ディズニー、e-moveやiPad連携など最新BDの機能を紹介

-「トロン:レガシー」をディーラーコンベンションで


「2011 SPRING ブルーレイ・DVD CONVENTION」の様子

 ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンは10日、2011年に発売を予定しているDVDやBlu-ray Discのラインナップや、マーケティングプランなどを販売店向けに説明する「2011 SPRING ブルーレイ・DVD CONVENTION」を都内で開催。その中で、同日発表した「トロン:レガシー」BD/DVDの機能説明を行なった。

 ソフトの詳細は既報の通り。「トロン:レガシー」のBDは、ディズニー初の“e-move”対応ソフトとなっており、BDの中にモバイル機器向けの本編映像をあらかじめ収録。対応するBDプレーヤー/レコーダなどを使い、簡単な操作でSDカードや、SDカードスロット搭載のモバイル機器に高速伝送し、その端末で本編が楽しめるようになっている。

 従来のデジタル・コピーと異なり、PCを使わずに端末への転送ができるのが特徴。対応する機器として、パナソニックのBDレコーダ「DMR-BZT900/800/700/600」や、CATV用STBの「TZ-BDT910M/910F/910P」があり、端末ではブルーレイDIGAと連携するデジタルメディアプレーヤー「SV-MV100」が対応している。


上が従来からあるデジタル・コピー、下がe-moveの説明会場にはBDパッケージも参考展示された。写真はBlu-ray 3D版も付属する「3Dスーパー・セット」Blu-ray 3D版の再生デモも行なわれた
エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏

 エグゼクティブ・ディレクターの高橋雅美氏は、急速に拡大しているBD市場において「ハイクオリティな映像や臨場感を楽しむ、大画面や3Dへのニーズと、外出先で移動しながら楽しむデジタル/ポータブルという2つの大きな波が来ている」と説明。大画面・高画質・3Dのニーズには、Blu-ray 3Dで対応し、「3D劇場公開作品は、今後全てBlu-ray 3Dで提供していく」という。

 さらに、デジタル/ポータブル端末での視聴ニーズには、「e-move」と「デジタル・コピー」で対応していくディズニーの姿勢を説明。「デジタル・コピー」は、同社のソフトで従来から採用しているもので、デジタル・コピー用のDVDが付属。ディスクをPCに挿入し、メニューに従ってiTunesを起動させ、認証コードを入力すると本編ファイルのコピーができ、PCで同ファイルを再生できるほか、iPodやiPhone、iPadにコピーし、再生も可能というもの。

 「トロン:レガシー」では、Blu-ray 3D版も付属する「3Dスーパー・セット」と、2D BDの単品版、さらに、'82年のオリジナル版のBDもセットにした「トロン:オリジナル×レガシー ブルーレイ・セット」に、e-move用コンテンツを収録する。

 高橋氏は「我々ディズニーは、BD化に進む視聴環境と共に、大画面、3D化、そしてデジタル/ポータブルと、ユーザーの様々な楽しみ方に応える商品を用意していきたい」と抱負を語った。




■iPadを特典用サブ画面として使う「ディズニー・セカンド・スクリーン」

今井康恵ディレクター

 続いて、「トロン:レガシー」に特典として用意されている、「ディズニー・セカンド・スクリーン」について、今井康恵ディレクターが説明。これは、iPadとBDの本編を連動させて楽しむものだという。

 まず、App Storeから専用アプリをダウンロード。その後、BDで映画本編を再生し、iPadのアプリをそれに同期させる。すると、テレビで表示されている本編の場面に関する、メイキングやコンセプト・アートの表示などがiPad上で閲覧できるというもの。BDにはPinP(子画面表示)で特典を収録しているタイトルがあるが、あの小画面を、iPadに移動させたようなイメージとなる。

 また、iPadの操作性を活かし、劇中に登場するバイクの立体画像を、指で自由に回転させて鑑賞するといった事もできるという。


iPadに専用アプリをインストールBDの本編と同期再生させると、シーンと連動したメイキングなどをiPadに表示できる劇中に登場しているバイクを好きな角度から眺められるなど、iPadの操作性を活用したコンテンツも

 なお、アプリの使い方などの詳細は、後日ディズニーの専用ページでアナウンスされる予定。気になるのは“本編とアプリの再生位置の同期方法”だが、BDプレーヤー/レコーダとiPadが同じLAN内にある場合は、LAN経由での同期ができ、その他にも、テレビから出る音声をiPadのアプリで認識し、同期するなど、複数の同期方法が用意される予定だという。

 そのため、BD側で再生時に同期方法を選ぶ必要がある。なお、この機能は、2D版のBDソフトが対応しているが、2D BD+2D DVDセットに収録するBDには収録されていない。

収録内容 タイトル仕様音声品番価格
3D BD
2D BD
e-move
DC
DSS
トロン:レガシー 3Dスーパー・セットBlu-ray 3D×1
2D BD(e-move収録)×1
デジタル・コピー用DVD×1
【BD仕様】
片面2層
約125分
16:9
MPEG-4 AVC
日本語字幕
英語字幕
吹替用字幕
【BD版】
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
VWBS-12246,090円
2D BD
e-move
DC
DSS
トロン:レガシー ブルーレイ2D BD(e-move収録)×1
デジタル・コピー用DVD×1
【BD仕様】
片面2層
約125分
16:9
MPEG-4 AVC
日本語字幕
英語字幕
吹替用字幕
【BD版】
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
VWBS-12273,990円
2D BD
2D DVD
トロン:レガシー DVD+ブルーレイ・セット2D BD×1
2D DVD×1
【BD仕様】
片面2層
約125分
16:9
MPEG-4 AVC
日本語字幕
英語字幕
吹替用字幕
【BD版】
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
VWBS-12363,990円
2D BD
2D BD
e-move
DSS
トロン:オリジナル
 ×
レガシー ブルーレイ・セット
2D BD×1
(トロン:オリジナル)
2D BD(e-move収録)×1
(トロン:レガシー)
【BD仕様:オリジナル】
片面2層
約96分
16:9
MPEG-4 AVC
【BD仕様:レガシー】
片面2層
約125分
16:9
MPEG-4 AVC
【BD仕様:共通】
日本語字幕
英語字幕
吹替用字幕
【BD仕様:オリジナル】
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 5.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 5.1ch)
【BD仕様:レガシー】
(1)英語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
(2)日本語
 (DTS-HD Master Audio 7.1ch)
VWBS-12286,090円

(※DC=デジタル・コピー、DSS=ディズニー・セカンド・スクリーン)



■「新しい技術を使い、素晴らしいエンターテイメントを」

ウォルト・ディズニー・ジャパンのポール・キャンドランド社長

 ウォルト・ディズニー・ジャパンのポール・キャンドランド社長は、BD市場について「DVDの時よりもチェンジに時間がかかってはいるが、BDにも勢いが出てきた。その勢いに乗って、ディズニーとしても力を入れていく。皆様の力も借りて、一緒に伸ばしていきたい」とディーラーに呼びかける。

 さらに、昨年発売した「トイ・ストーリー3」の売れ行きにもふれ「BD版と、BD+DVDのコンボパックを合わせると、DVD版の倍以上、全体の80%をBDが占める結果となった。BDの割合は、今後もさらに増えていくだろう」と予測。

 また、ワールドワイドのCEOであるロバート・A・アイガー氏が、新しいテクノロジーに強い関心のある人物で、Appleのスティーブ・ジョブズ氏とも友人関係であり、「とにかく最新の物が大好きな人物」と説明。「新しい技術を上手く使い、素晴らしいエンターテイメント経験をお客様に提供しようというのが彼の基本的な考え方であり、これは、アニメーションの技術を革新し続けた、ウォルト・ディズニーと同じ考え方でもある」と語った。



(2011年 3月 10日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]