【CEATEC 2010】シャープ、超薄型BDレコーダ展示

-「GALAPAGOS」は電子書籍のほか、動画/音楽も対応へ


シャープブース

 10月5日~9日までの日程で、幕張メッセで開幕した「CEATEC JAPAN 2010」。ここではシャープブースの展示内容をレポートする。

 注目は、35mmという薄型筐体を採用したBDレコーダの参考展示モデル。スロットインタイプの薄型BDドライブを内蔵し、Blu-ray 3Dソフトの再生にも対応するという。薄型筐体を活かし、縦置きも可能。ケーブルなどをスリムにまとめられるスタンドも用意している。また、現行BDレコーダと同じ、ヘッドフォンのバーチャルサラウンド機能も備えている。

 筐体表面は光沢仕上げで、円形のディスプレイを装備。インジケーターの表示向きも筐体の設置スタイルに合わせて変更できる。なお、HDDを搭載するか否かは明言されていないが「光ディスクだけで大容量の録画ができるBDXLフォーマットが生まれた事がキッカケで、提案できるようになったモデル」と説明されており、HDDレスのBDレコーダになる可能性も高い。発売時期や価格などは未定。

薄型のBDレコーダ。横置きしたところ縦置きしたところ背面。ケーブルもまとめられるスタンド部分
円形のディスプレイを備えている薄型のBDXL対応BDドライブを採用したことで、レコーダ全体の薄型化が実現した

 液晶テレビ・AQUOS関連では、高い色再現性を謳う4原色「クアトロン」を採用し、3D表示やBDレコーダ機能も内蔵したオールインワンモデル「AQUOS クアトロン 3D LB3シリーズ」を中心に展示。色の再現性の高さなど、クアトロン技術の利点を比較展示でアピールしている。

4原色「クアトロン」の色再現性を比較展示でアピールオールインワンモデル「AQUOS クアトロン 3D LB3シリーズ」ひかりTVで配信されている3D作品の表示デモ

 そのAQUOS向けの新しいネットワークサービスとして参考展示されたのは、「Yahoo! JAPAN for AQUOS」を使い、ユーザーが撮影した3D写真をAQUOSユーザー同士が共有できるサービス。富士フイルムのFinePix REAL 3Dシリーズなどで撮影した3D静止画を、PCを使い、Yahoo! JAPANの画像共有サービスにアップロード。3D表示対応のAQUOSから「Yahoo! JAPAN for AQUOS」を使い、アップロードした3D画像を表示できるもので、公開設定にすることで、友人や離れて暮らす家族に画像を公開したり、オープン設定にして多くの人に3D写真を見てもらうといった使い方が可能だという。

 デモシステムでは、3D静止画のMPOファイルを、アップロードの際にMTS形式に変更。サーバー側でさらに処理を行ない、テレビにはサイドバイサイド形式の画像として届けられるという。しかし、実際のサービス時にどのようなシステムになるかは未定。「3Dテレビの普及速度も見ながら、(サービスの)実現時期を定めていきたい」という。

サービスの概要

3D写真を表示しているところデモシステムのトップページ

 

 ブースで多くの面積が割かれているのは、電子書籍端末の「GALAPAGOS」シリーズ。12月より端末の発売とコンテンツ配信サービスがスタートする予定で、端末は5.5型液晶のモバイルタイプと、10.8型液晶のホームタイプの2種類をラインナップ。通信機能は無線LAN(IEEE802.11b/g)で、価格や詳細は別途案内される。

 シャープでは、CEATEC初日となる5日に、TSUTAYAなどを運営するCCCとコンテンツ配信で協力する事を発表しており、12月に共同で「GALAPAGOS」向けエンターテイメントコンテンツストア「TSUTAYA GALAPAGOS(ツタヤ ガラパゴス)」をオープンするという。ストアには電子ブックコンテンツ約3万冊をラインナップ予定。

 これに合わせ、CEATECの展示端末で、TSUTAYA GALAPAGOSのイメージサイトにアクセスできるようになっており、書籍の検索や、ストアからお勧めされた書籍の閲覧などが可能。「白金のスクエア」、「神田のスクエア」などのコーナーも設けられ、白金ではおしゃれなファッション誌、神田ではマニアックな書籍など、イメージに合わせたお勧め書籍の提案なども行なわれている。

5.5型液晶搭載のモバイルタイプ
10.8型液晶のホームタイプ

 なお、電子書籍は提供するコンテンツの第1弾と位置付けられており、第2弾の展開として、動画や音楽コンテンツの販売も2011年春頃に予定しているという。5.5/10.8型のどちらの端末でも、アップデートする事で動画・音楽ファイルの再生に対応できるという。ただし、配信される動画・音楽の形式や解像度、ビットレートなどの詳細は未定。

 動画に関しては、メモリーカード(既発表の端末はmicroSDスロットを装備)に保存。ストリーミング配信は現在のところ考えられていないという。ダウンロードはPCから「GALAPAGOS」のストアにアクセスして購入・ダウンロードし、PCから端末に転送する形を想定。端末自身で無線LANを通じて動画をダウンロードすると時間がかかるためだという。会場には、第2弾サービスを先取りした動画のデモ展示も実施されている。なお、動画コンテンツのラインナップは未定。

 なお、端末にはWebブラウザも搭載されており、FLASHを使ったページの表示やYouTubeなどを埋め込んだ動画ページの再生にも対応。SNS用ソフトや、ゲームなどもプリンストールされている。

TSUTAYA GALAPAGOSのサイト人気のスクエアも設ける
動画を再生しているところデモ用動画コンテンツの一覧

 

 ブースではほかにも、前日に発表されたばかりのau向けの新スマートフォン「IS03」も展示。11月下旬以降に発売予定で、OSはAndroid 2.1を搭載。ディスプレイは3.5型/960×640ドットのNewモバイルASV液晶を搭載。有効957万画素のCCDカメラや、IEEE 802.11b/gの無線LAN、ワンセグ、FeliCa、赤外線通信、Flash Lite 4.0、Bluetoothの各機能も搭載する。

 3D関連では、裸眼3D表示に対応した10.6型と、3.8型のディスプレイを参考展示。解像度は10.6型がWXGA、3.8型がWVGAで、3D方式は視差バリア方式を用いているため、3D表示時解像度は半分になる。10.6型はPCやタブレットPCなど、3.8型はスマートフォンなどへの搭載を想定している。

前日に発表されたばかりのau向けの新スマートフォン「IS03」裸眼3D表示に対応した10.6型ディスプレイ裸眼3D表示に対応した3.8型ディスプレイ

 さらに、スマートフォンの背面に2つのカメラユニットを搭載し、3D撮影を可能にしたコンセプトモデルのデモも行なわれている。

 携帯関連ではそのほかにも、一風変わったモデルとして、プラズマクラスターイオン発生装置を内蔵した試作機も登場。折りたたみ携帯のマイクそばにイオン吹き出し口を備えており「きれいな空気を持ち運べる」という。ベースモデルはSH-09B。ほかにも、台に置くだけで携帯を充電できる、ドコモと共同で開発しているシステムの試作機も参考展示された。

スマートフォンの背面に2つのカメラユニットを搭載し、3D撮影を可能にしたコンセプトモデル
プラズマクラスターイオン発生装置を内蔵した携帯電話台に置くだけで携帯を充電できるシステム各社向けのスマートフォン新モデルも展示された

(2010年 10月 5日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]