「ひかりTV」が3D映像配信を'10年度第1四半期中に開始
-HDD内蔵/DLNA対応チューナや、さかのぼり視聴も
NTTぷららは、NTT東/西のフレッツ光回線を使った映像配信サービス「ひかりTV」の現状と、今後の事業展開に関する説明会を開催。その中で、2010年度第1四半期中(4~6月)に3Dコンテンツ配信を開始することなどを明らかにした。
3D映像配信などのスケジュール |
3D映像配信に関する技術検証は既に完了したとしており、板東浩二社長は「利用シーン、コンテンツの種類など、どれがふさわしいかを慎重に対応し、夏ごろの提供を考えている」と説明。当初はトライアルという形でスタートする。番組の3D対応は、VODコンテンツが先行する見込みだが、多チャンネル放送サービスでも導入予定としている。
視聴には3D対応テレビと3Dメガネが必要だが、チューナは既存のものが利用可能。テレビに内蔵したものや、レンタル用の単体チューナ「PM-700」などがそのまま使える。配信方法としては、サイドバイサイドなどの方式で配信された映像を、テレビ側でフレームシーケンシャルなどに変換して視聴することを想定している。
また、現在は別途USB HDDを単体チューナPM-700に接続することで地デジなどの録画が可能だが、新たにHDD内蔵チューナの提供も2010年6月より開始予定。HDD内蔵チューナでは、録画した番組のDLNA/DTCP-IP配信に対応することが特徴。録画しながら別の番組を視聴することもできる。内蔵HDDの容量は500GBを予定。チューナの提供方法は買い切りとレンタルの両方で検討中。
HDD内蔵チューナの試作機 | HDD内蔵チューナを使ったDLNA視聴のイメージ |
そのほかの新サービスとして、多チャンネル放送サービスで、放送中の番組を最初の部分にさかのぼって視聴できる「スタートオーバー」機能も提供予定。番組が終了する前であれば、最初から見られるようにする予定で、2010年度内にトライアル提供を開始する。
また、視聴したコンテンツに合わせて他の番組やVOD作品をレコメンドするサービスも予定。ある番組を観ると、その番組を観た他のユーザーがこれまで観てきた番組をおすすめするというもので、2010年度内に提供予定。家族でテレビを共用する場合に、各人の視聴履歴を蓄積してそれぞれにおすすめするということはできないが、「最終的にはそこまで持っていきたい」(板東社長)とした。
さらに、テレビのリモコン操作でショッピングができる「tコマース」も2010年度内に開始予定。既存のオンラインショッピングサイトとは別の独自サービスになるという。
HD映像コンテンツの今後の拡充については、多チャンネル放送サービスでは、現在の30チャンネルから2010年度内に全体の半分に相当する約40チャンネルを目指す。VODでは現在3,000本以上だが、同じく2010年度内に3,500本以上を目標としている。
番組の最初の部分にさかのぼって視聴できるスタートオーバー機能を提供予定 | レコメンド機能、tコマースサービスも実施する |
■ 100万会員突破で「ひかりTV 第2ステップ」へ。BS再配信時期は未定
板東浩二社長 |
既報の通り、ひかりTVの会員数は3月末時点で101万となり、100万会員を突破。'08年3月のサービス開始から約2年で達成しており、'09年度の純増は46万会員。'10年度は前述の新サービスやコンテンツの拡充などで、約40万の純増となる140万会員を目標としている。
これまでの取組みとして、板東社長は地デジ再配信の対象エリア拡大や、多チャンネル放送のラインナップ拡充、VODでの見逃しコンテンツの充実などを紹介した。
また、対応機器については、東芝REGZAやシャープAQUOSなどの本体にチューナが内蔵されており、特に最近では小型の普及モデルにも採用。年間で対応テレビが約100万台出荷されている(板東社長)という。
会員数は3月末で101万に達した | '10年度末は140万会員が目標 |
USB HDDへの録画機能は1月より提供開始されているが、同社が対応製品として販売している1TB HDDは、1カ月で1万台以上の売上げになったという。そのほか、検索速度の向上や、検索結果のソート機能追加など、ユーザビリティの向上にも取り組んできたとしている。
板東社長は、「これまでの2年間は、基本サービスの拡充で顧客基盤を作ることが目標だった。(100万会員突破で)それが達成できたので、今後は“第2ステップ”としてコンテンツの拡充や、IPTVによる新たなライフスタイルの創造に取り組む」とした。
開始当初から検討していたBSデジタル放送の再配信については、「技術的な検討、設備検討はほぼ終わっており、今後、BS局に再配信の同意を得ていく段階。OKが出れば配信する」という。開始予定時期については「希望は今年度の早い段階だが、相手のある話なので、調整次第」として明言は避けた。
地デジ再配信サービスの対象エリア | 多チャンネル放送やVOD配信のコンテンツやプランの説明 |
見逃しVODコンテンツの拡充も図ってきた | ひかりTV対応チューナ搭載のテレビやパソコン | USB HDD録画対応など、利便性向上への取組み |
(2010年 4月 23日)
[AV Watch編集部 中林暁]