マランツ、ネットワーク対応AVアンプ「SR7005」
-Bluetooth標準対応。10万円を切る「SR5005」も
ネットワークオーディオ機能も備えた上位モデル「SR7005」 |
マランツ コンシューマー マーケティングは、AVアンプ2機種を9月21日に発売する。価格は、ネットワークオーディオ機能も備えた上位モデル「SR7005」が199,500円、下位モデルの「SR5005」が92,400円。カラーはどちらもブラック。
最大出力は「SR7005」が195W×7ch(6Ω)、「SR5005」が180W×7ch(6Ω)。両モデルとも基本機能として、ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオのデコードに対応。32bit DSPで処理を行なう。HDMIはVer1.4aに対応し、3D映像の伝送や、ARC(Audio Return Channel)にも対応。HDMI CECを使った他機種との連動動作もサポートする。さらに、スタンバイ時のHDMI信号のパススルーにも対応する。
「SR7005」と「SR5005」の違いは、出力やネットワークオーディオ機能の有無、Bluetoothユニット付属の有無など。SR7005のみ、独自の高速アンプモジュール「HDAM」を採用した電流帰還型プリアンプ回路を搭載。一般的なオペアンプを超える200V/μsec以上のスルーレートを持つオリジナル高速アンプモジュールで、ワイドレンジかつハイスピードなアンプになっているという。
「SR7005」の前面と背面 | 「SR5005」 | 「SR5005」の背面 |
■ SR7005はネットワークオーディオ機能を搭載
「SR7005」はDLNA1.5に準拠したネットワークオーディオ機能を搭載。DLNAサーバー機能を持つPCや、ネットワークHDD内に保存したMP3/WMA/AAC/WAV/FLACファイルの再生ができる。対応ファイルはMP3(32~320kbps、32/44.1/48kHz)、WMA(48~192kbps、32/44.1/48kHz)、AAC(16~320kbps、32/44.1/48kHz)、WAV(1,024~1,536kbps、32/44.1/48kHz、16bit)。FLACは最高で24bit/96kHzまで対応しており、具体的には16/24bit、32/44.1/48/88.2/96kHzをサポートする。
DLNAのデジタルメディアプレーヤー(DMP)、デジタルメディアレンダラー(DMR)として動作し、デジタルメディアコントローラー(DMC)から制御も可能。Compatible with windows 7も取得し、Windows 7のWindows Media Player 12からのリモート再生も可能。インターネットラジオ聴取機能や、DLNAサーバー内のJPEG静止画表示機能、写真共有サービスFlickrの閲覧もできる。
iPod touch/iPhoneで制御するための専用アプリ「Wizz App」が無償公開されており、9月末に提供予定のファームアップデートを適用すると、同アプリから制御できるようになる。操作はボリューム、入力切替、サラウンドモードの選択など。前述のDLNA DMC機能も備えたソフトで、DLNAサーバー内のコンテンツ選択やネットラジオの選局などもこのアプリから行なえる。
iPod touch/iPhone用の専用アプリ「Wizz App」が無償公開されている。アイコンなどは英語表示だが、楽曲名などは日本語表示が可能 |
Webブラウザからの操作にも対応。PCだけでなく、iPhoneのSafariからも操作が可能。Windows 7搭載PCの場合は、LLTD(Link Layer Topology Discovery)機能を用い、PCがSR7005を自動認識するため、IPアドレスの入力は不要という。
2モデルとも、iPod/iPhoneとのデジタル接続に対応するUSB端子をフロントパネルに搭載。iPod/iPhone内に保存した楽曲を、AVアンプの内蔵DACを使ってアナログ変換し、出力できる。USBメモリに保存した楽曲も再生可能。接続したiPodを直接操作するダイレクトモードに加え、AVアンプ側からiPodを操作し、ステータスをテレビ画面で各にできるリモートモードも利用可能。iPodの充電も可能。
USB接続時の対応ファイルは、「SR5005」がMP3/WMA/AAC/WAV。「SR7005」は前述のネットワークプレーヤー機能の対応ファイルと同じで、24bit/96kHzまでのFLACもサポートする。さらにSR7005は、iPodのリモートモード時にテレビ画面上に、アーティスト名や曲名などを日本語で表示できる。
Bluetoothにも対応。「SR7005」はBluetoothレシーバ「RX101」が付属し、レシーバを専用のM-XPort(Marantz-eXtension Port)に接続することで、Bluetooth対応のiPhoneや携帯電話、ポータブルプレーヤーからの送信を受信、出力できる。プロファイルはA2DPに対応。「SR5005」も別途「RX101」を追加する事で同様の事が可能。また、RX101はAVアンプの赤外線受光部としても活用でき、本体を扉付きのラックなどに収納した場合でも、RX101を外に出しておけば、本体のリモコン操作が可能になる。
「SR7005」はBluetoothレシーバ「RX101」が付属。AVアンプの赤外線受光部としても活用できる |
■ AVアンプとしての基能も充実
両モデルとも「ドルビープロロジック IIz」に対応。フロントL/Rスピーカーの上方にフロントハイトスピーカーを追加することで、従来の5.1chサラウンドサウンドシステムの水平方向の音場に、垂直方向の表現力を加えられる。「SR7005」では、5.1chにフロントワイドを加えて空間再現能力を拡張する「Audyssey DSX」にも対応。フロントワイドかハイトのいずれかを選択する事になる。さらに「SR7005」は、デジタル処理される全ての音声信号のジッタを低減する「クロック・ジッター・リダクション」も搭載する。
出力は異なるが、両モデルとも7ch全てに同一クオリティのディスクリート・パワーアンプを搭載。7つのパワーアンプを1つのヒートシンクに一列にマウントするインライン配置でチャンネル間のばらつきを低減。大型EIコアトランスと大容量ブロックコンデンサを用いて、回路の低インピーダンス化も実現。大出力時にも余裕のある電源供給が可能で、5ch同時駆動時でも定格出力の70%以上を出力できる。
スピーカーターミナルは全チャンネルがスクリュータイプで、バナナプラグにも対応。サラウンドバックやフロントハイト/ワイドを使わない場合は、フロントスピーカーのバイアンプ駆動も可能。
アナログオーディオ回路はデジタル音声回路や映像回路から基板レベルで独立させ、高周波ノイズの影響を避けている。アナログ回路、デジタル回路それぞれに独立した電源を搭載している。
ほかにも、MP3/WMA/AACなどの圧縮音楽再生時に、圧縮前の音に近い状態に復元するという補間再生機能「M-DAX 2」(Marantz Dynamic Audio eXpander 2)機能も用意。オートセットアップ機能の「Audyssey MultEQ XT」や、「Audyssey Dynamic Volume」、「Audyssey Dynamic EQ」も備えている。
「SR7005」のフロントパネル中央には、モノラルパワーアンプ「Model9」のパワーメーターを彷彿とさせる円形ディスプレイを採用。フロントドア内部にサブディスプレイを備えている |
映像面では、コンポーネント入力やコンポジット入力からのアナログ映像信号をデジタル信号に変換し、HDMIから出力するビデオコンバート機能も使用できる。アンカー・ベイ・テクノロジーのビデオプロセッサにより、全ての映像入力信号に対して高精度なI/P変換とアップスケーリング処理も可能。「SR5005」は最大1080/60p、「SR7005」は1080/24pの出力も可能。
SR7005は、再生画面に重ねて各種情報を表示できるオーバーレイタイプのGUIを採用。フロントパネル中央には、同社を代表する1960年発売のモノラルパワーアンプ「Model9」のパワーメーターを彷彿とさせる円形ディスプレイを採用。周囲にブルーイルミネーションを配している。フロントドア内部にサブディスプレイを備え、詳細情報はこちらで確認できる。ほかにも両機種とも、マルチゾーン機能、FM/AMチューナなどを備えている。
付属リモコンは、SR7005が液晶ディスプレイ付きで、他社製のテレビやBDプレーヤーなどのリモコンコードがプリセットされているほか、約160個のリモコンコードを学習/記憶可能。最大10ステップの操作を1ボタンに割り当てられるマクロ機能も備える。バックライトも装備。SR5005のリモコンは液晶ディスプレイは備えておらず、マクロ機能も省かれているが、バックライトと学習リモコン機能、他社製機器用のプリセットコードは使用できる。
「SR7005」の付属リモコン | 「SR5005」の付属リモコン |
モデル名 | SR7005 | SR5005 |
最大出力(6Ω) | 195W×7ch | 180W×7ch |
定格出力(8Ω) | 125W×7ch | 100W×7ch |
HDMI入力 | 6 | 4 |
HDMI出力 | 2 | 1 |
映像入力 | コンポーネント×4 コンポジット×5 | コンポーネント×3 コンポジット×5 |
音声入力 | 同軸デジタル×2 光デジタル×3 アナログ音声×7 Phono(MM)×1 7.1ch音声×1 | 同軸デジタル×2 光デジタル×3 アナログ音声×6 Phono(MM)×1 7.1ch音声×1 |
映像出力 | コンポーネント×2 コンポジット×3 | コンポーネント×1 コンポジット×2 |
音声出力 | 光デジタル×1 アナログ音声×4 7.2chプリアウト×1 ヘッドフォン×1 | 光デジタル×1 アナログ音声×2 7.1chプリアウト×1 ヘッドフォン×1 |
その他の端子 | USB入力×1 M-XPort×1 RS-232C IRフラッシャー入力×1 DCトリガー出力×2 マランツ リモートバス(RC-5)入出力×各1 | |
消費電力 | 700W | 650W |
外形寸法 (幅×奥行き×高さ) | 440×406×187mm | 440×389×161mm |
重量 | 13kg | 11.6kg |
(2010年 9月 7日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]