アドビ、64bit版OS向けに強化した「Premiere Pro CS5」
-映像再生処理が向上。After EffectsなどもCS5に刷新
アドビ システムズは、ビデオ編集ソフト「Premiere Pro CS5」などの映像/音声関連ソフト3製品と、これらを含む統合パッケージ「Creative Suite 5 Production Premium」など2製品を5月28日より発売する。製品の種類や直販価格は下表の通り。アップグレード版は、対象製品により価格が異なる。
全ての製品にWindows版とMacintosh版を用意。Premiere ProやAfter Effectsなどが含まれる「Production Premium」は64bit CPUが必須となっており、対応OSはWindows Vista/7(いずれも64bit版のみ)と、Mac OS X 10.5.7または10.6.3(GPUアクセラレーションには10.6.3が必要)。
単品 | ||
製品名 | 直販価格(通常版) | |
Premiere Pro CS5 日本語版 | 98,175円 | |
After Effects CS5 日本語版 | 156,240円 | |
Soundbooth CS5 日本語版 | 26,040円 |
統合パッケージ | |||
製品 | 構成内容 | 直販価格(通常版) | |
Creative Suite 5 Master Collection | Photoshop CS5 Extended、Illustrator CS5、InDesign CS5、Acrobat 9 Pro、Flash Catalyst CS5、Flash Professional CS5、Flash Builder 4 Standard、Dreamweaver CS5、Fireworks CS5、Contribute CS5、Premiere Pro CS5、After Effects CS5、Soundbooth CS5、OnLocation CS5、Encore CS5 | 397,950円 | |
Creative Suite 5 Production Premium | Premiere Pro CS5、After Effects CS5、Photoshop CS5 Extended、Illustrator CS5、Flash Catalyst CS5、Flash Professional CS5、Soundbooth CS5、OnLocation CS5、Encore CS5 | 261,450 円 |
Creative Suite全製品を統合した「Master Collection」 | 動画/静止画/音声コンテンツ制作向けの統合パッケージ「Production Premium」 |
■ Premiere Pro CS5
ビデオ編集ソフトのPremiere Proでは、64bit版ネイティブ対応とし、映像再生処理エンジンの「Mercury Playback Engine」を採用したことで制作スピードの向上を図ったことが特徴。複雑で長いフォーマットやエフェクトの多いプロジェクトも安定して再生できるという。
RED、AVCCAM、XDCAM HD 422、DPX、P2などのフォーマットのビデオをネイティブ編集可能。また、新たに一眼レフカメラのキヤノン「EOS 1D MarkIV/5D MarkII/7D」やニコン「D90/300s/3000」などの動画も変換無しで編集できるようになった。
また、Final Cut ProやAvidのソフトなど、他のノンリニア編集ソフトに対してプロジェクトの読み込み/書き出しが可能。そのほか、Adobe Media Encoderはエンコードを簡易化。DPX、FLV、F4V、H.264、MPEG-2、QuickTime、Windows Mediaなどに対応する。
Blu-ray/DVDオーサリングツールのEncore CS5では、チャプタメニューや検索機能、ポップアップメニューなどをを備えたインタラクティブな「Web DVD」を作成できる。
□製品情報
http://www.adobe.com/jp/products/premiere/
■ After Effects CS5
After Effects CS5 |
ビデオエフェクトやモーショングラフィックスなどに対応するAfter Effectsは、新機能として人物など前景要素を背景から素早く切り離すことが可能な「ロトブラシ」ツールを搭載。また、パナソニックの「AVC Intra」フォーマット(50Mbps/100Mbps)にネイティブ対応。RED R3Dフォーマットもサポートする。さらに、ユーザーからの要望が多かったというレイヤーのコンポジション整列など、制作効率を高める機能強化が行なわれている。
そのほか、開始キーフレームを自動設定することでアニメーション化を素早く行なえるモードや、手書きのマスクにモーショントラッキングを適用し、可変幅のマスクの境界のぼかしを読み込める「Mocha for After Effects v2」、平らなオブジェクトを3Dにして自由に変形できるプラグイン「Digieffects FreeForm」なども採用する。
□製品情報
http://www.adobe.com/jp/products/aftereffects/
■ Soundbooth CS5
Soundbooth CS5 |
BGM作成などが行なえるSoundboothは、マルチトラック編集時の表示トラック幅を変更可能になり、一度に多くのトラックを表示できるようになった。また、クリップの分割や、クリップのコピー/ドラッグも行なえる。
著作権フリーの素材は効果音が10,000種類以上、カスタマイズ可能なスコアが130種類以上利用可能。効果音やスコアをマルチトラックプロジェクトにドラッグ&ドロップしてカスタマイズが行なえる。
その他、従来バージョンと同様にノイズ除去機能も装備。ポップ/クリック/ハムなどのノイズ除去や、ボリューム調整なども視覚的なツールで簡単に編集できるとしている。
□製品情報
http://www.adobe.com/jp/products/soundbooth/
(2010年 4月 12日)
[AV Watch編集部 中林暁]