エソテリック、セパレートプレーヤー「P-02/D-02」

-最大48bit/176.4kHz伝送。DACは35bitで変換


SACD/CD対応トランスポート「P-02」

 エソテリックは、SACD/CD対応トランスポート「P-02」と、35bitデュアルモノDAC「D-02」を8月1日に発売する。価格は各147万円。

 「P-02」と「D-02」を組み合わせたセパレート型プレーヤーシステムとして訴求しており、「エソテリックテクノロジーの全てを結集した」というハイエンドモデル。最大の特徴は、両機種をXLRケーブル2本で接続し、最大48bit/176.4kHzの広帯域PCMデジタル伝送ができる独自の伝送フォーマット「ES-LINK3」に対応する事。

 さらに、最大24bit/352.8kHzのPCM伝送ができる「DUAL AES 8FS」規格にも対応している。なお、DAC「D-02」の性能としては、これらの伝送フォーマットの最大を超え、「ES-LINK3」で48bit/192kHz、「DUAL AES 8FS」で24bit/384kHzまでの入力に対応できるという。

 また、「ES-LINK3」はSACDのDSD伝送も可能。トランスポートから出力されたDSD信号を、DACでダイレクトにD/A変換できる。さらにi.LINK端子を備え、「D-02」を3台組み合わせることで、SACDのマルチチャンネル再生にも対応できる。




■DAC「D-02」

DAC「D-02」

 DACのICには、旭化成エレクトロニクスの32bit対応デバイス「AK4399」を、チャンネルごとに8回路を組み合わせて搭載。DSD信号のアナログ変換するほか、PCM信号を35bit解像度でアナログ変換する「35bit D/Aプロセッシング」アルゴリズムを新たに採用した。

 この「35bit D/Aプロセッシング」では、24bitと比べて256倍の解像度となる32bitのさらに8倍、24bitと比べると2,048倍という高解像度で処理される。

 PCM処理時は2倍、4倍、8倍アップコンバート、PCMからDSDへのコンバートなども可能。デジタルフィルタもFIR型を2種類、インパルス波形に含まれるプリエコーを除去し、音の立ち上がりをよりナチュラルに聴かせるショートディレイ型フィルタ2種類を用意。好みに合わせて選択できる。

 USB接続にも対応し、ハイビットハイサンプリングファイルの再生も可能。同社独自のドライバソフトを使い、アシンクロナス伝送と24bit/192kHz入力に対応。PCなどからの外部ノイズ混入を防ぐUSBアイソレーターも装備している。

 DAC回路は左右のチャンネルごとに独立したアナログオーディオ基板に搭載。電源回路、電源トランスなど、全てのコンポーネントを左右同一レイアウトで配置するデュアルモノ構成となっている。

 入力はXLR×2、i.LINK 4p/6p×1、USB×1、同軸デジタル×2、光デジタル1を装備。高精度なデジタルアッテネータ機能を備え、余裕のあるビットレンジを活かて、ビット落ちによる音質の劣化の少ないボリュームコントロールも可能。パワーアンプとダイレクトに接続する事もできる。

「D-02」の背面

 ワードクロックの入力にも対応。トランスポートとDACを同期して再生させ、ジッタを低減できる。2機種とも、ワードシンクにも新しいシステムを投入。「PLL レス・ダイレクトマスタークロックLINK」と呼ばれるもので、D-02の高精度クロックモジュールで生成したデジタルオーディオ出力用の基準クロック(22.5792MHz)をP-02に供給。P-02内部のPLL回路を経由せずに、デジタル出力回路のクロックとして利用できる。

 従来のワードクロック(44.1kHz/88.2kHz/176.4kHz)によるワードシンク同期にも対応。P-02、D-02のどちらも、10MHz出力の外部クロックシステムとの接続にも対応する。

 最終段のアナログオーディオ出力回路は、チャンネルあたり4回路のフルディスクリートClass Aバッファーアンプで構成。XLR出力は、各チャンネルのホット/コールド゙それぞれに2回路のバッファーアンプを組み合わせた2パラレル・フルバランス出力、RCA出力時は4パラレル・アンバランス出力となる。

 消費電力は14W。外形寸法は445×438×162mm。重量は27.4kg。



■トランスポート「P-02」

「P-02」の背面

 SACD/CDに対応するトランスポート。高精度ターンテーブルを採用し、ディスク回転時の面振れを補正することによって読み取り精度を高める独自の「VRDS-NEO」トランスポートメカニズム「VMK-3.5-20S」を搭載している。

 スピンドルの軸受けには、セラミックボールベアリングをペアで採用。ターンテーブルはジュラルミン製。20mm厚のスチール製ターンテーブルブリッジを内蔵し、ドライブ部分の総質量は5.2kgとなる。

 モーターはネオジウムマグネット駆動のコアレス3相ブラシレス・スピンドル・モーターで、「P-0」の思想を発展させたスレッド送り制御、レーザー光が常にディスクに垂直に照射される軸摺動型ピックアップなどのメカニズムを搭載する。

 モーター駆動用には、ディスクリート・アンプ回路「VS-DD」(VRDS Spindle Discrete Driver)を採用。専用のトロイダル電源が電力供給を最適化することで、滑らかで高精度なサーボ制御とスピンドル駆動を実現するという。また、電力消費の大きいスピンドルモーターを別電源化することで、デジタルオーディオ回路の安定性とノイズアイソレーション効果も高めている。

 出力はES-LINK3対応のXLR×2に加え、同軸デジタル×1、i.LINK 4p/6p各×1を装備。ワードシンク入力にも対応する。

 消費電力は25W。外形寸法は445×438×162mm(幅×奥行き×高さ)。重量は31kg。



■発売記念プレゼントキャンペーン

 発売を記念したプレゼントキャンペーンも実施される。8月1日~9月30日のキャンペーン期間中に「P-02」、または「D-02」を購入すると、「ESOTERIC Stressfree 7N(99.99999%)Cu MEXCEL BNC ケーブル」(7N-DA5100 MEXCEL BNC)の1mタイプ(147,000円)が1本、プレゼントされる。詳細は同社のページにて。


(2011年 7月 22日)

[AV Watch編集部 山崎健太郎]