ソニー、3D/16:9 CMOSなどハンディカム6機種発表

-サイバーショットはフルHD動画対応5機種


 ソニーは、2眼式の3D撮影対応「HDR-TD10」など、ハンディカム6機種を発表。さらに、フルHDの動画撮影や、3D静止画撮影にも対応したサイバーショット5機種を発表。これらラインナップを紹介する発表会を、都内で開催した。

 各機種の詳細は、個別の記事で紹介している。


【1月13日発表の新製品】
製品特徴
3Dハンディカム「HDR-TD10」2眼式でフルHD 3D動画撮影可能
2DフルHDで60p記録も対応
ハンディカム5機種16:9の新Exmor R搭載
1080/60p記録のハンディカム
サイバーショット5機種フルHD AVCHD動画撮影対応
TX100Vは1080/60p記録
10倍ズームの「HX7V」も
Bloggie2機種お手軽MP4カメラ
2眼式Bloggie 3D「MHS-FS3」
タッチパネル操作Bloggie Touchも
PS3用AVCHD鑑賞アプリ「フィルミー」PlayStation 3(PS3)用AVCHD動画管理・鑑賞アプリ
動画撮影用5型HDMIモニタ5型800×480ドット液晶
HDMI接続
バッテリ駆動

 ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部の下野裕統括部長は、コンパクトカメラ、デジタル一眼カメラ、ビデオカメラシェアを合わせた、金額(店頭)ベースのシェアを説明。2010年は、2月のフルHD動画対応サイバーショットの発売により、20%前後を獲得。6月の「NEX-5/3」発売で25%、同年9月ハンディカム秋商戦で30%前後を達成するなど、順調に推移したという。


デジタルイメージング商品の販売前年比推移(金額ベース)デジタルイメージング商品のシェア推移(金額ベース)

 これは、裏面照射型のExmor Rセンサーを搭載する事による高感度撮影能力や、高速画像処理機能、光学性能の向上でより広角の撮影ができるようになったことなどと共に、ミラーレースの「NEX-5」や、レンズ交換式HDビデオカメラ「NEX-VG10」の投入など、新規カメラ市場の創出が支持されたと分析。

 これを踏まえ、2011年は「更なるチャレンジ」として、「カメラとしての本質価値の追求」、「フルハイビジョン動画対応の強化」、「3D撮影対応の強化」、「撮影後の楽しみをより充実」4点を掲げた。

「HDR-TD10」を手にする、ソニーマーケティング コンスーマーAVマーケティング部門 デジタルイメージングマーケティング部の下野裕統括部長2011年の「更なるチャレンジ」



■サイバーショットとハンディカムのCMOSを刷新

 「カメラとしての本質価値の追求」を担うのは、コンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」のCMOS搭載5機種全てに投入された、新開発の有効1,620万画素、1/2.3型の裏面照射型「Exmor R」CMOSセンサーや、ハンディカムに新たに搭載された、16:9型のExmor R CMOSセンサーを指す。

 1,620万画素「Exmor R」を搭載したサイバーショットでは、独自の画像重ね合わせ技術を使い、高感度ノイズ低減や逆光補正機能なども組み合わせ、高感度の静止画撮影能力向上。さらに、CMOS搭載の5モデルは全てAVCHDのフルHD動画撮影に対応。ハンディカムの技術も投入し、光学式手ブレ補正やノイズリダクションにより、高画質なフルHD動画撮影が可能になっている。

 CMOSモデルのラインナップは、10倍ズームを搭載し、GPSや電子コンパスも搭載した「DSC-HX7V」、1080/60pでの撮影にも対応し、3.5型の有機ELタッチパネルも備えた「DSC-TX100V」、水深5mでもAVCHDのフルHD動画が撮影できる「DSC-TX10」、F2.4の明るい7倍ズームレンズを搭載した「DSC-WX10」、手軽なモデルと位置付けられている「DSC-WX7」で構成する。

 また、これらのサイバーショットでは3D静止画撮影機能も装備。シャッターを一回押すと自動的にピントを合わせた画像と、あえてピントを外した画像をカメラが計2枚撮影。その画像をカメラが比較し、距離情報を演算して、1枚の3D静止画を作成・保存する形となる。

サイバーショットは1,620万画素「Exmor R」を、ハンディカムは16:9の「Exmor R」CMOSを採用したサイバーショットのラインナップハンディカムのラインナップ
1080/60pでの撮影にも対応し、3.5型の有機ELタッチパネルも備えた「DSC-TX100V」GPSや電子コンパスも搭載した「DSC-HX7V」26.3mmの画角を体験するために、2年前のモデルからの比較も用意

 ビデオカメラ「Exmor R CMOS」は、16:9になった事が最大のポイント。従来の4:3型では、16:9の映像を撮影すると、上下に使われないエリアが発生する。今回は16:9の画角に合わせてセンサーを作り込んでいるため、動画撮影時の有効画素が415万画素から614万画素に、動画撮影時の静止画同時記録も約830万画素相当から、約1,230万画素相当にアップしている。また、16:9のセンサーと、広角対応のGレンズを組み合わせる事で、広角26.3mm(35mm換算)のワイドな撮影を実現した。「HD-CX700V」と、ビューファインダーを省いてコンパクトにした「HDR-CX560V」が、広角26.3mmのモデルとなる。



■ハンディカムでは3D撮影とプロジェクタを提案

 さらに、「撮影後の見る楽しさの新提案」として、プロジェクタを内蔵したモデル「HDR-PJ40V/PJ20」も用意。液晶モニタの裏側に、DLP Picoのプロジェクタを内蔵したもので、撮影動画を壁などに気軽に投写できるという。最大60型を3mから投写でき、パネル解像度は640×360ドット、コントラスト比は1,500:1、輝度は最大10ルーメン。

 「ハンディカムは大事な、大きなイベントでは使われるが、普段は使わないという人もいる。いつも使って欲しい、皆で楽しんで欲しいという思いで作ったモデル。キャンプやアウトドア、パーティーや結婚式の二次会、スポーツのフォームを皆でチェックするといった使い方もできる」(下野統括部長)という。

プロジェクタを内蔵したモデル「HDR-PJ40V」。実際に投写しているところフルHDの3D撮影が可能なハンディカム「HDR-TD10」

 フルHDの3D撮影が可能なハンディカム「HDR-TD10」は、レンズ、イメージセンサー、画像処理エンジンの全てを2個搭載し、左目用と右目用の映像をそれぞれ1,920×1,080/60iで撮影。3Dの1080/60i動画が記録できる(独自形式)のが特徴。光学10倍ズームや、ワイド端でのアクティブ手ブレ補正などが3D撮影でも利用できるほか、5.1chサラウンドマイクや風きり音ノイズ大作など、音にもこだわっているのが特徴。視差バリア式の3.5型、裸眼3D液晶モニターも搭載。122.9万画素で、ソニー製のTruBlack液晶となっている。

 なお、下野統括部長は「HDR-TD10」の市場投入規模として「3D対応テレビと一緒になって盛り上げていくつもりであり、当初の月産は1万台を予定している」という。



■bloggieでも3Dに対応

2眼2イメージセンサーを備え、サイドバイサイドの3D撮影が可能な「MHS-FS3」

 「3D撮影対応の強化」には、低価格でコンパクトなMP4カメラの「bloggie」も含まれている。「MHS-FS3」は2眼2イメージセンサーを備えており、CMOSセンサーは510万画素のExmorを採用。1,920×1,080/30pのサイドバイサイドで3D動画を撮影できるほか、1,920×1,080/30pでの2D撮影も可能。

 「Bloggie Touch」こと「MHS-TS20K」は、3型の静電式タッチパネル液晶を備え、直感的にフルHD動画撮影ができる。両モデルとも、本体メモリに保存されたソフトを使い、YouTubeなどの動画共有サイトへ気軽に投稿できる。




■「撮影後の楽しみをより充実」

 「撮影後の楽しみ」については、2月に写真・動画投稿サイト「α cafe web」を開設予定。また、PlayStation 3用に、AVCHD動画管理・鑑賞アプリ「Filmy」(フィルミー)も発表した。2月中旬提供予定で、無料体験版と、500円の有料版を用意。

 管理と鑑賞に特化したアプリで、USBでビデオカメラとPS3を接続したり、AVCHD動画をバックアップしたHDDをPS3に接続したりして使用する。PS3の強力な処理能力を活かし、撮影日時などで動画を一覧表示し、高速に検索や選択などが可能。

 また、顔認識や笑顔認識機能を使い、笑顔の部分のみを抽出して再生したり、撮影時のGPS情報を読取、地球儀の同じポイントに撮影動画のアイコンを表示したりする事ができる。

2月に写真・動画投稿サイト「α cafe web」を開設予定AVCHD動画管理・鑑賞アプリ「Filmy」動画の管理・鑑賞だけでなく、撮影ポイントの地図表示も可能

(2011年 1月 13日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]