ドコモ、Xperia acroや防水MEDIASなどのスマートフォン

-AQUOS PHONE 2機種や、GALAXY S IIなど9モデル


2011年夏モデル

 NTTドコモは16日、Android搭載スマートフォンやフィーチャーフォンの2011年夏モデルを発表した。スマートフォンはソニー・エリクソン製の「Xperia acro」やシャープ「AQUOS PHONE」、Samsung「GALAXY S II」など9機種で、5月20日より順次発売する。

 スマートフォンのラインナップは下表の通り。Android端末はいずれもOS 2.3を搭載する。また、Xperia acroとBrackBerry Bold以外の7機種はテザリングにも対応した。なお、各端末の詳細は別記事で掲載する。

 そのほか、夏モデルでは、フィーチャーフォンとして「STYLEシリーズ」5モデル、「PRIMEシリーズ」4モデル、「SMARTシリーズ」2モデルを用意。Windows 7とSymbian OSのデュアルOS仕様の「F-07C」もラインナップする。

製品名
型番
(メーカー)
発売時期
新規購入/割引後の
実質価格
ディスプレイワン
セグ
FeliCa赤外線防水テザリング
(最大同時
接続数)
その他特徴
Xperia acro
SO-02C

(ソニー・エリクソン)
6~7月
3万円台半ば
4.2型
液晶
裏面照射CMOS
クリアブラックパネル
MEDIAS WP
N-06C
(NECカシオ)
6~7月
2万円台後半
4型
液晶

(5)
薄さ7.9mm
防水
AQUOS PHONE
 fSH-13C
(シャープ)
7~8月
2万円台
前半
3.7型
液晶
-
(5)
非接触充電
防水
AQUOS PHONE
SH-12C

(シャープ)
5月20日
2万円台後半
4.2型
液晶
3D対応

(5)
2眼3Dカメラ
テザリング
GALAXY S II
(Samsung)
6月下旬
3万円台半ば
4.3型
有機EL

(5)
Gorillaガラス
デュアルコアCPU
Optimus bright
L-07C
(LG)
6月中旬
2万円台半ば
4型
IPS液晶

(8)
700cd/m2
高輝度液晶
P-07C
(パナソニック)
7~8月
2万円台半ば
4.3型
液晶

(5)
タッチスピードセレクタ
F-12C
(富士通東芝)
7~8月
1万円台後半
3.7型
液晶

(5)
防水
BlackBerry
Bold 9780
(RIM)
6~7月
2万円台後半
2.4型
液晶
ハードキー
新OS


■ ワンセグなどに対応した「Xperia acro SO-02C」、薄さ7.9mm/防水の「MEDIAS WP N-06C」

 Xperia acroは、3月に発売した「Xperia arc」と同様に4.2型液晶を搭載し、新たにワンセグやFeliCa(おサイフケータイ)、赤外線通信にも対応したことが特徴。モバイルブラビアエンジンにより、高画質な映像表示を可能にしている。

 カメラは裏面照射型の「Exmor R for mobile」CMOSで、810万画素。顔認識エンジンやHD動画撮影、コンティニュアスAFなどを搭載する。本体の薄さは約11.5mm。カラーはWhite/Black/Aquaの3色。

 MEDIAS WPも、同様にワンセグ/FeliCa/赤外線に対応。さらに、IPX5/7の防水対応ながら約7.9mmまで薄型化したことが特徴となっている。液晶は4型で、カメラは510万画素。ATOKも搭載する。カラーはChampagne GoldとPremium Rose、amadana Brownの3色を用意する。

Xperia acro防水対応で薄型のMEDIAS WP


■ AQUOS PHONEは非接触充電対応の「f SH-13C」と2眼3Dカメラの「SH-12C」

 AQUOS PHONEは2モデル用意。「fSH-13C」は、国内初というワイヤレス充電機能を標準搭載したモデル。同梱の充電パッドに置くだけで簡単に充電が行なえるという。また、防水/防塵仕様となっており、薄さは約10.9mm。ディスプレイは3.7型。ワンセグは搭載しないが、FeliCa/赤外線には対応する。カラーはPink/Black/Whiteの3色。

 11日に発表済みのSH-12Cは、2つのレンズと800万画素CMOSを備えた3D動画/静止画撮影対応モデル。ディスプレイも3D対応のNewモバイルASV液晶で、4.2型/960×540ドット。SH-12Cを経由して、パソコンやタブレット端末をネット接続できるテザリング機能も備える。カラーはWHITEとBLACKの2色。

SH-12C非接触充電が可能なfSH-13Cf SH-13C


■ ワンセグも備えた「GALAXY S II」、高輝度液晶の「Optimus bright」

 「GALAXY S II」は、4.3型有機EL「SUPER AMOLED」を搭載し、ワンセグも内蔵したモデル。従来のディスプレイに比べアイコンやテキストがより鮮明に、見やすくなったという。また、表面にはGorillaガラスを採用した。本体の薄さは約8.9mm。デュアルコアの1.2GHz CPUを搭載し、処理性能を向上。カメラは800万画素で、フルHD動画の撮影にも対応。HDMI経由でテレビなどに撮影した動画を出力できる。

 「Optimus bright」は、昼間の屋外など明るい場所でも見やすいという700cd/m2の高輝度IPS液晶を搭載。照度センサーなどにより無駄な発光を抑えた省エネ化も図っている。カラーはBlackとWhiteの2色。着せ替え用のリアカバー3色を同梱する。

有機EL搭載でワンセグにも対応したGALAXY S IIOptimus bright


■ パナソニック初の「P-07C」、防水の「F-12C」、新OS搭載の「BlackBerry Bold 9780」

 「P-07C」はパナソニックモバイル初のAndroidスマートフォンで、持ちやすさを追求したラウンドフォルムや、表面のグラデーションレイヤー、下部のスラント(傾斜)デザインなどが特徴。ディスプレイは4.3型で、ワンセグ/赤外線に対応する。右手でも左手でも片手で素早く操作できるという「タッチスピードセレクター」を採用する。カラーはBlackとWhiteの2色を用意する。

 人間の行動を元に、使いやすさを重視した「ヒューマンセントリックテクノロジー」採用モデルの「F-12C」は、音声でのアプリ呼び出し機能などを搭載。IPX 5/8の防水対応となっている。カメラは810万画素。カラーはBlackとRose goldの2色。

 「BlackBerry Bold 9780」は、新OSのBlackBerry 6を搭載。新設計のWebKitブラウザを搭載し、タブブラウジングが可能。PCのブラウザに近い感覚で閲覧できるという。UIのデザインも一新された。QWERTYのハードウェアキーを搭載し、ディスプレイは2.4型。カメラは500万画素。

P-07CF-12CBlackBerry Bold 9780

 


■ DLNA対応アプリをAndroid端末向けに提供

 

Twonky Mobile specialアプリ
 今回発表されたAndroid端末には、DLNAアプリの「Twonky Mobile special」をプリインストール。このアプリはDLNAのサーバー(DMS)、クライアント(DMP)、コントローラ(DMC)の各機能に対応し、スマートフォン内の動画/静止画をテレビなどのDLNA対応機器に出力したり、PCなどからストリーミング再生することなどが可能。YouTubeなどのサイトURLを、DLNA対応テレビなどに送信して表示させることも可能となっている。

 また、複数のDLNA機器と同時に連携/管理する機能を使うことで、例えばテレビにPicasaの静止画をスライドショー表示させながら、DLNA対応コンポなどで音楽を再生させるといった操作も可能となる。なお、録画したデジタル放送の番組など、DTCP-IPには非対応。音楽などでもDRM付きのファイルはサポートしない。

 「Twonky Mobile special」アプリは、2010年にドコモが子会社化したパケットビデオが作ったもので、これまで英語版はAndroid Marketで提供されていたが、ドコモ新端末の発表に合わせて、日本語版が提供される。Android 2.1以降の端末に対応し、既存の同社端末でも無料でダウンロード可能。ドコモはDLNAなど家庭内ネットワークを活用した機能を「docomo Connected Home」というキーワードで訴求し、手持ちの情報家電を活かした新しい視聴スタイルを提案していくという。

 

LAN内のサーバーなどを表示本体内の静止画などを対応テレビに表示ドコモの提唱する「docomo Connected Home」

 

 そのほか、AQUOS PHONEのSH-12C/f 13Cとテレビとの連携機能「スマートファミリンク」のデモコーナーも用意。液晶テレビAQUOSとAQUOS PHONEをHDMIまたは無線LANで接続し、手元のAQUOS PHONEの静止画/動画ファイルをタッチパネル上でテレビに向けて上方向にスライドする操作で、テレビ側に同じ静止画/動画を表示させることが可能。直感的な操作で連携できるようになった。

 

SH-12Cと液晶テレビAQUOSの「スマートファミリンク」連携デモ。静止画の表示状態で上方向にタッチ操作すると、テレビに同じ静止画が表示された

 


■ 3D撮影対応のフィーチャーフォンや初のWindows 7ケータイも

 

3D液晶搭載のSH-10C
 フィーチャーフォンは、「PRIMEシリーズ」4モデル、「STYLEシリーズ」5モデル、「SMARTシリーズ」2モデルを用意。これらはいずれもワンセグを搭載する。また、初の「Windows 7ケータイ」とする「F-07C」は、Symbian OSとのデュアルOSとなっている。こちらはワンセグを搭載しない。

 PRIMEシリーズでは、「SH-10C」と「F-09C」、「CA-01C」が3D液晶を搭載。SH-10Cが3.4型のNEWモバイルASV液晶、F-09Cが3.5型液晶、CA-01Cが3.4型液晶で、解像度はいずれも854×480ドット。静止画の3D撮影も可能で、撮影しながら本体を横にスライドして2枚撮影し、MPO形式の3D静止画を作成できる。カメラはSH-10Cが1,610万画素CCD、F-09Cは1,630万画素の裏面照射型「Exmor R」CMOSを搭載している。そのほか、「P-05C」も3D静止画撮影に対応する。動画撮影は4機種ともフルHDに対応する。

 

F-09CCA-01CP-05C

 STYLEシリーズでは、F-10CがフルHD動画撮影に対応。カメラは1,220万画素のCMOSを搭載する。このモデルは防水/防塵仕様となっている。また、P-06Cはドコモ初という12色の本体カラーを用意したモデル。モノトーン系/ピンク系/ゴールド系でそれぞれ4種類のトーンから選べる。このモデルも防水対応。

 SMARTシリーズは、N-05Cに裏面照射型の810万画素CMOSカメラを採用。約0.5秒の「瞬速起動」と約0.6秒の「瞬速撮影」により、シャッターチャンスを逃さず撮影できるという。

 

F-10CP-06CN-05C

 

F-07CのWindows 7モード時
 Windows 7ケータイのF-07Cは上記のシリーズには含まれず「その他」にカテゴライズされたモデル。Windows 7 Home Premium(32bit版)の「Windows 7モード」と、iモードの「ケータイモード」が1キーで切り替えられるようになっている。背面には富士通のPCと同じLOOXのロゴを冠している。FeliCaやiモードメールは搭載するが、ワンセグや赤外線通信には非対応。

 同時期に発売予定のクレードルと接続することで、HDMI出力やUSBキーボード接続などに対応可能。価格は未定だが、7~8,000円程度としている。なお、Windows 7使用時のバッテリ持続時間は約2時間としている。CPUはAtom 1.20GHz(実際の動作は50%)で、メモリは1GB。32GBのSSDを搭載する。WordやExcelなど「Office Personal 2010」の2年間ライセンスも同梱。

 

ケータイモード時背面。下部にLOOXの文字クレードル装着時

 


■ スマートフォンの年度内売上600万台へ

 

山田隆持社長
 スマートフォン9機種を紹介したドコモの山田隆持社長は、今夏からスマートフォンでも地震などの緊急速報「エリアメール」に対応することを明らかにしたほか、今冬にはiモードの課金/認証システムをスマートフォンにも導入することで、マイメニューの引継ぎが可能になる施策を導入することを予告。先進ユーザー以外に、初めてスマートフォンを使う人への展開を強調し、「高まっているスマートフォンのニーズに応え、スマートフォンでも満足度No.1を目指す」と宣言した。

 東日本大震災の影響については、「一部の部品に影響はあったが、代替することができた。スマートフォン9機種のうち、4機種程度は当初予定より約2週間遅れることになった。それくらいの軽微な影響。既存モデルについては、影響があっても数週間程度」とした。今回の9機種は、月々サポートなどの割引を考慮した実質価格が1機種が1万円台、6機種が2万円台、2機種が3万円台という価格に抑え、「買っていただきやすい価格にした」と自信を見せた。スマートフォンの売上は、今年度600万台を見込んでいるという。

 

スマートフォン新機種春モデルと合わせると12機種のラインナップとなる今冬には、iモード端末のマイメニューを引き継げるようにする施策も

 ゲストとして、CMキャラクターである俳優の渡辺謙さんと堀北真希さんが来場。それぞれ、東日本大震災の被災地へのお見舞いの言葉を述べた。

 渡辺さんは、避難所に足を運び、多くの人に声を掛けたり物資を提供したりと献身的に活動。被災地でサインを求められることも多かったが、各避難所にドコモのブースがあることから、サイン用の紙としてドコモのパンフレットを差し出されることが多かったという。堀北さんも「今もまだ苦しい生活を続けている方がたくさんいらっしゃる。できることがあれば力になりたい」と語った。

 

渡辺謙さんと堀北真希さん
 既にスマートフォンを愛用している堀北さんは、料理のレシピをダウンロードして活用したり、ゲームをダウンロードして楽しんでいるとのこと。また、渡辺さんは被災地での買い出しの店を調べる際などに、スマートフォンが役に立ったという。

 新モデルの多くが、ワンセグや赤外線通信など、従来のフィーチャーフォンの機能を搭載したことについて、GALAXY Sユーザーの渡辺さんは「GALAXY S IIもワンセグついたんですね。すごいなあ」と、高い関心を寄せた。また、堀北さんも、アドレス交換などで赤外線通信をよく使うというとのこと。渡辺さんはこれを受けて「赤外線通信で、堀北さんとCM共演したいですね」と笑顔を見せた。 


(2011年 5月 16日)

[AV Watch編集部 中林暁]