デノン、iTunesライブラリ再生「AirPlay」対応AVアンプ
-iPhone操作/DLNA/iPodデジタル再生。「AVR-4311」
ブラックモデル |
デノンは、iTunesのライブラリをLAN経由で再生する「AirPlay」や、iPhone/iPod touchからのリモコン操作にも対応したAVアンプ「AVR-4311」を10月中旬に発売する。価格は252,000円。カラーはブラック(K)、プレミアムシルバー(SP)の2色。
HDMI Ver.1.4aを搭載し、3D映像の伝送やARC(オーディオ・リターン・チャンル)もサポートしたAVアンプ。最大出力は210W×9ch(6Ω時)で、サブウーファを2台接続できる9.2chアンプとなっている。
プレミアムシルバー |
最大の特徴は、アップルの「iTunes 10」で新たに搭載された「AirPlay」機能に対応した事。再生出力先として「AVR-4311」を指定するこで、PCのiTunesのライブラリ内の音楽を、LAN経由でAVアンプで再生できる。出力時はAVアンプの入力が連動して切替わり、AVアンプの音量をiTunesでコントロールすることもできる。AVアンプ側からも、スキップ、一時停止の基本操作が可能。
さらに、iPhone/iPod touch用のアプリである、アップルの「Remote」を使って操作する事もできる。なお、これらの機能はオンラインアップグレードで対応する予定で、アップグレードの料金や対応時期は、ホームページで後日発表するとしている。
「AirPlay」だけでなく、DLNA 1.5に準拠したネットワークプレーヤー機能も装備。DLNAサーバーとして動作するPCやネットワークHDD内の音楽、静止画ファイルをLAN経由で再生でき、Windows 7を搭載したPCからは、Windows Media Player Ver.12の再生機器としてAVR-4311を選択する事も可能。音楽の対応ファイルはMP3、WAV(リニアPCM)、AAC(DRM非対応)、WMA、FLAC。画像ファイルはJPEGに対応する。インターネットラジオにも対応し、「vTuner」が利用できる。
「Remote」とは別に、iPhoneやiPod touchから無線LAN経由でAVアンプを操作するリモコンソフト「Denon Remote App」も無償でAppストアからダウンロード可能。電源のON/OFF、ボリュームコントロール、ソースの切換など基本操作が行なえる。DLNAを使った再生やネットラジオの操作も可能。アルバムアートワークも表示される。
さらに、Windows 7のPCからは、LLTD(Link Layer Topology Discovery)機能を使い、PCからAVR-4311を認識。PCのコントロールパネルからAVR-4311の設定も可能。Windows 7以前のPCの場合、Webブラウザからアクセスしてのコントロールが行なえる。
USB端子も備え、iPodとのデジタル接続が可能。iPod内の楽曲をデジタルのまま入力し、AL24 Processing Plusやコンプレスト・オーディオ・リストアラー、クロック・ジッター・リデューサーなど、AVアンプ側のデジタルオーディオ回路で処理し、高音質に再生できる。USBメモリ内の楽曲再生にも対応。MP3、WMA、WAV(リニアPCM)、AAC、FLACをサポートし、FLACは24bit/96kHzにも対応する。
ドルビーTrueHDやDTS-HD Master AudioなどのHDオーディオデコードに対応。Audyssey DSX、ドルビープロロジック IIzのプロセッサも備えている。
内部 |
上級機「AVC-A1HD」の設計思想を継承し、9chディスクリート・モノラル・コンストラクションのパワーアンプ部を搭載。高速の整流ダイオードと大容量ブロックコンデンサーを採用した十分な電流供給能力を持つ電源部も備えている。
出力のアサインが可能で、Audyssey DSXのワイド、ハイトを同時に出力する9.2ch再生にも対応。フロントスピーカー出力のA/B切換や、2chでのバイアンプ駆動、7.2chサラウンド再生の切換えなど、好みに応じたスピーカーの選択が可能。マルチゾーン出力のアサインにも対応する。
11.2chのデコード処理能力を持ち、11.2chのプリアウト出力も搭載。内蔵パワーアンプを使わず、プリアンプとして動作させる事もできる。また、9.2chは内蔵アンプを使い、残りの2chを外部のパワーアンプで再生する場合は、その2chをフロント、もしくはフロントハイトに選択可能。サブウーファを2台接続した時にはオートセットアップによってサブウーハー各々のレベル、位相、イコライジングを調整する「Audyssey MultiSub Calibration」が使用できる。
ジッタを低減する「クロック・ジッター・リデューサー」や、音の大小をリアルタイムに調整する「Audyssey Dynamic Volume」、周波数特性を、人間の耳の持つ特性を考慮しながら最適にコントロールする「ドルビー・ボリューム」にも対応。付属の専用マイクを使い、設定を自動的に行なう「Audyssey MultEQ XT 32」も使用できる。
HDMIは3DやARCに加え、DeepColor、x.v.Color、オートリップシンクにも対応。CECもサポートしており、シャープ、パナソニック、東芝、日立、三菱、ソニーの機器と連携できる。さらに、HDMIを使ってジッターレス伝送を実現する「DENON LINK 4th」にも対応する。
背面 |
映像面ではアナログ入力信号をHDMIにコンバート出力でき、アップスケーリング出力も可能。ハイビット処理のi/pスケーラも備えている。GUIはオーバーレイ表示が可能。アイコンなど、グラッフィックやカラーを用いて視認性や操作性も向上させたという。Phonoイコライザ、AM/FMチューナも備える。
HDMIは出力2系統、入力7系統で、2系統同時出力も可能。そのほかの入力はD端子×2、S映像×2、コンポジット×4、アナログ音声×7ch(Phono×1含む)、光デジタル×2、同軸デジタル×2など。出力はコンポジット×3、D端子×1、光デジタル音声×1など。消費電力は580W。外形寸法は434×414×171mm(幅×奥行き×高さ)。重量は17.3kg。
(2010年 9月 17日)
[AV Watch編集部 山崎健太郎]