富士通テン、SDダブルスロット装備などAVナビ3製品

-地図/音楽を別のSDカードに収録。「ECLIPSE」夏モデル


SDメモリナビの「AVN7500」

6月上旬発売

標準価格:「AVN7500」オープンプライス
       「AVN770HD」262,500円
       「AVN660HD」オープンプライス


'09年モデル(左)と、'10年新製品(右)のラインナップ

 富士通テンは、AVカーナビゲーションシステム「ECLIPSE(イクリプス)」の2010年夏モデルを発表。地上デジタルチューナ搭載の2DINナビ3モデルを6月上旬より発売する。

 記録メディアにSDカードを採用する「AVN7500」と、HDDを使用する「AVN770HD」、「AVN660HD」をラインナップし、価格は下表の通り。


製品型番価格
(店頭予想価格)
SDメモリナビSDスロット×2/DVD
地上デジタルTV
7型/480×234ドット液晶
AVN7500オープンプライス
(21万円前後)
HDDナビ

HDD/DVD
地上デジタルチューナ
7型/800×480ドット液晶

AVN770HD262,500円
HDD/DVD
地上デジタルチューナ
7型/480×234ドット液晶
AVN660HDオープンプライス
(21万円前後)
オプションiPod/iPhone接続ケーブルIPC1103,150円



■ SDメモリナビ「AVN7500」

 地デジ12セグ/ワンセグチューナを搭載する2DIN AVナビ。7型/480×234ドット液晶を備える。フロント4アンテナ/4チューナにより受信能力を高めているほか、新たに「ネットワークフォロー」機能を搭載。受信している放送局のカバーエリアから外れた際に、系列局を自動でサーチするもので、再度チャンネル設定を行なうことなく、同じ番組が続けて観られる。受信状況に応じた12セグ/ワンセグ自動切換えにも対応する。

 地図データは付属の8GB SDカードに収録。カードスロットは地図用のほかに音楽用も用意した2スロット構成で、別売SD/SDHCカード(最大32GB)に収めた楽曲を再生可能。CDからSDカードにリッピングすることもできる。リッピングするファイルは独自形式で、4GBカードの場合約1,000曲分を記録できるという。

地デジのメニュー画面「ネットワークフォロー」の設定では、「系列局+中継局」、「中継局」、「OFF」から選べるAVN7500の主な機能

別売ケーブル「IPC110」でiPhone/iPodと接続可能

 別売ケーブル「IPC110」を使用することで、iPod/iPhoneを接続して音楽再生が可能。接続したiPod/iPhoneをナビのタッチパネルで操作できる。さらに、Bluetoothのワイヤレス音楽再生にも対応。AVRCP 1.4もサポートし、対応携帯電話などと接続することで、音楽データのリスト表示も可能となる。USBメモリ内のMP3/WMA楽曲再生も行なえる。ただし、iPodとUSBメモリの接続はどちらか一方となる。

 DVD/CDドライブ部はDVDビデオのほか、地上デジタル放送を録画したVRモードのディスクも再生可能。WMA/MP3を記録したディスクも再生できる。

 アンプ出力は40W×4ch。イコライザや5.1chデコーダ、タイムアラインメント機能は搭載しない。


iPhone接続時の音楽再生画面iPhoneとのBluetooth接続時2基のSDカードスロットとDVD/CDスロット、B-CASカードスロットを備える

 ナビ機能では、新たにパソコンで地図データの更新が手軽に行なえる「マップオンデマンド」に対応。付属の地図データ用SDカードに、インターネットからダウンロードしたデータを上書きして、ナビに挿入することで、更新する。専用のパソコン用ソフトも同梱する。地図データの更新は、購入から3年間は無料で、以降は最新版の地図を購入することで、さらに2年間無料で更新できる。なお、「マップオンデマンド」は8月よりサービスを開始予定としている。

 また、新たに道幅5.5m未満の細い道(細街路)においても、一方通行情報などのデータを収録。目的地付近の細街路でも音声案内が行なえるようになった。

「マップオンデマンド」で3年間の地図更新が無料細街路音声案内にも対応した



■ HDDナビ「AVN770HD」、「AVN660HD」

 いずれも、40GB HDDと7型液晶を備えたモデル。両モデルの違いはディスプレイの解像度(770HDが800×480ドット、660HDが400×234ドット)のほか、770HDのみ5.1chデコーダを搭載、音響測定マイクによる自動音場補正にも対応している。なお、SDカードスロットは搭載せず、「マップオンデマンド」には対応しない。

AVN770HDAVN660HD両機種の主な機能

 テレビチューナはいずれも地デジの12セグ/ワンセグ搭載で、4アンテナ/4チューナ構成。12セグ/ワンセグ自動切換え機能も備えているが、「AVN7500」とは異なり「ネットワークフォロー」機能は搭載しない。画質補正回路「Vivid View Processor 2」により、輪郭や彩度、コントラストの補正も可能。

 従来のHDD搭載モデル「AVN779HD」などと同様に、CDやUSBメモリから本体のHDDに楽曲転送が可能。USB高速転送機能も備え、CDアルバム1枚分(4MB×10曲)を約30秒で転送でき、USBメモリに保存されたフォルダ構成をそのままナビで管理可能。USBから転送中にエンジンを切った場合でも、再度エンジンをかけると続きから転送を再開する。なお、AVN660にUSBメモリを接続する場合は別売ケーブル「USB109」(2,100円)が必要。

 別売のiPod接続ケーブル「IPC109」(6,300円)により、iPodの動画/楽曲再生が可能。ただし、iPhoneとの接続はサポートしない。また、別売Bluetoothユニット「BTU109」(18,900円)との接続にも対応し、対応携帯電話でのワイヤレス音楽再生も行なえる。

 両機種とも、アンプ出力は50W×4ch。7バンドのイコライザや、タイムアラインメント機能(770HDは簡易機能のみ)も搭載する。



■ シェア20%目標。新プロモーションは「上戸彩誘拐事件!?」

勝丸桂二郎社長

 '09年度の国内市販カーAV市場が前年比で横ばいとなった中、同社は前年比20%を超える売上げを記録し、シェアも3.5ポイントアップの16.1%まで拡大。勝丸桂二郎社長は「昨年に発表した目標の15%を上回り、最高の数字になった」と自信を見せた。シェア拡大の要因としては、「'08年の“簡単お手頃ナビ”AVN Liteと、普及価格帯のHDD AVナビが評価されたこと」と見ている。

 '10年度は、カーAV市場全体では厳しい状況が増すとしながらも、PNDの伸長などで販売台数が前年を数%上回ると予測。「ユーザーの裾野が広がりつつある今をチャンスとして、ECLIPSE全体の売上げで、'09年度比5%UPが目標」とした。また、次のシェア目標は20%としている。

 ECLIPSEのイメージキャラクターは、引き続き上戸彩を起用。夏モデルの発売を記念したプロモーションでは、AVN7500のスペシャルサイトを5月11日より開設。サイト内で連載ムービー「上戸彩誘拐事件!?」を順次公開する。

 この連載ムービーは、AVN7500の新機能をキーにストーリーが進行するサスペンス風の内容になっており、5月下旬から6月中旬にかけて、全4話を順次公開。各話で出題されるクイズに正解すると、上戸彩のオリジナル壁紙がダウンロードできる。

 そのほか、新製品のキャンペーンとして、AVN7500購入者への1万円キャッシュバックも実施。発売日の6月上旬~8月1日の期間内に購入し、同社に応募すると普通為替証書で1万円分が送付されるというもので、申込書は店頭やECLIPSE公式サイトで配布する。応募方法などは同社サイトで案内している。

国内市販カーナビの市場動向連載ムービー「上戸彩誘拐事件!?」を公開予定キャッシュバックキャンペーンの内容



(2010年 5月 11日)

[AV Watch編集部 中林暁]