プラネックス、ServersMan搭載のLAN HDD“CAS”

-DLNA/iTunesサーバー対応。iPhone連携も


11月6日発売

標準価格:「1TB HDDモデル」26,040円
       「2TB HDDモデル」41,790円


 プラネックスコミュニケーションズ株式会社は、LAN HDD「DigiJuke」シリーズの新製品として、フリービット株式会社の新プラットフォーム「ServersMan@CAS」を搭載した「CAS」(Cloud Attached Server)を11月6日に発売する。

 直販サイト「PLANEX Direct」やAmazon.co.jpなどオンライン中心で販売され、10月28日より先行予約受付を開始する。価格は、1TB HDD内蔵モデル「MZK-NAS01SGS」が26,040円で、2TBモデル(RAID 0/1)の「MZK-NAS02SGS」が41,790円。なお、この金額には後述するDTI「Ubicプラン」の1年間の料金も含まれる。

 なお、同様に「ServersMan@CAS」を搭載した法人向けモデルもレンタル方式(月額6,300円~)で12月より販売。こちらはセキュリティ面の強化やリモートサポート対応など、個人向け製品には無いハードウェア仕様やサービスが採用されている。

ServersMan@CASのロゴ

 「CAS」とは、HDDがユーザーの手元にありながら、インターネットからダイレクトアクセスが可能で、Webサーバーとしても利用できる製品を、Network Attached Storage(NAS)ではなく“Cloud Attached Server”と位置づけたもの。

 フリービットはこれまでiPhoneやWindows Mobile端末をサーバー化する専用アプリを公開。また、Web公開に特化したビデオカメラ「ServersMan Scooop by EXEMODE」も発売している。今回はプラネックスとの協力により、LAN HDDで同様にインターネットからアクセスが可能な製品を発売する。

 個人向けに発売される「MZK-NAS01SGS」(1TB)と「MZK-NAS02SGS」(2TB)は、DLNAサーバーや、iTunesサーバー機能などを備えたLAN HDDに、クラウドサーバーとしての機能を持たせたことが特徴。静止画/動画やドキュメントなどのファイルを様々な対応機器で共有できる。2ポートの1000BASE-T Ethernetを備える。HDDのインターフェイスはシリアルATA。対応OSはWindows 2000/XP/Vista/7とMac OS X 10.3.9以降。

 記録領域は、本人のみアクセスできる「MyStrage」と、友人と共有できる「Share」、Webサーバーとして公開できる「public_html」のフォルダに分類されている。

LAN HDDを“クラウド”とし、ファイルを様々な機器で共有DLNA/iTunesサーバー機能も備える

個人向けの「MZK-NAS01SGS」(1TB/左)と「MZK-NAS02SGS」(2TB/右)。これは前面や側面/天面に装飾用のシールを貼った状態。シールは初回出荷分のみ付属するという

 DLNA 1.0に対応し、LAN内の対応テレビやPlayStation 3などで動画や音楽を再生可能。また、USB 2.0コネクタを2系統備え、接続したUSB HDDやUSBメモリなどにデータをコピーすることもできる。さらに、YouTubeの動画を1ボタンでHDDにダウンロードできるPC用ソフト「動画万能」も付属する。そのほか、P2PのBitTorrentにも対応し、PCの電源を落とした状態でもCAS単体でダウンロード可能。

 なお、東芝の液晶テレビ「REGZA」の録画先のLAN HDDとしても利用可能。ただし、DTCP-IPはサポートしないため、外部クライアントでの再生やダビングは行なえない。DTCP-IP対応についても検討中としている。

 製品の価格にはDTI「Ubicプラン」の1年分の料金も含まれ、Webメールや専用ドメインなどのサービスが利用可能。1年後も継続してプランに加入する場合は、別途月額210円が必要となる。


法人向けモデルも用意背面PlayStation 3でCAS内の動画を再生


■ iPhoneやiモード向けアプリの開発も

フリービットの石田宏樹社長

 製品とサービスの内容について説明したフリービットの石田宏樹社長は、「1993年からインターネット一筋でやってきたが、そのなかで非常に大きな一歩だと考える」と説明。

 ServersManは、これまでのiPhone向けやWindows Mobile端末向けのサービスに加え、Android向けも近日リリース予定としている。また、9月29日に同社が完全子会社化したエグゼモードの「ServersMan mini」搭載ビデオカメラは、9月に発売されたばかりだが、既に完売したという。

 ServersManシリーズでの有料課金サービスの第1弾となる法人向けについては「TCO(総管理コスト)が1/5~1/30に削減できる」とし、自由なアクセス制限設定や、一般的なオンラインストレージサービスと比べたファイル同期の早さもアピールした。


今後は様々な機器にビューワなどのアプリを提供する
 また、個人向け製品は「1台あれば、さまざまなファイルを入れておける。Windows 7へのアップグレードに伴うバックアップにも」と提案した。静音設計については石田氏自身も「寝室に置いているが、奥さんから文句を言われない」という。

 今後の計画として、iPhoneやドコモ携帯電話向けに、ビューワや静止画アップロード対応アプリを開発中であることにも触れ、会場で静止画を撮影してアップロードするデモも行なわれた。

 また、無線LAN内蔵SDカードの「Eye-Fi」にも対応予定で、デジタルカメラで撮影した静止画が直接CASにアップロードできるようになるという。


会場に用意された、iPhoneやiモード向けのアプリ

静止画のアップロードデモ。iPhoneで撮影した画像がCASとすぐに同期されたEye-Fiへの対応も

ServersManが展開中/展開予定のサービス低価格で法人向けサービスを展開できることを強調した会場には、iPhoneを収納できるラックの試作機が最新版(左)になって展示。従来版(右)からの変更点として、新たに充電ができるようになった

プラネックスの久保田克昭社長

 「石田社長の考えていることを我々はサポートしていく」と話すプラネックスホールディング株式会社の久保田克昭社長は、「真夜中に“こんなことをやりたい”という変なメールがガンガン来た」と笑いながらも「他のスケジュールを止めて、この製品にあたってきて、かなりいいものができた」と自信を見せた。今後もServersManやエグゼモードとタイアップする形で、様々な製品をリリースしたい」とした。



(2009年 10月 28日)

[AV Watch編集部 中林暁]