンド除く)で、32.4kg(スタンド込)。46型が1,134×58×718mm(同)で、26.9kg(同)。ディスプレイ部の消費電力と、後述するチューナユニットも含めた年間消費電力量は、52型が218Wで209kWh/年、46型が198Wで180kWh/年。チューナ単体の消費電力は36W。

壁寄せスタンドも用意される

 



■ 60GHz帯で非圧縮映像/音声伝送

チューナー部。60GHz帯を使ってディスプレイに映像/音声を送信する

 別筺体のチューナ部は地上/BS/110度CSデジタルと、地上アナログを装備。ディスプレイ部とチューナの間は60GHz帯の無線で非圧縮映像/音声伝送を行なう。ZX1シリーズでは、5GHz帯を利用し、1080iに変換して伝送していたが、ZX5シリーズでは1080/60p、24pなどの映像をそのまま伝送可能となり、画質の向上を図っている。

 加えて、60GHz帯を採用したことで、電波干渉も大幅に低減し、利用中の映像/音声の途切れなどを抑制したという。なお、60GHz帯を使ったAV機器向けの映像/音声伝送技術としては「Wireless HD」があるが、ZX5シリーズで採用している技術については「非公開(同社)」としている。


チューナ部にはHDMI入力を4系統装備
 入力端子としてHDMI×4、D5×2、コンポジット×2、S映像×1、アナログRGB(D-Sub 15ピン)×1、PC用音声×1などを装備。光デジタル音声出力×1、USB端子、モジュラージャック、Ethernet端子も備えている。HDMI連携機能の「ブラビアリンク」にも対応しており、ソニーのBDレコーダやBRAVIA用HDDレコーダ「BRX-A500/A320」との連携が可能となっている。

 「ソニールームリンク」に対応しており、DLNA対応のレコーダなどで録画した番組や映像を、ネットワーク経由で再生可能。BDレコーダのLSRモードなど、AVC形式で録画した番組についても再生できる。アクトビラにも対応しており、動画配信の「アクトビラ ビデオ・フル」にも対応する。テレビ画面の右側にネット上の情報コンテンツを表示する「アプリキャスト」も利用可能となっている。


使用イメージ

 リモコンは、無線方式を利用した「おき楽リモコン」で、FeliCaリーダ/ライターを内蔵。アクトビラでコンテンツを選択し、支払方法でEdyもしくはeLIOを選択し、リモコンのFeliCaポートにEdyなどをチャージした携帯電話やカードを置くことで決済が行なえる。

 チューナ部の外形寸法と重量は2機種で共通。430×282×68mm(幅×奥行き×高さ)で、4.1kg。


(2009年 9月 7日)

[AV Watch編集部 臼田勤哉]