ソニー、歌詞表示など「新音楽体験」提供する新ウォークマン
-ストリンガー会長、iPod抜いたシェア記録「喜ばしい」
左がNW-A840、右がNW-S640 |
各モデルの主な特徴は下表の通り。
シリーズ名 | メモリ容量 | ディスプレイ | ノイズ キャンセリング | 機能の特徴 |
NW-A840 | 16/32/64GB | 2.8型有機EL | デジタル | ・最薄7.2mm ・フルデジタルアンプ「S-Master」 ・13.5mm径EXイヤフォン ・iTunes D&D転送 ・歌詞表示 ・720×480ドット動画再生 ・新管理ソフト「x-アプリ」対応 ・PS3転送 ・BDレコーダからのおでかけ転送 (レジューム/ジャンル情報継承) |
NW-S740 | 8/16/32GB | 2型TFT液晶 | アナログ | ・13.5mm径EXイヤフォン ・iTunes D&D転送 ・歌詞表示 ・720×480ドット動画再生 ・新管理ソフト「x-アプリ」対応 ・PS3転送 ・BDレコーダからのおでかけ転送 (レジューム/ジャンル情報継承) |
NW-S640 | 8/16GB | 2型TFT液晶 | - | ・13.5mm径EXイヤフォン ・iTunes D&D転送 ・歌詞表示 ・720×480ドット動画再生 ・新管理ソフト「x-アプリ」対応 ・PS3転送 ・BDレコーダからのおでかけ転送 (レジューム/ジャンル情報継承) |
16日に報道関係者向けに行なわれた体験会には、会長兼社長 CEOのハワード・ストリンガー氏も駆けつけた。
ストリンガー氏は日本市場について、「言うまでもなく、ソニーにとって大変重要な市場。日本のお客様は世界で最もデジタル技術や商品に精通していらっしゃいます。そんなホームグラウンドである日本で勝つことが、グローバル市場でのソニーの更なる飛躍につながると確信しています」とコメント。さらに、8月末にウォークマンのシェアがiPodを抜いた事に関連し、「最近“ウォークマン”が携帯音楽プレーヤー市場で記録的なシェアを達成したことは、ソニーにとって非常に喜ばしいニュース」と語った。
さらにストリンガー氏は、新ウォークマンの機能について「音楽の楽しみ方をさらに充実させる機能を搭載している」と紹介。その一例として歌詞表示機能の「歌詞ピタ」を挙げ、「カラオケ好きの私の子供達や若い方にとって、今年のクリスマスの必須アイテムになるでしょう」とアピールした。
■ 若年層や買い替え、買い増しに向けて訴求
発表された新ウォークマンのラインナップ |
再生時のエフェクトの1つであるヴォーカルキャンセルモードと組み合わせ、カラオケの練習にも活用できる。歌詞表示機能は女性ユーザーから要望が多く、カラオケ機能は特に、“新曲を覚えてカラオケで歌いたい”という女子高生からのニーズが多かったという。
語学学習機能も若年層を意識した初搭載機能で、0.5倍速~2倍速まで、9段階から選択できる「再生スピードコントロール」を装備。さらに、A-Bリピート機能、ボタンを1回押すごとに3秒ずつ再生位置を戻す「クイックリプレイ」機能が利用できる。若年層のポータブルプレーヤー購入時には、親の意向も大きく影響するため、「英語の勉強にも使える」といった要素がプラスに作用すると期待されている。
一方、A840シリーズは、最大64GBの大容量モデルをラインナップし、独自のデジタルアンプ「S-Master」を搭載。デジタルノイズキャンセリング機能も搭載するなど、高機能/高画質/高音質を追求するユーザー層をターゲットとする。若年層だけでなく、既にポータブルプレーヤーを持っているユーザーの買い替え、買い増しに向けて訴求していく。
そのために、有機ELの表示品質の高さや、デジタルアンプ、デジタルノイズキャンセリングなどの魅力をアピールするほか、iTunesのミュージックライブラリからのドラッグ&ドロップ転送など、他のプレーヤーを使っているユーザーにも、移行や併用の簡単さをアピールしている。
■ 「ウォークマンとしての“デザインアイコン”を見つける」
ソニー クリエイティブセンター モバイルプロダクツ デザインチームの志水曜介氏 |
志水氏は、「昨今のポータブルプレーヤーのデザインは、似たようなものが増えている」とした上で、新ウォークマンでは「ウォークマンとしての“デザインアイコン”を見つけること。そして、家でも外でもウォークマンの世界を美しく演出することを目指した」という。
デザインのポイントは4つあり、1つは昨年のモデルから一貫して採用されているディスプレイ下の3つの円で構成されるコントロール部の「3-Circle」。ウォークマンのハードウェアのアイコンとしてアピールされるデザインで、円の組み合わせで楽しさやリズム感を表現したという。
もう1つは、全体を構成する“コア(丸)の操作部に、ディスプレイの映像(四角)が融合した”というイメージの「Crisp Separation」。さらに、天面や底面に傾斜を設け、鋭角なフォルムとした「SLASH」。家の中でクレードルやドックに装着した時の美しいたたずまいと、手の中でもスタイリッシュなフォルムを追求したという。
質感の面では「Exposed Structure」をテーマに、アルミやアクリルといった素材を切り出し、あえて単純に積み重ねて筐体を構成。「素材そのものの魅力を活かし、デザインコンセプトを際立たせた」という。
コントロール部のデザインコンセプトの「3-Circle」 | 上部の四角いディスプレイ部と、下部の丸いコントロール部が組み合わさった「Crisp Separation」 |
側面で強調されているSLASHデザイン | 質感はアルミやアクリルといった素材の味を活かしたという |
なお、A840シリーズの64GBモデルと、S640シリーズの8GBモデルにはそれぞれ、ソニースタイル限定の直販専用カラーをラインナップしている。「NW-A847/V」(64GB)は10月下旬発売で、価格は42,800円。カラーは“アークティックバイオレット”。有機ELディスプレイ部には、光の当たり方で本体カラーのバイオレットの見え方が変化する特殊な加工を施したという。筐体前面は総スピン仕上げで、金属の持つ硬質感を強調している。
「NW-A847/V」(64GB)のカラーは“アークティックバイオレット |
「NW-S644/PI」は8GBタイプで9月下旬発売。価格は15,800円。カラーはミルフィーユピンク。複数の加飾技術を組み合わせており、前面には素材の金属感を活かした塗装、ディスプレイ部にはミラーのような質感の印刷、背面には金属蒸着を応用したホワイトレインボー蒸着を施し、角度によって変化するカラーとなっている。
ソニースタイル限定のミルフィーユピンクモデル |
なお、同モデルを含め、ソニースタイルではSシリーズ全モデルを対象として、付属のヘッドフォンの代わりに、ソニースタイルが推奨するヘッドフォンを、ユーザーの視聴スタイルに合わせて選択できるサービスを実施予定。選べるヘッドフォンはMDR-NX3、MDR-AS50G、MDR-XB500を含む、複数を用意しており、選んだものによって価格も変化する。
(2009年 9月 16日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]